「内部状態・内部リズム」 OCOs (LEDホタル)による光結合実験  

日程 2013年3月26日(火)~2013年3月30日(土)
13:00-17:00 *29日(金)休み
場所 武蔵野美術大学 デザインラウンジ

視覚伝達デザイン学科主催のワークショップ開催のお知らせ。

内部状態・内部リズム

メンバーの相互関係から生まれる内部リズムの生成ワークショップ ― 時のデザインに向って ―

「個」は動いている、これが基本である。自律運動しているものが系を成しその「メンバー」同士に相互作用がある場合、外部からのコントロールが無くても系の秩序:内部状態が生成される。時間においては内部リズムが生成されるが、その基本メカニズムは自然界に偏在する『同期現象*1』と『分岐現象*1』である。

このワークショップでは、FIRST合原最先端数理モデルプロジェクト*3の協力を得て、それらを実現できる光結合発振器OCOs*2を使用し、4日間に渡って様々な実験・観察・考察を繰り返し、相互関係が生み出す多彩なリズムのデザインを試みる。

*1) 同期と分岐

同期現象とは、自律振動しているもの同士の間に相互作用がある場合、互いに律動を揃える現象である。例えば壁に架けた2つの振り子時計は壁を伝わる弱い振動によって互いに振動を揃えていく。また、生物の協調動作も各々の個体が同調すること(同期:synchronization)によって実現されると考えられおり、カエルやコオロギの合唱、赤道近くに生息するホタルの集団発光、多数の細胞から成る心臓の鼓動、太陽の運行にひきこまれる人のライフサイクルなど同期現象は身近に頻繁に見られる。このように生物、無生物に関わらず同期は自然界に偏在する基本的な現象であり、この同期状態が変化する(分岐:bifurcation)ことで多彩で複雑なリズムが生み出される。

*2) OCOs(Optically Coupled Oscillators)

同期現象の具体的実現には発振器(oscillators)と呼ばれる周期的変動を生じる電気回路がしばしば利用される。FIRST合原最先端数理モデルプロジェクトでは数理工学の研究の一端としてLED発光部とフォトサンサー受光部をもつコンパクトなLEDホタルと呼ばれる光発振器を作成した。これは光で結合する小さな発振器で、周期が変えられ、また相互の距離により結合強度を調整できるので同期現象とその分岐を生成することが出来る。これがOCOs(Optically Coupled Oscillators)である。

*3) FIRST 合原最先端数理モデルプロジェクト

2010年3月 東京大学生産技術研究所内に設置された「最先端数理モデル連携研究センター」を中心にして、内閣府最先端研究開発支援プログラム「複雑系数理モデル学の基礎理論構築とその分野横断的科学技術応用」プロジェクト研究を推進している。数学を実社会に広く応用する数理工学やカオス工学の観点から、複雑系数理モデル学の基礎理論構築とその分野横断的科学技術応用に取り組んでいる。(FIRST 合原最先端数理モデルプロジェクト リーフレットNo1.August 2010より抜粋)

内部状態・内部リズム

01|OCOsをブレッドボード上で実装する。

02|OCOsの5個環状結合。

03|基盤回路のOCOsの多数結合。

構成:木本圭子(合原最先端数理モデルプロジェクト技術員、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科非常勤講師)

講師:川上博(徳島大学名誉教授、合原最先端数理モデルプロジェクトアドバイザー)
    関川宗久(東京大学生産技術研究所特任助教)

アドバイザー:勝井三雄(武蔵野美術大学名誉教授)

受講:武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科学生を中心に12名程度

主催:武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科研究室(担当:寺山祐策/古堅真彦/大原崇嘉)

共催:FIRST合原最先端数理モデルプロジェクト

東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F

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