荒明真柚Araake Mayu

作品写真:赤ちゃんのための縁起式 ―日本伝統の7つの行事―
作品写真:赤ちゃんのための縁起式 ―日本伝統の7つの行事―

赤ちゃんのための縁起式 ―日本伝統の7つの行事―The auspicious formula for the baby — Seven events of Japanese tradition —

本、カレンダー|紙、無線綴じ、帯Book, calendar|Paper, perfect binding, book bandH210 × W215mm

日本には古くから伝わる赤ちゃんのための行事がある。この一つ一つの行事には、赤ちゃんの健やかな成長を願うための意味が込められている。しかし、現在では核家族化が進み、自分の母から子へとその習わしが伝わっていくのが難しい時代になっている。そんな中、今年私の姉が赤ちゃんを出産した。その子の成長過程の取材を通して、日本の古くから伝わる赤ちゃんのための行事を知ってもらいたい、そして伝えていきたいと思い、赤ちゃんの成長を形に残すことのできる日めくり成長カレンダーと一冊の書籍にまとめた。

荒明真柚

家族に起こった出産を契機としていることで、写真にも記述にもリアリティーがあります。伝統の行事を実際の出来事にそって見せる書籍は読物として魅力的であり、「日めくりカレンダー」には実用に耐える配慮が行き届いています。平安時代に編修された「延喜式」は律令の施行細則ですが、平成に生きる人々にも何らかの指針があったら、と思わせる作品となりました。丁寧に時を生きることの促しとも言えます。

デザイン情報学科教授 森山明子

板井さくらItai Sakura

作品写真:TAMARIBA ―中学生の3rd placeをつくる―
作品写真:TAMARIBA ―中学生の3rd placeをつくる―
作品写真:TAMARIBA ―中学生の3rd placeをつくる―
作品写真:TAMARIBA ―中学生の3rd placeをつくる―

TAMARIBA ―中学生の3rd placeをつくる―TAMARIBA — Make the Third Place for junior high school students—

プランニング、小屋、本|杉板、ワイヤーロープ、ポリカ中空ボード、紙Planning, mobilehouse, book|Cedar board, steel wire rope, polycarbonate sheet, paperH2000 × W1820 × D1820mm、H210 × 148mm

中学生の時、私は学校の中でしか社会を知ることができなかった。
閉じられた世界では新しい可能性も悩みからの逃げ道も見えてこない。
学校と家庭以外に自分を認めてくれる場所があったらどうだろう。
「教える」という目的を持たない大人と友達になれたらどうだろう。
TAMARIBA はまちづくりを行う大学生が主体となり中学生のための3rd place を作るビジョンの提案。
小屋やマニュアルはその実現を手助けするものであり、多くの地域での実現を目指す。

板井さくら

TAMARIBAとは若者の都市流出が危ぶまれる地域に対して提案されたまちづくりと中学生を繋げるモバイルハウスで、企画会議等のコミュニケーション拠点。材料は全てホームセンターで調達可能、43枚の板材に穴をあけロープを通せば温かみのある空間が簡単に完成するという手軽さで全国展開を目指す。評価ポイントは、地域のフィールドリサーチから普及の仕組みまでを視野に入れたコンセプト展開、モデル制作に至るトータルデザイン。

デザイン情報学科教授 井口博美

遠藤裕子Endo Yuko

作品写真:webプロモーション「isocarte キャンペーン」の提案

webプロモーション「isocarte キャンペーン」の提案
―マリアージュによる地域商品PR方法の研究―Web Campaign “isocarte” — The Promotion for Local Food by “Mariage”—

プランニング、web、調査研究、プロジェクト|Web キャンペーン実施期間:7日間(2016年11月14日〜11月20日)Planning, research, project|Web Campaign:7 days (November 14 -20, 2016)

ワインとチーズのように、2つの味わいが絶妙に調和した状態のことをマリアージュという。地域商品のPR 方法を検討するにあたり、お互いを引き立てあうこの関係を生かせないかと考えた。そこで実際に、地域商品同士のマリアージュをテーマにしたwebプロモーションを企画し、宮城県の企業6社と共同で「isocarte 投票キャンペーン」を実施し、効果を検証・考察した。この方法では、生産者同士がバッティングせずに共創関係を築くきっかけとなる。マリアージュという1視点がこれからの地域商品PRの場に役立てればと思う。

遠藤裕子

地元(宮城県・石巻寄磯浜)海産物をトリガーに「どんな美味しい組み合わせができるか」を基本コンセプトに、制作したwebサイトを使って1週間にわたる“ベストマリアージュ投票キャンペーン”を企画・実施。協賛企業5社を得て、具体的な組み合わせメニュー・プランを開発し“最もお互いを引き立てあうマリアージュ”を投票によって導き出した。一連のプロジェクト提案が、他地域に対しても有望な先行事例となりうる点が評価された。

デザイン情報学科教授 井口博美

太田規介Ota Kisuke

作品写真:書体“GF–はくちょう”
作品写真:書体“GF–はくちょう”
作品写真:書体“GF–はくちょう”
作品写真:書体“GF–はくちょう”
作品写真:書体“GF–はくちょう”
作品写真:書体“GF–はくちょう”

書体“GF–はくちょう”Typeface “GF-Hakucho”

本|デジタルオフセット印刷、無線綴じ製本Book|Digital-offset printing, perfect bindingH260 × W260mm

ポスター|デジタルオフセット印刷Poster|Digital-offset printingH728 × W515mm ×3点

米袋|シルクスクリーン印刷Craft ricebags|Silkscreen printingH365 × W180mm

私が今回制作に取り組んだ書体“GF(Goto Farm)–はくちょう”は、私の祖父母の営む後藤農場が栽培しているもち米「はくちょうもち」のための専用書体として作られています。個人販売用のパッケージデザインに始まり、展開していくに当たって、白鳥のように気品のある風合いを持ちつつも汎用性のあるフラットな印象を持った書体が必要でした。そして既存書体と合成して使用することでまた違った表情を見せるこの“GF–はくちょう”は、後藤農場のはくちょうもちだけでなく今後様々な活用が期待されます。

太田規介

学生にとって本文書体の制作はハードルが高い。この研究は北海道で生産されているもち米「はくちょうもち」のための仮名書体の開発に挑戦したもので、白鳥の優美な首のラインを造形の基調としています。「はくちょうもち」のロゴやパッケージを制作の出発点としながら、普段使いの書体に至った労作です。漢字や欧文との適合性の検証などさまざまな作業を積み重ねて、汎用性のある本文書体完成にこぎつけて欲しいものです。

デザイン情報学科教授 森山明子

藤田葉奈子Fujita Hanako

作品写真:漆と紙
作品写真:漆と紙
作品写真:漆と紙
作品写真:漆と紙
作品写真:漆と紙
作品写真:漆と紙
作品写真:漆と紙
作品写真:漆と紙

漆と紙 ―「紙胎」技法における漆と紙双方の変化と分析―Urushi and paper —Urushi and paper, both changes and analyses in technique “Shitai”

漆、紙Urushi, paperH210 × W148mm ×300点

漆は、塗る素材によってそれぞれ呼び方があり、「紙胎」という技法は2000年以上前から存在する。紙胎は木型に紙を張り重ね、漆で固める技法で、漆との塗相性も良い。今回、私は紙胎の技法とは少々異なるが、様々な紙を用いて漆を紙に塗り、漆が乾いた後の変化を分析する。漆を塗った様々な紙をひとつの見本帳としてまとめ、様々なシーンで使用してもらえるようなツールを作りあげることを目標とし、制作した。

藤田葉奈子

この研究は色の異なる3種類の漆を洋紙・和紙合わせて100種類の紙に塗って分析したものですが、「紙に漆を塗った後の変化は、それぞれ異なり大変興味深い」という発見は、作者だけのものです。300例それぞれに固有の表情が生まれ、結果「漆は偉い」と実感します。ご飯をいただくのに陶の碗と漆の椀では目や舌が違う反応をするのも漆の個性です。この地道な研究が生活用品や空間向けの用途開発につながることを願います。

デザイン情報学科教授 森山明子

船見茉由Funami Mayu

作品写真:Timescape ―周回する時間と直進する時間―
作品写真:Timescape ―周回する時間と直進する時間―
作品写真:Timescape ―周回する時間と直進する時間―
作品写真:Timescape ―周回する時間と直進する時間―
作品写真:Timescape ―周回する時間と直進する時間―
作品写真:Timescape ―周回する時間と直進する時間―

Timescape ―周回する時間と直進する時間―Timescape — Cyclical time and One-way time—

インスタレーション|PET、アクリルInstallation art|PET, acrylicH150 × W1050 × D1400mm

時間には2つの捉え方がある。1つは周回する時間―毎日の生活のリズム、そして四季の巡りによる1年の経過など、過去に経験があり、ある程度予想できる周回的な時間。もう1つは直進する時間―進学や就職、結婚など初めて体験する全く予想のつかない前進的な時間。この2つの時間の存在を表現する。プロジェクターの光で机上に並べられたオブジェクトを辿っていくと一連の流れが見える。様々な直進/ 周回するオブジェクト群を見て、鑑賞者は2つの時間を感じる。

船見茉由

作者によれば、我々は円環的な時間と直線的な時間、二つの異なる時間を同時に生きているという。光の補助線とでもいうべき光跡を頼りに、我々は目の前に広げられたフィギュアの様々な振る舞いからシーンの意味を解釈し、自らの記憶を参照しながらそれらのつながりを見出していく。これは、我々が生きてきた、そして生きようとする二つの時間を読み解くための仕掛け=インスタレーションである。

デザイン情報学科教授 今泉洋

森田智加Morita Chika

作品写真:もにゅもじ ―アルファベット編―
作品写真:もにゅもじ ―アルファベット編―
作品写真:もにゅもじ ―アルファベット編―
作品写真:もにゅもじ ―アルファベット編―
作品写真:もにゅもじ ―アルファベット編―
作品写真:もにゅもじ ―アルファベット編―
作品写真:もにゅもじ ―アルファベット編―
作品写真:もにゅもじ ―アルファベット編―

もにゅもじ ―アルファベット編―MonyuMoji —Alphabet Ver.—

インタラクション|シリコンゴム、曲げセンサー、Arduino、Pd-extendedInteraction|Silicone rubber, bend sensorH1470 × W2040 × D650mm

アルファベットは表音文字であり、ひとつひとつの文字がそれに当てはまる音を表している。そこで、文字を立体に作りその立体文字にある動作を加えると、その文字に当てはまる音を発生させる装置として制作した。文字を体感することで、アルファベットの発音の違いや文字の形の再認識ができるような作品にした。

森田智加

アルファベットの音の感覚を触覚で体験する実験的作品である。文字はシリコン素材で可逆性があり、正しい文字の形に変形させる操作に合わせてコンピュータ制御されたアルファベット音が発声する仕組みになっている。文字の形を手で触れながら、無意識に発声していたアルファベットの発音について再認識することをダイレクトに体験することができるまさに温故知新のインタラクティブアート作品として高く評価された。

デザイン情報学科教授 白石学