ごあいさつ
 〈遊びのかたち展 ヨーロッパの木製玩具 ネフ コレクション〉を開催致します。
 当館ではこれまでに「玩具」をテーマにして、1971年に〈遊びのかたち―組木・おもちゃ・凧絵―展〉、1983年に〈木のおもちゃ展〉と過去2回、企画展を開催してきました。これらの展示を契機にして当館では、スイス・ドイツ・デンマーク・フィンランド、そして日本の現代の木製玩具を収集してきましたが、今回は、そのコレクションの中心をなすネフ社製の木製玩具約200点をご紹介します。
 ネフ社は、家具職人であったクルト・ネフ氏によって1958年に創業された玩具会社です。それまで家具とインテリアの個人会社でしたが、リボン型の新しい積み木《ネフスピール》を世に出し、これが世界屈指の木製玩具メーカーの誕生のきっかけとなりました。ネフ夫妻だけで出発した小さなネフ社は、やがて新しい発想の玩具を次々発表し、その独特なデザイン性と技術の完成度の正確さで、世界中で高い評価を受けるようになり、玩具の歴史に多くの影響を与えてきました。
 ネフ社の玩具には、世界の新進デザイナーによるユニークな作品が商品化されていることが特筆されます。その始まりは1967年の、ペア・クラーセンによる立方体のゲーム《3DM(スリーディメンションミューレ)》との出会いでした。1969年には、クラーセンの《キュービックス》を誕生させ、以来、つぎつぎ、精選された玩具が登場しました。
 今回の展示では、クルト・ネフの作品をはじめ、期間中に本学への訪問教授として来日されるペア・クラーセン氏の作品、ベルリンのバウハウス玩具の復刻版などネフ社の代表的な木製玩具を紹介します。
 なお本展は、本学視覚伝達デザイン学科の及部克人教授が監修しています。同研究室の皆さんのほか、本展開催にご協力をいただいた方々に、厚く御礼申し上げます。

武蔵野美術大学美術資料図書館
館長 神野善治