飯村鈴香Iimura Suzuka

作品写真:たゆたう
作品写真:たゆたう

たゆたうwaver

印画紙、インクジェットプリントPaper, inkjet printH297 × W420mm ×16点 H594 × W841mm ×3点

写真の場所は、全て「千葉県柏市」に存在しています。しかしカメラに写した瞬間から「千葉県柏市」という場所に特別な意味は無くなり、ただ目の前に存在する場所へと変化します。
そういった場所は、常に自分に向き合っていて私はそういう場所の中に迷い生きているのです。

飯村鈴香

都市郊外の平凡な風景の中で、拠り所のない身体を限りなく透明にしながら、風景を包み込む陽光や大気そのものを感受、獲得しようとする作者の柔らかな意志に満ち溢れた作品です。写真という一瞬の刹那に、永遠という名の時間軸を付与することに成功しています。

映像学科教授 小林のりお

辻村舞Tsujimura Mai

作品写真:忌み子とこぎつね
作品写真:忌み子とこぎつね

忌み子とこぎつねThe outcast and little fox

映像|3DCG アニメーションVideo|3DCG animation11min 4sec

私が中学生の頃に考えた物語をもとに、浄瑠璃や浮世絵といった日本独特の世界観を参考とし制作した和風3DCG アニメーション。ある村のはずれでひっそり暮らす少年とこぎつねの出会いと別れまでを描く。別れとは旅立ちでもあり、1つのスタートラインだ。

辻村舞

舞台上の小舞台。三味線の弾き語りの二重構造で物語は幕を開ける。山村に一人暮らす男と、偶然出会った狐の共同生活。この世ならぬ妖かしの世界と繋る狐。狐は男と生きることを選び、男もまた、村の共同体に住むことに困難を抱え、村を捨てる決意をする。作者10代の頃から温めていた題材を平面技法のCG で具現化した。滝の描写は絶妙。古典芸能の筋運びや北斎らの様式について丹念に研究し、表現に昇華した作家性の高い作品。

映像学科教授 三浦均

徳田沙都Tokuda Sato

作品写真:The SUNNY SIDE
作品写真:The SUNNY SIDE

The SUNNY SIDE

映像|アニメーションVideo|Animation7min 41sec

しがないバンドマンの主人公は従軍中に恋人に捨てられた事を皮切りにあらゆる不運に見舞われる。心は荒み、記憶が彼を襲う。やがて何もかも失った彼はそれでも希望を持ち続けることができるのか?

徳田沙都

ミュージカル仕立てのアニメーションです。50~70年代の音楽に一人の男のアメリカでの生き様が描かれています。音楽に合わせた動き、キャラクターの表現、テンポは速いのにストーリーはわかり易い。簡略化されたキャラクターでストーリーを音楽に乗せた時、最良のバランスで作品が出来上がっています。

映像学科客員教授 石茂雄

平野崇伸(takanabu)Hirano Takanobu

作品写真:OUT OF THE BLUE
作品写真:OUT OF THE BLUE

OUT OF THE BLUE

映像|3DCG アニメーションVideo|3DCG animation4min 44sec

一人のおじいさんが夢を追いかけている物語。終わりを求めるのではなく、プロセスの中に生まれる小さなきっかけを味わい生きていく。

平野崇伸(takanabu)

自由に空を飛ぶことを夢見る発明家らしき初老の男が、失敗を繰り返しながら挑戦しつづける姿を描く。ストーリーは単純だが、抑制の効いた演出が効果的。この作品の秀逸さは細部まで繊細につくりこまれた、アニメーションの巧みさにある。老人の顔に刻まれた皺、感情のゆらぎ、挿入される猛禽の親子の描写。困難に挑み続けるプロットは、作者自身の制作態度とも重なる。ゆるぎのない実力にささえられた完成度の高い作品となった。

映像学科教授 三浦均

守谷芽久生Moriya Megumi

作品写真:calm.2
作品写真:calm.2
作品写真:calm.2

calm.2

インスタレーション|シルク、木材、ステッピングモーター、ArduinoInstallation art|Silk, wood, motorH540 × W1220 × D5400mm

風を孕んだ布が押し寄せてきたところで結局のところただの布でしかないのかもしれない。しかしそれは無意識に布以外のなにかに見え、ただただ美しいと思った。
もし、映像を使うことなく映像的な表現ができるのであれば私自身の日常のものの見方を変えてしまうほどのできごとではないだろうか。

守谷芽久生

白砂に代わり白布が台を覆う。
そこには、山も、大河も、島も、大海も無い。
しかし、波があり、
波打ち際があり、水がある。
さらに、“布”がある。
静かに対峙し鑑賞する“枯山水”のような作品が出現した。
彼女は、遠州灘を見つめ“水平線とは何か”を問い続け、
約5キロ先に在る海辺から見る水平線のそこに“存在するもの”について考察した。
概念を示すその要素について映像的に試行した結果、
枯山水のような形式に行き着いた。
この作品が示す枯山水の世界観との違いは、サイズである。
映像的にいえば、クローズアップの世界を出現させていることである。

映像学科教授 篠原規行

山崎万里奈(山崎スヨ)Yamazaki Marina(Yamazaki Suyo)

作品写真:ドリーミング・ジュエルズ
作品写真:ドリーミング・ジュエルズ
作品写真:ドリーミング・ジュエルズ
作品写真:ドリーミング・ジュエルズ
作品写真:ドリーミング・ジュエルズ

ドリーミング・ジュエルズDreaming Jewels

実写映像のコラージュ、手描きアニメーション、立体ストップモーションアニメ|プロジェクター、LEEフィルター、シルク、ほかCollage of images animation, stop motion animation|Projector, LEE filters, silk, otherH940 × W1500 × D2400mm 10min

生きている架空の宝石を表現するために、実写映像のコラージュを用いて制作した作品です。
5つの映像を並べて、投影した展示形式の作品で、箱の中を覗いて見られるように設計してあります。
宝石やガラスなどからきらめいている部分のみを撮影し、コンピューター上でコラージュした「宝石」と、その宝石たちの見ている「夢」を想像してコラージュやアニメーションで映像を作り、奥行きのあるスクリーンに投影しました。

山崎万里奈(山崎スヨ)

映像は優れて時間操作が可能な表現であるが、山崎が表したい石の時間は、1万年、10万年、と数字的にはわかっていても、想像さえもできない時間である。山崎はこの時間の概念の外にあるような石の無時間的な時間を表現するために、神話的構造やメタファーとして太古からの昆虫の行列、錬金術的な鉱物の生成、そして宝石の光のエコー等の要素を総動員して映像(実写+アニメーション)を制作し、それらを5つのスクリーン(LEE フィルター+シルク)によって構成している。特に、宝石の光の衝突と発生・消滅の繰り返しを表現した映像にはスクリーン効果と反響して、太古から持続している一種の粒子のような時間が立ち現れている。

映像学科教授 板屋緑