日本アニメーション学会、研究・教育委員会主催「第2回・今 敏作品研究上映会」

日程 2012年2月25日(土)
13:00-18:00 *終了予定
場所 鷹の台キャンパス、美術館・図書館内美術館ホール

「RESPECT FOR KON-SATOSHI 〜天才監督が遺したもの〜」と題して始められた「今 敏作品研究上映会」の第2回を開催します。今監督は46歳の若さで早逝されましたが、残された作品は今も尽きせぬ魅力にあふれ、ファンばかりか研究者たちの深い関心を誘ってやみません。第1回の研究上映会は今 敏監督が他界された2010年の11月23日に開催し、「パプリカ」(2006年)の上映と併せて、横田正夫会長と原田央男会員による研究発表が行われました。それから一年余りを経ての今回は、今氏がその視覚伝達デザイン学科を卒業された母校であり、また客員教授として映像学科の後輩の指導にあたった武蔵野美術大学を会場として開催します。

上映作品は今氏の初監督作品「PERFECT BLUE」(1997年)。また研究発表には藤津亮太会員による「虚実皮膜の演出──今 敏」と陣内利博と橋本典久の両会員による「動きのレイアウト=デッサン ──今 敏監督の息づかいを読む──」の二つの講演を用意して、今 敏作品を新たな角度から読み解きます。天才監督の業績再評価に向けて、貴重な機会となるはずのこの研究上映会への御参加をお待ちしております。

*参加希望会員は2月24日(金)までに、以下のメールアドレスに「今 敏作品研究上映会参加希望・(会員名または学生名)」の書式で送信したうえで御来場ください。

送信先:JAG11116@nifty.ne.jp

参加費:無料

主催:日本アニメーション学会

協力:株式会社マッドハウス、KON'STONE,Inc.、専門学校アートカレッジ神戸、武蔵野美術大学美術館・図書館

交通アクセス

プログラム(予定):

13:00・開場 

13:30-15:00・DVDモニター上映「PERFECT BLUE」(82分・~C1997 MADHOUSE)

15:00-15:10・休憩

15:10-16:10・講演1「虚実皮膜の演出──今 敏」(藤津亮太:アニメーション評論家)

*講演主旨:「絵を本物として信じてもらうこと」と「絵を絵として扱うこと」。今 敏演出の特徴であったその往復運動を各作品を例にとりながら検証します。

16:15-17:15・講演2「動きのレイアウト=デッサン ─今 敏監督の息づかいを読む─」(陣内利博:武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科教授、橋本典久: メディア・アーティスト、武蔵野美術大学映像学科非常勤講師

*講演主旨:今監督は作品製作にあたってレイアウトに特にこだわり、専門学校での授業で「見たものは、必ず描ける。アニメーションに関わることでマンガを描いている時には気づかなかったレイアウトを思い知らされる。レイアウトはまさにデッサンだ」という趣旨の発言を残している。このなかで指摘された「デッサン」とはいわゆる空間を把握する「下絵」を超えて、時間のコントロールすらも暗示している。今監督のアニメーション作品からはそのデッサンの探求と、それをどう観客に伝えるかに腐心した姿が浮かび上がってくる。この研究発表はそのような今監督の「動きのレイアウト」に注目し、橋本典久の最新作「ブレス」の手法を用いて、今作品の映像の息づかいまでも読み取ろうとする試みである。

17:15-18:00・意見交換(司会:原田央男)

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