阿部弦Abe Gen

作品写真:人生はキャンディのように甘く、太陽はバターのよう。
作品写真:人生はキャンディのように甘く、太陽はバターのよう。
作品写真:人生はキャンディのように甘く、太陽はバターのよう。

人生はキャンディのように甘く、太陽はバターのよう。Life’s candy and the sun’s a ball of butter

映像、パフォーマンス|布、プロジェクターVideo, performance art | Cloth, projectorH3000 × W8300 × D5200mm 5min

「音楽を聴いてるとき、私たちの脳内にはもう1人の自分がいて、現実には現れないギリギリのところで踊り狂っている。」

今日、日々の生活の中で音楽とはどんな存在となっているのだろうか、そして頭の中で踊り狂うもう1人の自分は日常生活にどのような影響を与えているのか。

普段は変人だと思われないように決して現実に現すことのないもう1人の自分。もし、現実に現れたとき、あなたの人生にどんな変化を及ぼすのだろうか…

阿部弦

紗幕への映像投影と照明のコンビネーションによる透過効果を利用したダンスパフォーマンス作品。音楽プレイヤーによって自己内に生成するプライベートな「空間」に着目した阿部は、辺りを気にせず踊りたくなる感情を1つの非日常の現れとして提示。紗幕を介した映像と身体が織りなすパフォーマンスにすることで、観客にも同様の感情を喚起したいと語る。舞台は持ち前の笑顔と軽やかな動きで観客を引き込み、楽しませるものとなった。日常に見え隠れするプライベート/パブリックの境界をエンターテインメントに昇華した作品と言えるのではないか。

空間演出デザイン学科専任講師 鈴木康広

内海ちさき・早野萌Utsumi Chisaki, Hayano Moe

作品写真:fancy dilemma
作品写真:fancy dilemma

fancy dilemma

パフォーマンスショー|木材、布 他Performance show | Wood, cloth, otherH4000 × W10000 × D5000mm

私たちは、ジレンマに苦しみがちである。
でも、ジレンマに落ち入っている姿って、はたから見ると少し滑稽なのかもしれない。

内海ちさき・早野萌

「私たちは、ジレンマに苦しみがちである。でも、ジレンマに落ち入っている姿は、はたから見ると滑稽かもしれない。」
人の苦しみから抜け出て来たような、ユーモアを感じる衣裳形態、瞑想的表現、色や素材の工夫と刻み良いリズム感が舞台全体のバランスを見事に発揮していた。
作品を見た後、好奇心や想像力をくすぐり、とても暖かい気持ちになったことを感じた。

空間演出デザイン学科教授 太田雅公

木本梨絵Kimoto Rie

作品写真:INVITATION FROM WAKAYAMA
作品写真:INVITATION FROM WAKAYAMA
作品写真:INVITATION FROM WAKAYAMA

INVITATION FROM WAKAYAMA

プレゼンテーション、模型|ダンボール、木製パレット、紙、スチレンボードPresentation, model | Cardboard, wood pallet, paper, styrene boardH2550 × W4400 × D3160mm

拝啓、東京の皆様へ。東京に届くは46の招待状。47都道府県連動型アンテナショッププロジェクトの第一弾、和歌山編。わざわざ会いに行きたくなるような「人の魅力」に着目し、実際に和歌山の素敵な人と会い、話を伺い、協力を求めながらショップを提案した。製作物は店舗模型の他、オリジナル商品、和歌山の人のインタビュー冊子など。企画のプレゼンテーション自体が作品となっている。都道府県がちょっぴり身近になるような、そんな未来を願って。

木本梨絵

軽快なデザインを背後で支えるのは、アクティビストとしての深度、そして斬新なコミュニケーション術の提案である。
木本がサーベイのため訪れた和歌山のとある村。自給自足の〈貧しさ〉とも取れる集落での体験を〈二つと無いユニークな現象〉と読み解き、独自な解釈をもって〈豊かさ〉に変換させた。そして少しばかりのデザイン的処理を施す事で観光資源に引き上げようと試みる見事なブランディングワーク。
資本主義その強固な概念により失われつつある価値観の多様性、そして画一的なデザインの役割に対し、本作品は美しい音色による〈警笛〉を鳴らしているのかもしれない。

空間演出デザイン学科教授 片山正通

栗原みずきKurihara Mizuki

作品写真:Tparanoia
作品写真:paranoia
作品写真:paranoia
作品写真:paranoia

paranoia

インスタレーション|A4クリアファイル、ポリプロピレンテープ、150チュール、木工用ボンド、ポリエチレンシートInstallation art | Clear file folder, polypropylene tape, tulle, glue, polyethylene sheet

paranoiaは日本語で偏執病と表す。
この作品の全てのパーツは、誰もが経験のある物についての現象、誰にでも出来るシンプルな操作の集積で構成されている。それらは決して特別なものではないが、ただ偏に、私なりの執着を以って行うことで、物の持つ特性を増幅させ、まるで物性が変化したかのような全く別の見え方や形態を与えている。
一つの物というきっかけが操作の集積により全く別の姿へと形を変えていく様は、パラノイアの性質そのものによく似てはいないだろうか。

栗原みずき

わたしにとって栗原は創造性を滲みだす女性だ。彼女の、周りの世界から自分の中に取り入れていく様を、わたし達は感じることができる。
21世紀的な知覚生物としての創造の産物を、目撃できるのは喜ばしいことだ。
未来主義観を醸し出した今作品『Paranoia』のインスタレーションでは、世の中に溢れている日用品を素材とし、鋭いカミソリのような彫刻を作り上げた。
わたしが思い起こした物は、サメの歯と顎骨、もしくは眼球の虹彩、それは認識と他次元存在へのウインドウのように感じた。
折しも、その日の窓の外には雪松図の日本庭園が。
それは彼女の作品の一部となっていた。

空間演出デザイン学科教授 パトリック・ライアン

福嶋圭太Fukushima Keita

作品写真:TRICKSTER
作品写真:TRICKSTER
作品写真:TRICKSTER

TRICKSTER

ファッションパフォーマンス|綿、ウール、ナイロン、ポリエステル|メンズサイズ ×14点Fashion performance | Cotton, wool, nylon, polyester

ホテルのスイートで飲む冷えたシャンパンの味だけではなくて、落ちぶれて最後の小銭で飲むビールのおいしさを知っていたら、欠けた鏡に映る自分の姿に苦笑いして、ボータイを直すようにネッカチーフを整え、まばらな髪をかき上げたら、それはかなりかっこいい男だ。

福嶋圭太

作者が語るところの制作におけるテーマは「模写」であるが、私には「オマージュ」というテーマが相応しいと思える。普遍的なメンズ衣服群(テーラードジャケット、トレンチコート、MA-1等)への彼ならではの深い愛情がそこにある。そして、何より彼自身の奏でる“詩” がある。
表現力の豊かさに加え、制作に向かう集中力の高さに持続性があり、衣服づくりへの真摯な姿勢が一貫している。この作品は彼の力量が着実に反映されていて、彼独自の衣服造形“ 普遍的スタイル” として結実したといえる。

空間演出デザイン学科教授 天野勝

八島良子Yashima Ryoko

作品写真:undergo
作品写真:undergo
作品写真:undergo

undergo

映像、インスタレーション|プロジェクター、モニターVideo, installation art | Projector, monitor7min

undergo… 1a〈検査・手術などを〉受ける
       b〈変化などを〉経験する
      2a〈苦難などに〉耐える、〈…を〉忍ぶ

私たちは経験に身を包んでいる。
その経験は、全てがポジティブな訳ではない。

八島良子

糸、皮膚、眼球、ヌード、セックス、愛、欲望。
原始的な体への装飾。
現グローバリゼーションの動きの中で、西洋のファッションはその価値観で世界を支配している。それが導くだろう文化アイデンティティーの喪失をどうにかしなければならないという焦燥感がわたしにはあった。
彼女のパプアニューギニアへの、汚染されていない文化を発見する旅。
それが彼女の映像作品のソースになったかもしれない。
しかしわたしが感じたものは、日本の美と官能の神秘だった。

空間演出デザイン学科教授 パトリック・ライアン