ハラスメントに対する基本姿勢

武蔵野美術大学(以下「本学」という。)の全ての学生、教職員は、教育・研究・学修・就労するにあたって、等しく良好な環境を享受する資格をもっており、性・年齢・出身地の違いなどにより、不利益をこうむることがあってはなりません。ハラスメントは、個人の尊厳を傷つける行為です。本学では、ハラスメントを防止し、被害が生じた場合の公正な救済を保障することで、適正な教育・研究・学修・就労環境の実現に積極的に取り組みます。

ハラスメントとは

ハラスメントとは、一方の当事者が他方の当事者の意に反する不適切な言動等によって、他方の当事者に不利益や不快感を与え、他方の当事者の教育、研究、学修又は就労の環境を悪化させることをいいます。

*教育・研究・学修・就労の場におけるハラスメントについて、以下のとおり便宜上3つ(セクシュアル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメント)に分けて説明しますが、ハラスメントはこの3つに限定されるわけではありません。また、ハラスメントは、この3つのいずれかに典型的にあてはまる場合もありますが、相互に複雑に絡み合いながら発生することも多く、それぞれの境界は明確なものではありません。

1. セクシュアル・ハラスメントとは

セクシュアル・ハラスメントとは、一方の当事者が他方の当事者の意に反する性的な言動によって、他方の当事者に不利益や不快感を与え、他方の当事者の教育、研究、学修又は就労の環境を悪化させる行為です。

!セクシュアル・ハラスメントには次のようなものがあります。

相手の望まない性的な要求を行う。

「対価型セクシュアル・ハラスメント」と呼ばれるものです。たとえば、先生から課題などの指導で呼ばれ、特別な指導をすることと引き換えに性的な関係を要求される、といったことです。力関係が背後にあるために、ノーと言えない、言いにくいという状況を利用して、性的に不快な発言や行動をされたり、頻繁に食事やお酒に誘われることも同じです。ストーキング、性的に不快な内容や個人的な誘いの電話・ファックス・メールが送られてくる、といったことも同じです。

「ノー」と言ったことで、不利益を与える。

「ノー」と言ったことで、いやがらせを受けたり、不利益を受けた場合もセクシュアル・ハラスメントです。性的関係や食事やお酒の誘いを断つたことで、教室や職場で必要な指導を受けられなくなる、執拗ないやみを言われる、誤った情報を教えられる、などの不利益を受けることです。

性的に不快感を与える発言や行動で環境を悪化させる。

「環境型セクシュアル・ハラスメント」と呼ばれるものです。「胸が大きい」など、身体・容貌に関することを言われたり、個人的な性体験を聞かれたりすること。コンパなどの席で、男子学生が裸踊りを強要されたり、女子学生がお酌を強要されたりすること。授業・指導と称して、性的な発言や性的な情報・図画を強制的に(それに出席しないと単位がとれないなどの状況で)聞かせ又は見せることなどです。

男女性別役割分担意識に基づく発言で平等な環境をそこなう。

「ジェンダー・ハラスメント」とも呼ばれます。女性だけがお茶くみや食事の後片付けや私用の手伝いをさせられている。「男のくせに」といった発言によって、男性に無理を強いるなどです。

(以上は例示であって、これらに限定されるものではありません。)

2. アカデミック・ハラスメントとは

教育・研究上優越的立場にある者がその地位や権力を利用して行う不適切な言動、指導又は待遇によって、指導を受ける者の教育、研究若しくは学修意欲を害し、又はその環境を悪化させる行為です。

!アカデミック・ハラスメントには次のようなものがあります。

教員が学生に対して

  • 求められた教育指導を正当な理由なく拒否する。
  • 修学上必要な教育的指導を、修学に支障をきたす限度を超える期間にわたり行わない。
  • 重い課題を与えるだけで、それについての教育・指導を行わない。
  • 成績に無関係なことがらを成績に結びつける発言をする。
  • 教育・研究上必要のない用務や私的な用務を行うよう強く要求する。
  • 授業中に人格を貶める言動や脅迫的な言動を行う。

(以上は例示であって、これらに限定されるものではありません。)

3. パワー・ハラスメントとは

職務上優越的立場にある者がその地位や権力を利用して行う不適切な言動、指導又は待遇によって、相手の職務上の権利や利益を害し、又は教育、研究若しくは就労の環境を悪化させることをいいます。

!パワー・ハラスメントには次のようなものがあります。

  • 相手の人格を否定するような暴言を吐く。
  • 失敗やミスを繰り返し追及したり、人前で大声で叱責する。
  • 相手を無視したり、孤立させたり、相手の信用を傷つけたりする。
  • 仕事のやり方を教えずに、少しでもミスをすると、不当に責める。
  • 正当な理由なく、過剰な量・内容の仕事を強いる又は仕事を与えない。
  • 違法行為を強要する。

(以上は例示であって、これらに限定されるものではありません。)

*アカデミック・ハラスメント及びパワー・ハラスメントと正当な理由ある厳格な指導・指揮命令とは区別されなければなりません。そのためにも、教育・研究上又は職務上優越的立場にある者は、その指導等を受ける者との間で、相手の人格を尊重した日常的なコミュニケーションを通じて相互理解を深めていく取り組みが重要です。

このガイドラインは本学に関わる全ての人に適用されます。

大学で働き学ぶ全ての教職員・学生はもちろんのこと、本学において就労する派遣労働者・委託業務従事者・出入り業者等仕事で本学に来校する人達にも、このカイドラインは適用されます。

本学においてハラスメントの被害にあった、あるいは目撃したという人は、遠慮なく相談窓口にご相談ください。

相談と問題解決に向けて

もしもあなたが、ハラスメントを受けていると感じたら、目撃したら

遠まわしな言い方では、相手に意志が伝わらないことがあります。不快だというあなたの気持ちを、早めに、はっきりと相手に伝えることが、被害を防ぎます。

ただ、状況によっては、「ノー」と言いにくい場合もあります。「ノー」と言うことが困難な状況にある場合や、拒否・抗議をしても相手がその行為をやめないとき、または「ノー」と言ったことで相手があなたに対して不利益を与える行動をとったときは、一人で悩まず信頼できる人に相談しましょう。本学では、ハラスメント相談窓口や相談員を設けて、ともに解決に向かう努力をしています。

被害にあったことについて、自分の側に不注意があったのではないかといった心配をせずに、相談員に話してください。

あなたが受けたハラスメントと思われる発言や行為について、いつ、どこで、何を言われたか・されたかなど、なるべく詳細で具体的な事実の記録をとっておくように努めましょう。

もしもあなたがハラスメントと思われる場面を目撃したら、見て見ぬふりをせず、可能な限りで、解決に向けた協力をしてくださるよう、お願いします。そのためにも日ごろからハラスメントに対する理解をもってください。可能であればその場で抗議する、必要があれば被害者に相談窓口に行くように勧める・または同行する、問題解決の際に証人になる、などの協力をすることができます。

なお、相談を受けた場合には、相談者の名誉、人権及びプライバシーには十分配慮しなければなりません。

問題解決までのしくみ

  • 「ハラスメント」にあたるかどうか自分ではわからないので、まずそれを解決するために事情を話したい。
  • まずは自分で解決したいが、解決法を一緒に考えてほしい。
  • 解決に向けた対策を講じてもらいたい。

このように思った場合、まず相談してください。相談員には守秘義務がありますので、相談した内容が部外者にもれることはありません。また、相談したこと、事実関係の確認に協力したことによって、不利益な取り扱いをされることもありません。

第1段階 相談の申込み

相談窓口または相談員に、相談してください。電話でもメールでも結構です。

話を聴いてもらうことで一般的な知識や心の支えを得て、自力で解決できる場合もあります。相談員は、この段階ではあなたの問題を聞き、さらに、あなたの意志を確認した上で、必要な場合には「ハラスメント防止・対策委員会」にその内容を伝えます。

さらに調停や調査が必要とされる場合には、次の段階に進みます。

第2段階 調停または調査

問題の解決には、調停と調査という、二つの方法があります。調停とは、委員が当事者の間に入り、話し合い等によって問題を解決する方法です。調査とは、調停が不可能な場合に、大学が問題の解決をはかるよう動くことです。

調停を希望する場合には、本学内にあるハラスメント防止・対策委員会の委員が当事者双方から話を聴き、問題解決のための仲介をします。調停によって解決する見込みがないと判断した場合は、そこから調査に切り替えることも可能です。

調査の希望があり、大学がその必要を認めた場合には、大学が調査委員会を設置し、調査を行います。その結果によって、適正・公正な措置をとります。

相談したいときの連絡先

あなたが相談しやすい方法を選んでください。匿名での相談も受け付けます。緊急の場合やメールでの連絡がとれない場合は、お電話にてご相談ください。

来談・電話・Eメールでの相談窓口

1. 武蔵野美術大学 造形学部・造形構想学部(鷹の台校)

相談窓口 電話番号 メールアドレス
学生生活チーム 042-342-6028 sh108@musabi.ac.jp
総務チーム 042-342-6021 sh104@musabi.ac.jp
保健室 042-342-6029 sh100@musabi.ac.jp

2. 武蔵野美術大学 通信教育課程(鷹の台校)

相談窓口 電話番号 メールアドレス
通信教育チーム 042-342-3401 sh92@musabi.ac.jp

3. 武蔵野美術大学 造形構想学部(市ヶ谷キャンパス)

相談窓口 電話番号 メールアドレス
市ヶ谷チーム 03-5206-5311 sh109@musabi.ac.jp
保健室 03-5225-6220 sh94@musabi.ac.jp

手紙での相談

送付先

武蔵野美術大学 ハラスメント相談員宛
〒187-8505 東京都小平市小川町1-736