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 学科概要

 日本画は、東洋画の長い伝統を受け継ぎながら、外来の文化の影響をも大きく吸収して、今日にいたっています。その独自の造形思考と優れた材料・技法は、世界の美術の中でも個性的な位置を占めています。

 本学科は、日本画の基礎的な専門技法を習得し、わが国独自の文化を背景として保持し伝えてきた伝統を、現代の表現として展開し、個性豊かに創造し得る力を育てることを目的としています。

 本学科の4年間では、植物の写生から入り、線に置き換える力を強く認識しながら、風景、人物などの多くの課題を通して、あらゆる角度から日本画を体得します。特に表現の基礎となる人体のデッサンには多くの時間をかけ、描く意志と力を蓄えます。各課題に意欲的に取り組むことで、自然から多くを学び、しだいに大きな画面を構成する造形力を養います。墨、天然顔料、金銀箔などの伝統的な素材や技法、それにともなう手仕事の数々は、時代の流れに逆行するかに見えますが、そこには造形表現の本源的な問題があることを理解することが重要です。

 東洋画では写意を尊ぶところがあります。しかし、あくまでも自然を充分に観察し、見つめる姿勢が大切であり、写生から出発してこそ豊かな深さをもつ日本画の奥行きを理解することができるのです。また、古典研究も大切であり、仏画、大和絵、水墨画、絵巻物などの模写を通して日本画の深奥を学ぶことは、伝統的な表現を現代の表現につなげていく力ともなります。

 本研究室は学生との対話を重んじ、学生はひろく全教員からの講評を受けることができます。一生で最も感性の横溢した時期に、学友と表現の喜びと苦しみをともに味わい、切瑳し、高まり、かけがえのない学生生活を過ごすことが大切です。

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 専攻分野

日本画

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 沿 革

1929(昭和4)年 帝国美術学校創立と同時に本科日本画科(科長:平福百穂)として発足
1946(昭和21)年 造型美術学園純粋美術科絵画に改組
1948(昭和23)年 武蔵野美術学校本科日本画科に改組
1962(昭和37)年 武蔵野美術大学造形学部美術学科日本画専攻(主任:川崎小虎)に改組
1968(昭和43)年 鷹の台校絵画棟(現5B号館)竣工
1969(昭和44)年 鷹の台校絵画・彫刻棟(現5A号館)竣工、鷹の 台キャンパスに全学統合
1973(昭和48)年 大学院造形研究科美術専攻日本画コース(修士課程)開設
1974(昭和49)年 造形学部日本画学科(主任:塩出英雄)に改組
1980(昭和43)年 美術棟(現5C号館)竣工
1983(昭和58)年 造形学部の外国人入学制度発足
1988(昭和63)年 5A号館竣工

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 取得可能な資格

中学校教諭1種(美術)教員免許、高等学校教諭1種(美術・工芸)教員免許、学芸員

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 カリキュラム概要

●1年次
 まず素材や用具を知ることから始まります。岩絵具、水干絵具の溶き方、和紙やドウサなどの初歩的な基礎技法を学びながら植物写生を行ない、鉄線描から制作に入ります。また、和紙や墨、筆を生かした隈取り、溜らし込み、付けたて法などを学びます。植物園、学内風景など、写生をとおして作品制作を行ないます。人体デッサンによって素描力を養い、描く感動とともに人体を把握する力を養います。最初の古典模写では、「鳥獣戯画」ののびやかな線描を模写し、線による表現を学びます。
 なお本学科では、日本画基礎の3〜4科目を全学に対して開講します。内容は植物写生、古典模写、墨の表現、素材と表現などで、初めての経験をとおして日本画の絵画性を学びます。

●2年次
 動物の写生を行ないます。鳥、獣、魚類など、動物の写生によってその骨格や特徴をつかみ、自己の表現へとむすびつく制作を行ないます。人体デッサンでは固定、組ポーズ、ムービングなどを行ない、人体制作をとおして、造形としての表現力を体得します。また古典模写によって日本画の線、空間に対する認識を一層深めるとともに、特別講習を行ない、金銀箔、砂子、切金などの伝統技法を学びます。

●3年次
 1・2年で行なった技法、物の把え方を基本として、各自の表現へと発展させる段階になります。人体デッサンを重ねることによって素描力をしっかりと養い、造形感覚をみがき、創作意欲を高め、人体制作を行ない、さらに自由制作でより個性的な世界へと進みます。また古典では彩色絵巻の模写にとり組み、日本画の線や空間についての認識をさらに深めます。この間には写生旅行を行ない、大自然の中に身を委ねて写生し、自然、大地のダイナミックな造形を知り、風景制作を行ないます。3年次は何よりも日本画を自己の表現としてしっかり認識することが大切です。

●4年次
 自由なテーマによる百号制作によって大きな画面と取り組み、卒業制作への大切なステップとします。そのためにデッサン期間を充分設けています。あわせて下図の研究も行ないます。

●卒業制作
 4年間の成果を確認する重要な課題であると同時に、生涯の方向を決定する最初の道標として、人生の基点となる作品が生み出されるでしょう。発想、下絵の段階から充分に準備し、構想を練って、悔いの残らぬよう全力を傾注すべきです。制作は「五美大展(東京都美術館)」出品作と、全学的規模で開かれる卒業制作展出品の作品を制作します。

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 学科別専門教育科目

●1学年
[必修]【8】
日本画基礎I・II・III(各2)
絵画基礎(2)
[選択必修]【2】
造形基礎(2)
デザインI(2)
[選択必修]【2】    
造形実習I(2)
彫塑I(2)

●2学年
[必修]【6】
日本画II・III(各2)
デッサンI(2)
[選択必修]【2】
日本画I(2)
デザインII(2)
[選択必修]【2】
造形実習II(2)
彫塑II(2)
[選択必修]【2】
日本意匠研究(2)
デザインIII(2)
●3学年
[必修]【8】
日本画IV・V・VI(各2)
デッサンII(2)
[選択必修]【2】
日本画VII(2)
工芸制作I(2)
[選択必修]【2】
表現素材実習(2)
工芸制作III(2)

●4学年
[必修]【4】
日本画VIII(4)
[選択必修]【2】
デッサンIII(2)
工芸制作II(2)

[卒業制作]【6】
【※】の選択科目の中から選択履修【18】
()は単位数
【】は卒業所要最低単位数

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