白石美雪教授著『ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー』が第20回吉田秀和賞を受賞

白石美雪本学教授(教養文化)著『ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー』が第20回吉田秀和賞を受賞しました。

『ジョン・ケージ 混沌ではなくアナーキー』 白石美雪著
デザイン:寺井恵司
出版社:武蔵野美術大学出版局
価格:3,360円(税込)

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<選評より>
ジョン・ケージは何よりもまず「行為者として音楽」へと向かった音楽家だった。この視点から、著者はケージの風変わりな作品を精査し、とくに偶然性、不確定性の思想とのかかわりに着目して、その音楽が体現している音楽的なあるいは非音楽的な意 味について周到な考察をめぐらす。各種の学術的成果を渉猟した研究書の体裁だが、音楽史、東洋思想とのかかわり、パフォーマンス論、メディア論と切り結んだ語り口は衒いがなく、音楽学的にも厳密をきわめ、著者のケージに対する人間的共感がにじみ出ている。ケージの全体像にせまった力作である。綿密かつ丁寧な仕事だ。

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