テーマ 「齋藤素巖ブロンズ作品小平コレクション保存処置」
実施期間 2005年4月1日~2006年3月31日
教員 彫刻学科 教授 黒川 弘毅

齋藤素巖
(明治22年1889~昭和49年1974)は、大正から昭和にかけて文展・帝展・日展で活動した彫刻家であり、「構造社」(建築との総合を造形上のテーマとした彫刻を主体とした在野団体)の中心的存在でした。作家の死後、遺作が小平市に寄贈されました。

平成17年度、小平市は狭山・境緑道へ素巖のブロンズ作品を設置することになり、武蔵野美術大学研究支援センターにこの計画への助言と協力を要請してきました。市への協力は、本学彫刻学科と大分大学、及び小平市教育委員会が参加する本学の共同研究として、以下の内容で進められました。

  1. 個々の作品についての制作年代・題材等の調査
  2. 保存状態調査と記録調書作成
  3. 「構造社展」(福井市立美術館、宇都宮美術館、札幌芸術の森美術館、松戸市立博物館を巡回)に連動する「齋藤素巖展」
    (本学美術資料図書館と小平市公民館で同時開催)とシンポジウムの開催
  4. 設置が予定される公共的ロケーションでのブロンズ作品展示の基本方針についての助言
  5. ボランティアの参加を前提とした屋外設置作品に関するメンテナンスプログラムの策定

本プロジェクトは、5の一環であるグリーンロード推進協議会のボランティア作業実習として平成18年4月に実施されました。実習では、大学院生をインストラクターとし、ボランティアの方々により、設置された17点のブロンズ作品に対し、洗浄と保護剤塗布が行われました。