Introduction

SETSUZOKU Introduction

 武蔵野美術大学とパリ国立美術高等学校(エコールデボザール)との交流は
武蔵野美術大学の学生からの提案で、資料を見せあうことによってお互いに対する
興味が湧き、このようなプロジェクトが始まりました。武蔵野美術大学の学生が作
品制作の際使用しているニューメディアやニューテクノロジーには、パリのギヨー
ムパリスのアトリエの学生も深い関心を持っており、共同制作の一つの軸になって
います。 
 テクノロジーは世界共通であり、その共通に使用しているテクノロジーを通して、
文化交流への希望は共同造形制作及び共同研究の出発点になると我々は考えます。
そして現代美術への視点、社会における役割などについて、ビジョンを共有し、そ
の意味での交流を続けたいと思っています。 
 そして19世紀に始まった、日本画とパンチュールレアリスト(写実主義絵画)と
の対話を、現代のメディアを通して続けて行きたいと思っています。 

武蔵野美術大学助教授 クリストフ・シャルル



 SETSUZOKUは、 パリ、エコール・デ・ボザールの学生と武蔵野美術大学の学生たち
が作りあげる展覧会です。その中で、2つの違う文化を持った若手アーティスト達は
お互いの共通する興味について表現しています。
 このプロジェクトは、二つの文化の違いを、アートという手段によって理解する試
みです。2つの文化の出会いだけではなく、異なる創造力を持った25人のアーティス
トたちが、それぞれ自由な手段(=ニューメディア)を通して実現した出会いでもあ
るのです。

パリ国立美術高等学校 助教授 ギヨーム・パリ 






1) ワークショップ ワークショップという形態は、特定のテーマを中心に、複数の作家が知識や実践を共 有し、共同制作を進めながら新しい研究方法を見出し、共同作業によって作品を完成 することを目指しています。 我々の場合ワークショップというのは、二つの教育組織を通して、二人の教員の協力 を経て、学生と学生との出会いということでもあります。共同作品の実現を目指して、 能力、知識、文化、世界観を共有することは、「接続」というタイトルによって定義 したいと思います。 ワークショップの日程 2002年11月から2003年9月まで準備期間、2003年9月22日から10月2日まで、武蔵野美術 大学においてワークショップ及び作品発表(武蔵野美術大学12号館地下1階展示室及び 9号館地下1階展示室)の予定。 2004年3月1日から10日まで、パリ・エコールデボザール中央展示室及びギヨームパリ・ アトリエにおいて、ワークショップ及び作品発表の予定。 ワークショップの準備 2002年11月、武蔵野美術大学助教授クリストフ・シャルル氏が来仏した際、武蔵野美術 大学の全体象及び映像学科とそのメディアアート部門を細かく紹介していただきました。 クリストフ・シャルル氏は映像学科の4年生になる学生(80人程度)の中から、大学間 の交流に関心を持っている11人を選びました。シャルル氏の解説を聞きながら、武蔵野 美術大学映像学科の学生の作品ファイル(テキスト、写真、ビデオなど)を拝見しました。 次にボザールの学生のファイルをクリストフ・シャルル氏にプレゼンテーションをした 結果、ギヨーム・パリと相談しながら、交流への関心及び作品性質を評価した上、フラ ンス側から12人が選ばれました。コミュニケーションネットワークの立ち上げ電子メー ルを交換しhttp://281281.online.fr/phpBB2というウエブサイトを立ち上げ、様々な参 考資料をアップロードした上、両側はプロジェクトに関わり、互いの知識を深め、刺激 を与える話し合いができるようにフォーラムを通して作業を進めています。 今まで取りあげた主なテーマとして: ・日本人はどのようにヨーロッパを観ているか、 また、第三者の場所、第三者の目の発見。 インターフェースとの関係、つまり、アニメ、漫画及びビデオゲームという、我々が常 に制作においてしようしているインターフェースを通して、日本の文化の知識。 ・現在の国際社会におけるクリエーションの様子(例えば村上隆が説明しているように、 「日本的な」芸術の形態と、国際市場の制約を両立させるという困難であると)、また は日常生活におけるグロバリゼーションに対する我々の見方及びスタンス。 などがあげられます。 日本の若手作家の反応、またはフランス人若手作家 の、その問 題に対するアプローチを比較する機会となり、このような問いは我々にとってはたいへ ん興味深い結果に気づくことが出来ました。 このような「出会い」(ランコントル)は、ワークショップという過程に入る機会となり、 自分で選んだテーマを中心に「考える場」が定義され、 フランス側の学生が来日した際、日本側の学生が来仏した際、もっとも効率の高いもの になるようにワーキングチームを形成することにしました。 現在は最初の段階ということで、数カ月に渡って延び、深まっていくでしょう。 2) 武蔵野美術大学におけるワークショップの実現 滞在先 フランス側の学生が来日した際、撮影や材料取得は東京近辺で行い、作業は武蔵野美大の アトリエ及び展示会場において行います。滞在先は学生の自宅にすることで、互いの生活 空間を体験し、理解することになるでしょう。逆に日本側の学生が来仏した際、フランス 側の学生の自宅に滞在することになります。 展示会場 武蔵野美術大学のウエブサイト、またはシャルル氏や武蔵野美術大学の学生が提供した写 真や資料によって、フランス人側の学生が場所の特徴を把握することが出来ました。 場所の構成自体は、例えば12号館地下展示室(700 平方メートル)は、作業の場にもなるビデオアトリエ(400平方メートル)の近くにある ため、それらの会場の空間的及び視覚的な特性を利用し、それらの関係は制作軸として考 えたいと思います。 パリ国立高等美術学校の中央展示室及びアトリエの写真と参考資料 を武蔵野美術大学の学生に送り、それぞれの場所、その環境と作品との関係についてこれ から考えていきたいと思います。 その展覧会やイベントの際、武蔵野美術大学映像学科の教員のレクチャー及び講評、また パリ国立美術学校の教員のレクチャー及び講評を行い、教員と学生の積極的な参加を必要 とするシンポジウムやディスカッションを行う予定です。