


銅版は線の記録装置です。
記録した線を紙に押し付けます。
同時に紙の上では時間も押し潰されています。
それは写真機の露光時間と似ています。
写真は光を浴びて風景を描写しています。
一見すると止まっているようですが、僅かな時間の幅が見える事があります。
銅版に押し潰されているのはそんな時間の幅です。
[赤本啓護]
タイトルにある「Mille Plateaux」から古代からの大地に帯びた神秘さを感じる。
赤本啓護の作品の印象である。新設された本学図書館の聖なる書物の書架の中に展示された、エングレーヴィングによる硬質で明晰な線の集合体は、歴史を物語る図像の境にあり、自然への畏敬の念を抱く、作者の呼吸と深い精神性が映りだされ、建築のもつ境界に深遠な高原の風を感じる作品で、展示の場と作品が赤本の斬新さを際立たせている。
[油絵学科教授 池田良二]

ゆっくりと向き合ってもらえたら、それが一番ありがたいです。それが一番映したかったものです。
[瀧 千尋]
作品は控え目な色彩と削ぎ落とされたフォルムで構成されており、余白が静謐な美で観る者を魅きつける。作者は日本古来の神道と仏教に関心を持ち、そこで見出した言葉からイメージを得て作品を生み出したり、あるいは作品のイメージから言葉を見つけたりと、インターラクティブな制作を心掛けているようである。確かに作品からは国境を越えて通用しそうな哲学的あるいは宗教的な精神性が感じとれる。今後も外界から感得するものを豊にしながら、深い精神性に裏打ちされた制作を続けてほしい。
[油絵学科教授 柳澤紀子]