荒木愛香Araki Aika

作品写真:交わりの学び場
作品写真:交わりの学び場
作品写真:交わりの学び場

交わりの学び場THE LEARNING SPACE FOR COMMUNICATION

模型|スチレンペーパー、黄ボール、チップボール、ほかModel|Styrene paper, yellow cardboard, chipboard, otherH270 × W1800 × D2700mm、H50 × W1000 × D800mm

かねてから、「単純な構成だが複雑に見える空間、しかし設計は単純」な建築をつくりたいと思っていた。この作品は、四角形のみで構成され、水平垂直にリズミカルに場を重ねることで複雑に見える空間を生む。だが設計は単純で、訪れた人は気軽に施設を使うことができる。

静岡県の松崎に建てるコミュニティセンターと小学校、鏝絵職人養成所の複合施設の提案であり、町の活性化や左官芸術である鏝絵の発展の場となる。

荒木愛香

「交わりの学び場」は、静岡県松崎町のコミュニティセンターと小学校、鏝絵職人養成所の複合施設の提案である。松崎町における鏝絵、その現状と問題点をしっかり調査し、卒業研究としているため、条件設定から計画がよく練られている。そして、着実にエスキースを繰り返して、設計の細部までよく検討されている作品である。制作テーマから研究、計画、設計、プレゼンテーションへと丁寧にまとめられた力作である。

建築学科教授 布施茂

石井夏帆Ishii Natsuho

作品写真:space 7
作品写真:space 7
作品写真:space 7

space 7

インスタレーション|木、石膏ボード、LED 照明、家具、家電、ほかInstallation art|Wood, gypsum board, LED bulb, furniture, appliance, otherH1600 × W4500 × D4200mm

これまで境界について考えてきた。
他者との境界。
公と私の境界。
建築を自分を取り巻く境界の一種として考えてみた。
人が成長し変化するように建築も柔軟に自由でいいのではないか。
そこで忘れられ、ないがしろに扱われている隙間空間に着目した。この場所は学校の中の隙間である。
発想の転換次第でそこはただの階段下にも、異空間にもなりうる。この作品で私なりの空間の可能性を提案する。
ラブホテル、日本におけるそれは、狭い生活空間の中で生きる我々にとって自分をさらけ出して楽しむことができる心のスキマなのではないだろうか。
隙間にスキマを展開させた。
また、身分も広さもいらずに相手と親密になれる場所という意味では文化的に茶室にも通ずるものがあるのではないだろうか。

石井夏帆

石井夏帆が制作した怪しげなラブホテル「space 7」は、建築家・芦原義信が設計した武蔵野美術大学7号館1階階段下の、普段は物置場として使われている隙間空間にインスタレーションしたものである。この空間はキャンパス内でも南側に面し休憩所とも隣接した、学生たちには比較的人気のある場所でありながら、なんとなく忘れられた空間でもあった。今回石井はこの隙間空間に、現代人の誰もが持つ「心のスキマ」を埋めるための異空間を制作したのである。

建築学科客員教授 土屋公雄

佐々井歩Sasai Ayumi

作品写真:汀によせて
作品写真:汀によせて

汀によせてDraw up to the waterside

模型|木材、スチレンボード、アクリルModel|Wood, styrene board, acrylic boardH1150 × W500 × D2700mm

広島駅から路面電車で約2、30分で行くことができる、街にとっては身近な広島港。
ここは、周辺の島々から市街地へ通勤・通学で利用され、市民にとっては欠く事ができない生活港としての機能も担っている。いわば、海から広島、広島から海への港の玄関口である。しかし、現状は場所から場所への通過点にすぎず、広島の市民にとって海辺、港に対する関心はいまひとつ希薄な印象がある。そこで、立ちどまり滞在したくなるような魅力的な港を計画しようと考えた。

佐々井歩

「汀によせて」は、広島の海の玄関である広島港を魅力的な場とするため、美術館機能を加えた新たなフェリーターミナルの提案である。180mのフェリー乗場の埠頭を敷地とし、海、空への風景を多様に切り取るようにシーンの繋がりや見え方を丁寧にスタディした作品である。この建築は、動線に伴う空間のシークエンスを構成すると同時に、外観の複雑な形態と空間の繋がりを、ひとつの建築として見事に統合した秀作である。

建築学科教授 布施茂

藤野なみかFujino Namika

作品写真:対峙
作品写真:対峙
作品写真:対峙

対峙Taiji

模型|スノーマット、スチレンペーパー、紙、ほかModel|Snow mat, styrene paper, paper, otherH400 × W900 × D1400mm、H200 × W841 × D841mm

私たちの周りは、音や温度や匂いなど様々なもので溢れている。一時もとどまらず変化し続ける自分と自分以外のあらゆる「他者」との向き合いの場としてのギャラリーを設計した。展示対象は作品と、それが置かれている環境そのものである。道を辿り、目の前の作品と対峙し、微細に変化する周りの環境や空間体験に気がつく。
普段当たり前に受け取る「他者」の存在を確認し、体験として経験に置き換えることは、自己との対峙にもなり得るのかもしれない。

藤野なみか

「対峙」は、一時もとどまらず変化し続ける自分と自分以外のあらゆる「他者」と向き合う場としてのギャラリーの提案である。この作品のテーマに対する敷地選定は、中目黒と代官山に近い都心にとり残された傾斜地とし、敷地の上下を繋ぐように動線を設定して様々なシークエンスを創りだしている。卒業制作として、計画、設計とも秀逸で、図面、模型表現は高いレベルであり、造形的なセンスを感じさせる。

建築学科教授 布施茂

山田陽平Yamada Yohei

作品写真:品川駅改造計画 ―都市を異化する―
作品写真:品川駅改造計画 ―都市を異化する―
作品写真:品川駅改造計画 ―都市を異化する―
作品写真:品川駅改造計画 ―都市を異化する―
作品写真:品川駅改造計画 ―都市を異化する―

品川駅改造計画 ―都市を異化する―Expansion of Shinagawa Station —Rewrite the Metropolis—

模型|チップボール、スチレンボード、スタイロフォーム、アクリル、紙、ほかModel |Chipboard, styrene board, styrofoam, acrylic board, paper, otherH600 × W3600 × D1800mm、H100 × φ900mm

都市へ積極的に関与する建築の設計を試みる。建築を置くことにより発生する新たなコンテクストと、その建築がもたらす風景の更新を、建築による都市の異化作用として定義する。

敷地は品川駅及び港南口駅前広場の一帯である。現在品川駅では地下40mにリニアモーターカーの駅を建設している。この地下40mの穴を設計し提案する。穴は地下都市として強力なコンテクストになると同時に、これまでの見慣れた都市風景を大きく変える存在である。空間は立体的な都市体験として既成の都市空間を対比的に補完する。既成の都市を新たな都市へと孵化させる、新たな時代のための建築手法として提示する。

山田陽平

「品川駅改造計画 ―都市を異化する―」は、品川駅の地下40mに建設中のリニアモーターカーの駅を、巨大なヴォイド空間によって顕在化させた提案である。既存の品川駅から地下へ広がる動線を見事に計画し、平面と断面によって丹念に設計した空間は、シークエンスの構成、プロポーションなど秀逸な建築である。卒業制作において、この規模の建築を計画し、圧倒的な図面と模型によるプレゼンテーションは、質、量とも圧巻の内容である。

建築学科教授 布施茂