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考えてみれば公園の砂場には「ニュートラル」と呼べるような状態がない。子供たちによって踏みにじられ、常に途中で放棄されたはずの砂場に、渡辺は動かしがたい秩序を持つ世界地図のかたちを与えた。一見対照的といっていい両者の危うい対比は「基準とは何か」あるいは「人為性」といった問題を孕みながら、それぞれが重なり合うことでさらに複雑な拡がりを持つことになる。同時にデリケートに積み上げられた1トンを有に超える砂の重力は、言葉や意味さえも押し潰すようにして、この場所に比類なき静けさを与えているようでもある。
油絵学科助教授 袴田京太朗
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