研究テーマ:
別の時間、別の空間の事等をひとつの画面に定着させ、自らの世界観を表したいと願っています。
'72年「女流画家協会展」(以後毎年出品7回受賞)、'73年「二紀会展」(以後毎年出品8回受賞、'08年内閣総理大臣賞)、昭和会展招待出品(以後'78年まで出品)、'79年安井賞展出品(以後'86年まで出品)、'86-'87年文化庁派遣芸術家在外研修員(インド)、'90年「日本秀作美術展」(以後8回出品)。
個展:'85・'92年「遠藤彰子展」西武アート・フォーラム、'95・'01年 日本橋三越、'98年「遠藤彰子展」日動画廊(東京・名古屋)、'04年「力強き生命の詩」府中市美術館、'06年「Akism・生命を謳う」茨城県つくば美術館、'07年「私は来ている 此処に、何度も」網走市立美術館、'08年「満つる生命 遠藤彰子の世界展」池田20世紀美術館、他。
挿絵:'97-'98年「刑事たちの夏」日本経済新聞夕刊、'04-'05年「讃歌」朝日新聞。
受賞:'78年昭和会展・林武賞、'86年安井賞展・安井賞、'07年芸術選奨文部科学大臣賞受賞(平成18年度)。
パブリックコレクション:文化庁、東京国立近代美術館、横浜美術館、富山県立近代美術館、北海道立旭川美術館、府中市美術館、新潟市美術館、他多数。
二紀会理事、女流画家協会委員。
遠藤彰子オフィシャルサイト
http://www.akiko-endo.com
ひとりごと「黄昏の笛は鳴る」
「世界」という単語の「世」は時間を表し、「界」は空間を表す意味なのだそうだ。それは、私がキャンバスの中に描こうとしているものと一致している。
絵画は、視覚的な表現として、デザイン、イラスト等と共通する部分があり、近年、各分野の表現の幅の広がったことにより、その境界線は曖昧になってきたと言われている。しかし、このような時代の流れの中でも、絵画が他の平面表現とは異なるところは、空間芸術であるということだと私は認識している。
「黄昏の笛は鳴る」は18年前に描いた思いで深い作品である。静かな夜に水を飲む犬の舌を動かす音を聞いたことが耳の奥に記憶として残っており、それが、思春期の少女の道行きのイメージと重なり、描き始めた。
男の化身のような黒い犬が少女を助けるのか。また、襲おうとしているのか。夜に対峙するものを、それまでの作品にはない要素である炎とし、強い対比で表現することにより、思春期における少女の不安な情景を描いた。水と炎、地平線に広がる炎の輪舞。強烈な暗示が欲しかったのだ。地平線付近の情景は、私にとって黄昏の美しさにもつながり、炎の表現にはとても苦労したのを憶えている。
私が絵を描くのは、現実に見えているものでは満足できず、いつも何かが欠けていると感じているからである。現代を生きるものとして、その時々の憩いや、様々な感情を造形化することによって、そこに隠されている「何か」を、表に現すことが重要だと考えているのだ。それを、より絵画的なリアリティを持って表すが為に、様々な語り口で試行錯誤し、私の世界を構築しているのだと思う。表現とは字のごとく、目には見えないものを見えるように表に現すことだと考えているのだ。
私はこれからも「今、生きている実感」を様々なイメージで造形化しながら表現していきたいと願っている。
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