第43回イメージライブラリー映像講座「映画⇆世界のサーキュレーション」

日程 2015年11月14日(土)~2015年11月19日(木)
*時間は本文参照
場所 武蔵野美術大学 美術館ホール

第43回イメージライブラリー映像講座 「映画⇆世界のサーキュレーション」

本学美術館ホールにて開催する、第43回イメージライブラリー映像講座のお知らせ。

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講座内容
本講座は、劇映画とドキュメンタリーを往還しながら野心的なフィルムを発表している濱口竜介氏と、情報化やデジタル化以後の映画のありようを追究している渡邉大輔氏によるディスカッションです。
いたるところにカメラと映像が氾濫し、渡邉氏曰く「世界そのものが映画になりうる」かのような世界。ビッグバジェットの大作映画が話題を集める一方、小規模な自主映画や動画が乱立する二極化状況の中で、両者を貫く重要な概念として「ドキュメンタリー」を挙げることができるでしょう。歴史的な事件・事故の現場やかけがえのない個の生に立ち会わんとするドキュメンタリストの活躍はもちろんのこと、劇映画の現場でも、ドキュメンタリー・タッチやフェイクドキュメンタリーと呼ばれる手法が多用されるようになりました。また一方で、酒井耕・濱口竜介監督の『なみのおと』やジョシュア・オッペンハイマー監督の『アクト・オブ・キリング』など、劇映画の方法論をドキュメンタリーに持ち込む試みが注目を浴びたのも記憶に新しいところです。ではこのように、映画⇆世界、劇映画⇆ドキュメンタリー、フィクション⇆ノンフィクションといったサーキュレーション循環を通じて生まれる芸術表現にはいかなる可能性があるのか。その第一人者である濱口氏と渡邉氏に実作と理論の両面から語っていただきます。

上映スケジュール

2015年11月14日(土) 12:30-16:55(開場 12:00)*途中休憩有り
『親密さ』(監督/濱口竜介、255分)

2015年11月19日(木) 15:30-16:24(開場 15:00)
『不気味なものの肌に触れる』(監督/濱口竜介、54分)

対談スケジュール

2015年11月19日(木)16:30-18:30
*『不気味なものの肌に触れる』上映後に座席の入替はいたしません。

登壇者 濱口竜介(映画監督)、渡邉大輔(映画研究者)
参加方法 入場無料・予約不要 学外の方もご参加いただけます
定員 約100名 *会場がL字型のため、大型スクリーンの鑑賞に適した席は約60席のみとなります。講演に関しましては、どの席も問題なくご聴講頂けます。
主催 武蔵野美術大学 美術館・図書館

講師プロフィール

■濱口竜介(はまぐち りゅうすけ)
1978年、神奈川県生まれ。東京大学文学部卒業後、商業映画の助監督やテレビの経済番組のADを経て、東京藝術大学大学院映像研究科に入学。2008年、修了制作『PASSION』がサン・セバスチャン国際映画祭や東京フィルメックスに出品され高い評価を得る。その後も地域やジャンルをまたいだ精力的な制作活動を続けている。現在は活動拠点を神戸に移して活動中。最新作『ハッピーアワー』はロカルノ国際映画祭にて最優秀女優賞受賞と脚本へのスペシャル・メンションを受けた。

■渡邉大輔(わたなべ だいすけ)
1982年、栃木県生まれ。映画史研究者・批評家。跡見学園女子大学文学部助教。主な著作に『イメージの進行形――ソーシャル時代の映画と映像文化』(人文書院、2012年)、『アジア映画で〈世界〉を見る――越境する映画、グローバル化する文化』(共著、作品社、2013年)、『ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評』(編著、南雲堂、2015年)などがある。

上映作品の詳細データ

■親密さ
監督:濱口竜介
制作年:2012年
濱口が講師を務めた専門学校「ENBU ゼミナール」映像俳優コースの修了作品として製作された作品。2人の演出家が『親密さ』と題した演劇をつくりあげていく過程をフィクションのドラマとして描き出した前半部と、舞台本番の様子を記録した後半部とで構成されている。映画と演劇、現実と虚構といった区分に収まりきらない独自の方法論によって編まれた4時間15分の大作。

■不気味なものの肌に触れる
監督:濱口竜介
制作年:2013年
父を亡くし、異母兄の斗吾に引き取られた高校生の千尋。彼は孤独を抱えながらも、同い年の直也と「相手に触れてはならない」というルールのもとにおこなうダンスにのめり込んでいた。しかし千尋や直也が暮らす川のある街の日常は、次第に不穏な影に覆われていく……。製作が予定されている長編『FLOODS』の予告編的な意味合いも持つ、予兆的な中編。

お問い合わせ先

武蔵野美術大学 美術館・図書館
小平市小川町1-736
tel. 042-342-6072(イメージライブラリー)

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