大本友里加Omoto Yurika

作品写真:粒子の世界
作品写真:粒子の世界
作品写真:粒子の世界

粒子の世界world of particle

インスタレーション|アクリル、スチレンボード、木材、ジェルキャンドルInstallation art|Acrylic fiber, styrene board, wood, gel candleH2000 × W3600 × D2600mm

小さすぎて人間には知覚することのできない粒子の世界。そんな世界をもし、拡大し人間が見ることができるサイズまで引き延ばすことができたならばそこにはどんな景色が広がっているのだろうか。ミクロの世界で行われている粒子が集合し、かたちを作りだす瞬間を捉えた作品。

大本友里加

分子の世界を体験したい。電子顕微鏡やCGを通してではなく、身体を分子くらい小さくして、結晶構造の中にひたってみたい。身の丈をこえる空間づくりは微細な表現と大がかりな装置ゆえ、決して楽ではなかったはずだ。分子を一粒の水滴に見立て、その粒子をアクリル板に配し、板を幾層も重ねた。近づいて目を移動させると、遠近感をともなって空間に浮かぶ格子状の透明な粒子が視野一杯に広がる。まさにみずみずしい身体体験。

基礎デザイン学科教授 板東孝明

鎌田拓磨Kamata Takuma

作品写真:cm-VEGE
作品写真:cm-VEGE

cm-VEGE

石粉粘土、樹脂粘土、アクリル絵具、塩ビ管、ボイド管、スタイロフォーム、角材Stone powder clay, polymer clay, acrylic paint, PVC pipe, cardboard tube, styrofoam, woodH40 × W40 × D1000mm H50 × W50 × D1000mm H70 × W70 × D1000mm H100 × W100 × D1000mm ×4点 H150 × W150 × D1000mm H200 × W200 × D1000mm H250 × W250 × D1000mm

野菜のテクスチャーを施した円筒状の彫刻を10種類製作した。展示台の端には一メートルのメモリを配し、作品も1m丁度に両断されている。近年、工業生産的に栽培される野菜や果物に対する気持ち悪さを、加工や輸送に最適な円筒状の彫刻に再構成することで、視覚化した。また、へたのない、終わりがない形態にすることで、現代の永遠に続くと思いがちな飽食の時代への暗喩にもなっている。

鎌田拓磨

野菜が全て円筒形だったらどうだろうか。食用なら、食べやすく調理しやすい形にあらかじめなっていたら、という、とてもユニークな発想である。タイトルの「cm-VEGE」には微妙なアイロニーが含まれている。なんでも合理性を優先させて進化させてきた人類であり、またハイテクノロジーと、緻密な管理がお家芸である日本であるなら、本当にこういう野菜やくだものが登場することになるのかもしれない。パイナップルなど、細部の立体までしっかり見ていただきたい。

基礎デザイン学科教授 原研哉

キム ジュヘKim Juhye

作品写真:Life cycle of the plants
作品写真:Life cycle of the plants
作品写真:Life cycle of the plants
作品写真:Life cycle of the plants
作品写真:Life cycle of the plants
作品写真:Life cycle of the plants

Life cycle of the plants

BookH260 × W195mm

絵画IllustrationH210 × W160mm

映像Video1min 1sec

パネルPanelH330 × W482mm

私は架空の植物を考案し、その植物の生命のサイクルを表現するヴィジュアルを作成して、それを書籍と動画に展開してみました。
それぞれの植物は「猫バス」や「風船」、「パン」や「傘」、「照明」、「爆弾」を生み出す、幻想的な植物であります。
書籍では、仮想植物を観察対象とし、図鑑的に種・花・葉・実などの形や特徴、循環過程を克明に描きました。それぞれのページは発芽から結実までの循環図を始め、種の位置、断面、花から果実になるまでの過程などに大きく分かれています。

キム ジュヘ

架空の果実をならせる植物を、堂々と構想し、まるでそれが本当にあるかのような図鑑風のイラストレーションとして表現している。植物になる実のイメージは、奇想天外で、「傘」や「電球」、そして「風船」などが結実するのである。極め付けは「猫バス」をならせる植物である。普通ならなかなかイメージしにくいが、イラストや解説図の構成、エディトリアルデザインの完成度の高さによって、作者の術中にはまってみたいという気にさせられる。

基礎デザイン学科教授 原研哉

髙橋真穂Takahashi Maho

作品写真:Lines
作品写真:Lines
作品写真:Lines
作品写真:Lines
作品写真:Lines
作品写真:Lines
作品写真:Lines
作品写真:Lines

Lines

シャープペンシルの芯、紙Mechanical pencil lead, paperH60 × W186 × D186mm ×12点

Linesはすべてシャープペンシルの芯で出来ている。物質として空間にあり、線という形状を常に保ちつつ、紙にこすれば平面として形を変える。平面と空間の両方に同一の素材の線が存在する不思議さがここにはある。この線は平面に存在するのか、空間に存在するのか、はたまた平面の中の空間か。あなたの目の前にある線は一体どの次元にあるのだろうか。

髙橋真穂

黒く細い線で立体的に描かれた幾何学図形やミルクパック、折り紙。一見、ピアノ線のような細い鋼線でつくられていると見まごう。実はシャープペンシルの芯なのだと気づき、はっとする。なんという繊細さ。長い線は芯同士を直線につなぎ、接合部は小口を微細に削ってシルエットをすっきりと。作品が置かれた白い平面には描かれた線もあり、どれが芯なのか判別し難い。触れただけで壊れてしまいそうなあえかな「かたち」が出現した。

基礎デザイン学科教授 板東孝明

吉原佑実Yoshihara Yumi

作品写真:線を描く
作品写真:線を描く
作品写真:線を描く
作品写真:線を描く

線を描くDraw lines

パネル|NTラシャ、ゲルインキボールペンPanel|NT RASHA, gel ink ball penH1091 × W790mm ×7点

BookH210 × W297mm H210 × W148mm

紙に、ペンで一本線を引く。それだけでは飽き足らず、線をどんどん集積していく。線は、単体では単純でシンプルなのにも関わらず、積み重ねることによって生まれてくる画面はとても魅力的で力強いと思った
制作した絵の線は、全て手で描いた線だ。この作品から、私が感じている線の魅力を感じていただけたらと思っている。

吉原佑実

この制作のタイトルは「線を描く」であるが、これは制作の一面に過ぎないだろう。提出した作品以外の多くの制作に長い時間かけて描くことで、見る者に、意識性と無意識性、全体形状を構想する計画性とデティルの関係性による自己組織的、無計画性、心で描くことと手の動きによる即興性との連動、などなど制作をめぐる問題を考えさせる。線の造形以上に、制作のプロセスとその問題を感じさせる作品である。

基礎デザイン学科教授 小林昭世