マツモト マチ 「おいつかなくてとおりすぎる」

日程 2023年7月18日(火)~2023年8月8日(火)
11:00-20:00
場所 B Cafe & Lab(東京都新宿区高田馬場4-2-28)

マツモト マチさん(2023年大学院造形研究科修士課程美術専攻油絵コース修了)の展覧会のお知らせ。

マツモト マチ 「おいつかなくてとおりすぎる」

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車、飛行機、電車...何か乗り物に乗っている時、もっと止まってこの風景を見させて欲しい、と
思う時がある。
でも、定刻があるので止まれない。自分の足で歩いている時ですら、私は止まれない。そして、追いつけなかった風景のことを思い出しながら、またぼんやりと目の前の風景は止まっていてくれはしないのだった。―マツモト マチ

この度、UNE Art Projects では、マツモトマチ個展「おいつかなくてとおりすぎる」を開催いたします。
マツモトマチは 1999年生まれ、今年3月に武蔵野美術大学大学院造形研究科油絵コースを修了し、修了作品は優秀賞を受賞しました。車窓、道路、沿道の構造物や植木など、マツモトが描いているものは、移動中に彼女の眼差しで掴もうとしたイメージであり、いわば「途中の風景」とも言えます。しかし、画面上に掴んだ運動的なイメージは、移動する瞬間のシーンだけではなく、不均一な時空が表れています。物事の形が歪んで、色も単純化され、全てが柔らかい光景に溶けそうになっています。また、リアルスケールを感じるほど巨大なキャンバスから存在が薄いレシートまで、絵画の媒体の間にはとても大きいな差がありますが、作品の間には優先順位はなく、全体的におぼろげに併存しています。どこから来て、どこへ向かうか。時の出会いは、複数の時空の中に切りかわっていくことができるようです。
今回の展示では、カフェスペースの中に展示ゾーンを設けるのではなく、カフェの内壁や空中に約20点ほどの平面・立体作品が分布し、カフェの什器と混在します。それによって、マツモトは「ひとの不意」をつけるのではないかと期待しています。また、「一緒にカフェに訪れた人たちとの会話がひと段落したら。一人でカフェに来て、一息つき終わったら。ただ空中を見つめるように、絵をぼんやりと見てもらえたら嬉しいです」とも述べています。
「追いつく」または「通り過ぎる」ような意識による物理的移動から「ずれる瞬間」を、ぜひお楽しみください。

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