本学教員の研究活動を一層推進させることを目的として、教員が特定の研究課題について自主的にプロジェクト・チームを編成し共同で行っている研究に対し、大学は審査を行った上で研究費を助成しています。

共同研究助成一覧

平成29年度

研究代表者 研究課題 概要
内田あぐり 日本画の伝統素材「膠」に関する調査研究 日本画の伝統素材「膠」の途絶えた製造技術を解明し、膠が日本の造形文化に与えた影響を調査する。日本画と台湾の膠彩画に共通する表現技法の比較・検討を行い、帝国美術学校の卒業生の作品を中心に近代日本画をアジアの視点から捉え、現代日本画の概念や今後のあり方を再考する。
川口起美雄 15世紀~17世紀から現在に至る西洋古典絵画技法の解釈とその展開のための基礎的研究 ルネッサンス期に確立した絵画技法の基本は500年に渡って、その時代により、又、風土生得的に形を換え乍ら現在へと繋がっています。本研究では15~17世紀のテンペラ技法、混合技法、油彩の諸技法の実際を提示し、その理解の上に学生自らが表現の再構築へと向かう事をめざしています。
朴亨國 金原省吾の教育とその成果について 本研究は、帝国美術学校から武蔵野美術学校に至る本学の歴史の中で金原省吾(1890~1958)が実践した教育の実像を闡明し、金原の謦咳に接した学生たちの卒業後の教育と制作の活動において、その成果を具体的に検証することを目的とする。

平成28年度

研究代表者 研究課題 概要
井口博美 地方創生都市の将来構想デザインに関する調査研究  ~房総ライフデザインプロジェクト 本研究はソーシャルデザインの観点から、地域(千葉県いすみ市)との協力関係の元で美術大学の立場を活かしたアプローチ方法や有効なデザイン方法論について研究・実践し、地域創生に関わる「将来ビジョンづくり」のモデルケースとして発表・展開していくことを目的とする。
黒川弘毅 清水多嘉示の美術教育と武蔵野美術学校 清水多嘉示が残した作品・文書・写真・印刷物などの全資料をデジタル・アーカイブとして公開し、武蔵野美術学校時代に焦点を当てた「清水多嘉示資料展」第3期を本学美術館で開催して、戦後期における清水の制作活動と美術教育を含む広範な社会活動への関与と業績を検証する。
小林昭世 色彩デザインの国際化と教育の再検討 今日の色彩デザインの考え方と方法は、近年の工学、科学、ビジネスの進展を受けて、それぞれの国毎にまた業界毎に多様化している。この研究では、造形の中には色彩デザインの基盤があるとはいえ、色彩デザインの創造力をそれを実現するための仕組みとともに捉え返すことを目標にする。共同研究分担者は、小林昭世、吉田慎悟、白石学。
関野吉晴 地球永住計画/この星で生き続けるための物語 ~芸術と科学と地域のコラボレーション~ 火星移住のための調査研究は、この地球が命を育むのに如何に奇跡的な星かということの再認識でもありました。この奇跡の星を私たちが生き続けていくためにはどうしたらいいのか。この壮大な課題に科学者や芸術家、市民がともに向き合い、アートで表現します。
三澤一実 美術の学びを伝える「美術の学力見える化プロジェクト」の研究 義務教育においての図工美術の必要性や重要性、また美術教育で育つ学力を、授業記録を取りながら、どの様な学力が育つか分析し、その内容からポスターや映像を作成し日常的に校内に展示していく。保護者や一般の市民に理解できるプレゼンテーションを考える。

平成27年度

研究代表者 研究課題 概要
上原幸子 先駆的事例に基づくコミュニティデザイン研究 まちづくりには、活動を視覚化し情報発信していく命題がある。地域と共に企画や活動を行い、記録をメディア化するなど、本学がこれまで携わって来た活動事例紹介と、コミュニティデザインの特色ある事例を研究する。
小林のりお 場における写真の展開-写真の使用法に関する調査・研究 写真と動画、CGとの境界が曖昧になりつつある現在、デジタル環境下における様々な写真の使用法を考察・研究することで、近代写真が追求してきた価値を再考し、これまでとは異なる写真表現の可能性や価値観、教育の可能性を探る試みである。
高橋陽一 帝国美術学校の未解明課題の基盤的研究 武蔵野美術大学の前身となった1929(昭和4)年創立の帝国美術学校について、建学の精神、北原白秋作詞・小松耕輔作曲の校歌、1935(昭和10)年の紛争の原因にもなった文部省教員検定試験、学徒出陣、中国人留学生などのテーマについて、その歴史を解明する。
堀尾幸男 傾斜舞台(開帳場)の存在とその効用 舞台美術家がまったく当たり前のように「傾斜舞台」を使っている。「人はなぜ劇場を作り、演じるのか」これを最終課題としながらも演じる創造空間の「床」へ着目をし、傾斜している事に誰も問わなかったこの研究に独創性の価値ある研究意識を見い出す。
米徳信一 共同授業・制作を核とした美術大学と中学校・地域との連携研究 本研究は、〈美術〉を用いたプロジェクトを大学近隣の中学校と連携して行い、中学教諭、生徒、大学教員・学生、地域住民が関わり合うことで、能動的になれる場の形成と、メディア・リテラシー教育の新たな方法を見出すことを目的とする。

平成26年度

研究代表者 研究課題 概要
白石美雪 美術大学における教育資源としての楽器―
中村とうよう氏寄贈の楽器を中心に
楽器は美術と音楽をつなぐ総合的な芸術のツールである。中村とうよう氏から寄贈された世界各地の楽器を美術大学の教育資源として生かすため、音楽学、楽器学、民俗学、教育学の視点から楽器の分類、保管、教育活用について研究する。
朴亨國 鉄仏はなぜ造られたのか?-鋳造技法と荘厳に関する調査研究- 本研究は「なぜ鉄仏は造られたのか?」という問いに対し、これまでにない鉄仏の総合的な調査研究を目指し、美術史・彫刻技法・保存修復の各専門的見地を一同にまとめ、新たな研究成果を導き出すことが目的である。

平成25年度

研究代表者 研究課題 概要
後藤吉郎 Edward Johnstonのタイポグラフィの成就とアーツ・アンド・クラフト運動との関係性についての研究 ジョンストンは、20世紀初頭に活躍した英国の書家であり文字のデザイナーであった。本研究では、ジョンストンがアーツ・アンド・クラフト運動からどのような影響を受け、書と書体の形成に関わったのかを研究する。
十時啓悦 国産自然素材の工芸的活用法研究と海外発信 日本の森林が荒廃しているにも拘らず海外から木製品を大量に輸入している矛盾からこの研究は始まる。かつての木製生活道具はすっかり樹脂製に、そして安価な輸入品で埋め尽くされた。環境問題の見地から国産循環型自然素材活用の提案さらに海外(フィンランド)との相違点を探る。
伊藤真一 ラフィアパーム材、オイルパーム材を使用した家具・生活用品・構造体のデザイン 開発途上国のコミュニティの持続可能な産業振興を目指して、非木材植物であるラフィアパーム、オイルパームの葉軸及び葉を使用した製品・構造体デザインの可能性を明らかにし、デザインプロトタイプを提示する。
井口博美 CMF(カラー/マテリアル/フィニッシュ)デザインの人材教育に関する調査研究 本研究は、CMFデザインの人材育成に求められる資質や能力と企業における人材教育プログラムの実態を調査し、その問題点の共通認識化およびこれからのCMFデザイン教育に必要な要件を明らかにすることを目的とする。
小井土滿 ネパールにおける「銀器の加工技術に関する調査・研究」 ネパールでは金属器が生活に欠かせないものになっている。銅製の水差し、真鍮の食器類、祭事用銀器、アクセサリー、寺院など多種多様に金属が使われている。特に祭事用の銀器の精巧さ、緻密さは驚きである。その制作行程や使い方などの伝統を受け継いでいる工房を主に調査・研究をするのが目的である。
北徹朗 大学生の生活習慣と初年次における健康教育カリキュラムの検討 本研究は、加速度計付き歩数計を利用するなどして学生の身体活動を可視化し運動実施促進を目指す。また、生活習慣に関わる諸項目(栄養、睡眠、喫煙、飲酒など)についても縦断的に調査・分析し、美術系大学生の特徴と健康教育のための基礎資料を収集を試みる。
清水恒平 美術・デザイン領域におけるメディアを利用した教育方法の研究 本研究は、メディアを有効に活用した、美術・デザイン教育の教授方法を探ろうとするものである。動画教材の試作と試験運用を行いながら、より高い効果を生み出す方法を探求することを目的とする。

平成24年度

研究代表者 研究課題 概要
黒川弘毅 清水多嘉示の美術教育についてⅢ 本研究は、清水多嘉示の本学における業績を闡明し、その意義を再認識するものである。それはまた、戦争を挟んだ激動期を一貫した理念のもとに誠実に生きた彫刻家を、我が国の近代彫刻史において正当に再評価するための試みでもある。
小林昭世 ダイアグラム研究 本研究は、近代デザイン史のなかでのダイアグラムの発展過程を追跡し、ダイアグラム表現の構造を明らかにし、より効果的な利用を促進するためのガイドライン等を提示することを目的とする。
朴 亨國 鋳造仏の技法と荘厳に関する調査研究 本研究は、古代から近世までの鋳造仏を対象に、鋳造および表面荘厳の技法について、美術史的な方法および再現実験、さらに光学的手法を用いて作例調査を行い基礎データの収集蓄積を行うとともに、技法とその効果について解明を目指すことを目的とする。
鈴木久雄 日本現代彫刻における素材・技法の制作的・理論的研究-中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館の収蔵作品を中心に- 日本の彫刻においては1950年代以降、粘土、木、石といった旧来の彫刻素材に加えて鉄や樹脂、ガラスなどさまざまな日常的実用物に供される物質が素材として導入された。情報社会のなかで疑似存在が一人歩きをする現在、物としての様々な素材とそれを扱う技術、それらの位置を精査することで、彫刻領域の基盤となる部分を再考する。