Paul V. Kandasamy(ポール・カンダサミ)
- 専門
- ESL(第二言語としての英語)
English as a Second Language - 所属
- 言語文化
Language and Culture - 職位
- 教授
Professor - 略歴
- 2001年4月着任
1963年シンガポール生まれ
ハワイ大学ESL修士課程修了
(M.A. in ESL) - 研究テーマ
- 第二言語習得(Second Language Acqui-sition)について研究しています。
A New Approach to English Communication, Musashino Art University Press, 2003 (Co-author)
"Genre Analysis of Research Article Introductions : A Case Study from the Field of Architecture", Bulletin of Musashino Art University, Vol. 33, pp. 17-25, 2002
通信教育課程でのスクーリング授業 2003年
Research Abstract
The article, Genre Analysis of Research Article Introductions, reports the results of a case study on the structure of the introduction sections of research articles in the field of Architecture. Six articles from the journal Environment and Behavior were analyzed to determine if their introductions conformed to the standard Create-A-Research-Space (CARS) model proposed by Swales [ Swales, J.M. (1990). Genre Analysis in Academic Research Settings. Cambridge University: Cambridge University Press ]. The results indicate that the CARS model adequately describes the general structure of the articles analyzed. However, two variations were observed in this journal: a significant amount of space is devoted to providing background information on relevant theories and/or definitions due to the interdisciplinary nature of the publication, and explication of the hypotheses to be tested serves as an acceptable way to close the introduction. Given the small sample size, however, it is unwise to generalize beyond what has been observed in this particular journal. Further research based on a wider sample drawn from a variety of recognized journals in the field is clearly called for.
多言語社会の中で育った私
現在は米国籍ですが、私はシンガポールで生まれ、そこで幼少時代を過ごしました。ご存じのようにシンガポールは多言語・多文化社会です。幼いころから私の周囲には、英語、マレー語、タミール語、そしていくつもの方言を持つ中国語など様々な言語が溢れ、またそれぞれの民族が大切にしている固有の文化に触れる機会も日常的でした。そのような環境のもとで、私はいつしか「言語」というものに強い関心を抱くようになり、ハワイの大学に進学後、外国語研究の道を選びました。そして研究を進めるうちに、また新たな言語を学ぼうと努力している人々の助けとなり、言語に対する情熱を共有したいという思いから、最終的に外国語教育―特に英語を母国語としない人々に対する英語教育―という道を職業として選ぶに至ったのです。
芸術も言語も自分を表現するコミュニケーションツール
言語と芸術―例えば視覚的なアート―。一見するとこのふたつの分野にはそれほど深い関係があるとは思えませんが、実はこれらの間には非常に共通する部分があると思います。基本的に言語というのは、人間がお互いをより深く理解するための道具(ツール)です。言い換えれば、言語が持つ役割とは、他者と関わっていく過程で情報や感情などをお互いに伝えあうことができるようにすることなのです。これと同じように、芸術もまた創作者の思想や感情を他者に発信する手段となります。それが言葉であるか平面的な絵画や立体的な彫刻であるかに関わらず、様々な表象的なシステムを用いて独創的なメッセージを他者に伝達するということは、ある意味で人間として持って生まれた本質的な部分であるわけです。言語と芸術が最終的に希求するものは同じであるといってもいいかもしれません。言葉は、用いれば用いるほど、言葉の持つ力に触発され、そのニュアンスを使い分ける能力が身についていきます。芸術というコミュニケーション表現を学ぶ学生のみなさんにとって「新たな言語を学ぶ」ということは、単にプラクティカルな意味を超えて、非常に意義深いものではないでしょうか。
私の語学教育に対するポリシーは、教室で外国語を学ぶにあたって、「ほどよい緊張感とお互いに助け合える雰囲気こそが最も大切である」ということです。学習意欲を刺激できる環境でありながらも、いたずらに競争的だったりミスを恐れたりすることのない環境を創ることが最も成果を上げると考えているからです。グループやパートナーとして、わからないことや困っていることがあればお互いに助け合う。そんな雰囲気は外国語学習において非常に望ましいものといえます。私たち教える立場の人間は、学生のみなさんと緊密な関係を保ちながら、このような環境を整え、授業への積極的な参加を促す、いわば司会進行役としての役割を果たすことが大切だと常にこころがけています。