2004年度 デザイン経営論 講義ノート



はじめに佐野寛林利昭佐藤康三原研哉深澤直人中島信也近藤康夫佐藤卓中西元男
略歴:
1951年 東京に生まれる
1973年 渡伊
1976年 ミラノデザイン工科大学インダストリアルデザイン科卒業(SPD)ミラノ、ロドルフォボネットスタジオにて、プロダクトデザイナーとして活動
1983年 株式会社コーゾーデザインスタジオ設立 都市環境から生活雑貨までのデザイン開発
1999年 ICSIDより国際的デザイン専門職能者に認定される
グッドデザイン賞審査委員(1987〜2002) 日本デザイン事業協同組合理事(〜2003)

主な受賞
1988年、1991年、1993年、通産省グッドデザイン中小企業庁長官特別賞、1996年SDAサインデザイン優秀賞、99年同準優秀賞 1992年、生活雑貨(KOZO PROJECT)がクーパーヒューイット美術館、モントリオール装飾美術館永久保存
特別講義第3講
概念化するデザイン
デザインとは
 人間は一定の情報の中で生活し活動しており、その中のひとつの自己表現の方法としてデザインが成り立っている。デザインのジャンルは違ってもその基本となる情報は共有されている。
  デザイン学科で学ぶ学生の多さを見ると、デザインの持つ専門性が一般的なものとして社会の中に還元されてきていることがわかる。今、デザインは専門特化した領域ではなくなり、世間に理解してもらえない状況も少なくなっている。むしろ自分を磨くということが本来の学業の意味であり、デザインで培った情報、知識を他の方面で活用していくということもごく普通に考えられるということをもっと認識してほしい。

ファンタジーという原点
 社会の中で成功するためには、デザイン開発のプロセスを踏み、マネージメントする能力が必要になってくる。そして、デザイナーはファンタジーを持つべきである。夢を持って、どのような哲学で動こうとしているのかを考えることがデザインの原点だ。ファンタジーこそがデザインの持つ魅力につながる。その原点のもと、社会の中でデザイン全体をプロデュースすることがデザイナーに求められている。しかし、日本にデザインプロデューサーとして確立している人は多くないのが事実だ。今後外部からの人材に頼るか、内部で育てるか、そうだとしても育てられる人がいるのかという問題が待っている。個人の夢を社会に受け入れられる情報に組み立てる力を持ってほしい。

ビジュアルプレゼンテーション
 日本企業はカタログへの関心が薄い。本来は売る為にカタログが存在するはずで、まだ消費者が手にしていない商品をいかに魅力的に見せるかが重要なのだ。しかし、売れてから作ればいいと考える企業が少なくない。ビジュアル表現は、日本語や英語といった言語表現とは異なり、世界で一番わかりやすい表現であることは間違いないだろう。製品は共通言語地域にとどまらず、もっと広範囲に広がっていくのが理想である。それにもかかわらず、“わかりにくい”というのは致命的な欠点であり、今すぐにでも改善すべきだ。意識一つで良い方向に向けることができる。アメリカはこのビジュアルプレゼンテーションの質が高く、人の気持ちをくすぐることをとても重要に考えている。良い面は素直に見習い、プレゼンテーションの質を高めていくことは、日本のデザインが世界へつながるための大きな前進になるのである。

デザイン開発

 人間の行為はプロセスを踏むのがあたりまえであり、デザインも同じように段階がある。商品企画から販売計画までの流れを考えると、大きく5つのステップがある。
1.デザイン開発レベルでの商品企画
2.デザインの方向性立案
3.デザインの方向性決定
4.デザインの決定
5.デザインの最終決定製品化
  このプロセスを踏むことで、デザインを社会に出ていくものとして磨き上げることになる。そこで重要なのが「評価」である。5つのステップは簡単にクリアできるわけではない。ステップの節目ごとに評価をし、一歩戻っては前進を繰り返す。評価は客観的な視点によって行われることが望ましく、次のステップへ踏み出せるか否かを決定するプロセスである。
 ここで忘れてはならないのが、デザインとは「知」を提供する職業だということだ。時給などの物差しで価値を測れるものではない。しかし、現実として社会ではこういったの「知」の価値がなかなか認められにくい。アイデアの価値を相手に伝えることが重要であり、さきほど言ったようなビジュアル表現の質を高める理由がある。そして開発には、プロジェクトマネージャー、プランニングマネージャー、セールスマネージャーなどの全体を統括する人の存在が大きい。デザインは小分けできるようなものではなく、全体(マーケット)を知ってこそ成立する。ただ絵を描くだけがデザイナーではないのだ。

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2Q&A

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