Spectrum File 17 宮田彩加展

日程 2017年6月19日(月)~2017年7月2日(日)
11:00-20:00
場所 スパイラル(東京都港区南青山5-6-23)

杉浦幸子教授(芸術文化学科)がゲストキュレーターを務める展覧会のお知らせ。

Spectrum File 17 宮田彩加展

***
「スペクトラム」とは、英語で“連続体” や“領域”、プリズムを介して生じる色彩の配列を意味します。

スパイラルは、設立30周年を迎えた2015年、現在または未来の創造活動について未定義なもの、領域の定まらないものにこそよりいっそうの可能性があると仮定し、この「スペクトラム」というコンセプトキーワードを提示して多くのクリエーターを紹介してきました。
そこから数年を経た今もなお、既存の表現の垣根を超え、国籍も世代も問わず、領域横断的に創作をする新しいクリエーターが各地で活動しています。展覧会シリーズ「スペクトラムファイル」では、多様なゲストキュレーターを招き、社会に気づきをもたらす表現の可能性について対話を深めながら、境界領域に潜む未知の才能を拾い上げ、広く紹介していきます。開催期間中は、トークなども実施しながら、多くの方とアイデアを共有していきます。

推薦者の言葉
ラテン語のspecere「見る」を内に秘めたSpectrum。光を分解することによって生まれる色の帯を示すその言葉は、私の脳内に一筋の光を描き出しました。光は形あるものの生と存在を可視化する一方で、それらを取り巻く空間や時間、記憶といった、形ないものの存在をも暗示する。光を感じることができない人たちには、形に囚われない、自由な存在を想起させる。そして光は、私たちの認識が終わる瞬間、つまり死までも暗示すると考えます。
Spectrumが生み出したそれらのイメージを表象するアーティストとして、宮田彩加を推薦しました。手から針に想いを伝える手刺繍からミシン刺繍へ世界を広げ、均一な針目に敢えてバグを加え作品にエラーを生み出し、イメージと現実の世界をつなぐ。そして作品の背後に、密やかに、しかし確実に潜む時間、そして死をも暗示する。私は時として彼女の作品を、目を閉じ、手で見ることがあります。Spectrumにより生まれる世界と、それを超える世界を内包する彼女の作品が新たに生み出すSpectrumをご覧ください。(杉浦幸子)

関連記事