はじめに佐野寛林利昭佐藤康三原研哉深澤直人中島信也近藤康夫佐藤卓中西元男
略歴:
1950年 東京に生まれる
1973年 東京造形大学造形学部デザイン科室内建築専攻卒業
1977年 三輪正弘環境造形研究室入社
1981年 クラマタデザイン事務所入社 近藤康夫デザイン事務所を設立、現在に至る
1988年 日本産業デザイン振興会グッドデザイン商品選定委員
1989年 著書「インテリア・スペースデザイニング」出版
2003年 株式会社エービーデザイン設立

主な受賞:
1989年 AGB国際インテリアデザイン大賞
1994年 商環境デザイン賞 '94優秀賞
2001年 2000年度 毎日デザイン賞

主な作品:
1981年 ローブ ド シャンブル(ブティック・六本木AXIS)
1986年 ザ・ギャラリー・オブ・ラネロッシ(ブティック・西麻布L-1st)
1987年 ポリゴン・ピクチュアズ(オフィス・東品川)
2000年 東証アローズ(証券取引所・兜町)
2002年 アド・ミュージアム東京(美術館・東新町)
2004年 所沢MTFGプラザ(銀行・所沢)
特別講義第7講
方法論からのアプローチ
デザインの2つの面
 昔のようにデザインが簡単には語れなくなってきている。その状況を分かりやすくするために、AB DESIGNという言葉でAとBの2つの考え方を表した。同名の本の中では、Aはデザインの方法論などの種明かし的な話、Bはクライアントが自分のデザインに何を期待しているのかなど、仕事のバックグラウンドを示している。この、デザインが持っている表と裏の両面から話していこう。私は、初めからデザインをやろうとは思っていなかった。だからこそ、自分の才能を信じられなかったし、感性に自信がなかった。何を頼りにデザインしていけばいいのかと考えた末に、感性ではなく方法論を作り出しそれに沿ってデザインするという結論に辿り着いた。

感性に頼らない方法論の開発
 立体の分解をすることによって、恣意的にならないようにする。デザインには二つの方法がある。ひとつはずっとひとつのものを追求してものをつくっていく方法。もうひとつは常に変わっていく方法である。だんだん見慣れてくると新鮮味がなくなってきてしまう。そういう時はどんどんものをつくっていく必要がある。
 当時、クライアントの方によく赤を使いますねと言われた。決して、赤が好きだったわけではない。何も色身がないところに赤を使うととてもインパクトがでるため、一色だけ強調されるポイントに赤を使う。黄色や青では色のイメージの振幅が広いからだ。アメリカの建築家、ピーター・アイゼンマンが言った、色彩は形態の強化であるとはまさにこの事を言うのだと感じた。

方法論からのデザイン
第1期での取り組み

 インテリアデザインとは、概念的には何もない所に柱を立て、棒を渡し内部と外部を分ける、といったことだが、実際にやっている仕事は内部の空間をどう変えていくかである。そのために、表層を変えることで空間を変えるのではなく、空間の中にもうひとつの空間を入れることで内部空間を再構築し、空間全体を変えることを考えた。建築と同じように、3次元のインテリアを平面に戻す。想定できる立体を入れそこにモジュールを入れて分解し、機能的予見を入れながら形として残す。周りの部分は余白となり、余白も計算通りに作られる。空間を分けるために、色を限定し余白と自分の決めた所を分けてみせた。また、線と面とで組み合わせた形を意識した。ただ、できたものから、プロセスを読み取るのではなく、見たままを好きに感じてもらいたいと考えている。

形態をプラスした第2期
 1期目の考え方に形態をプラスした。一見すると複雑な形も、最初から形を考えたのではなく分解の過程を経てできたものである。恣意的にならないように、自分の感覚に頼らないように、手の動きを押さえて形を引っ張り出してきた。ものづくりを長く続けるには、ひとつのことを長く続けることと、変わり続けること、のふたつがある。私は変わり続けることを選んだ。  何かを類推させる直喩的な表現にはインパクトがある。しかし、初めに新鮮な分、寿命は短いので、次から次へと新しい形を作らなければならない。クライアントからシンプルな店、という注文を受けた時、シンプルとは、はたして何もないことなのだろうかと考えた。聞かなければわからないことを知ったかぶりしてはいけない。話をするうちに機能面のシンプルさを指しているのだとわかり、クライアントの考えたものに別のものを付加して返し、刺激を与えることが出来た。予見とは、それに合わせるのではなく、それをどう解釈してデザインに置き換えていくかが大事なのである。

マテリアルに注力した第3期
 これまでの仕事の9割を占めていたブティックの仕事を断り、別の内部空間を手掛けた。これまでの要素に、素材(マテリアル)を加えた。素材をストックしておき、素材で作るものを決めるのではなく(素材があるから作るのではなく)デザインにあった素材を選んで使った。このころ、人やモノが入ると空間が変わってより良くなるということを知った。今までは自分が作るところしか考えていなかったのだった。 また、オフィスのデザインでは、ネットワークという目に見えないレイヤーを利用した、働き方を考えたデザインを手掛けた。

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2Q&A

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