都市の環境単位 ―つながる建築(3年次)

距離感の積層

スチレンボード、鳥の子紙、白ボール紙等|H400 × W600 × D1050mm

場所の持つ界隈性を継承・再生・更新していく集合住宅を設計する課題です。プライベート空間の積層だけになってしまいがちな集合住宅において、「プライベート」と「外部」を心地よくつなぐ距離感を探ることを軸に、敷地である中野区の人口構成に着目して、その場に適応し、なじむことで界隈性を深めようと提案しました。玄関を開けたらたまたま隣の住人がいたときに感じてしまう気まずさのような、普段の生活の中で気付く疑問や違和感を出発点に、各住戸を3層にして、プライベートと外部空間をつなぐ1層目をセミパブリックなスペースにしているところが設計の大きな特徴です。人や外部との距離感を考え直すことは、人にとって心地よい空間をつくり出すきっかけになると実感できました。また、ゼロから新しいことを考えるのではなく、当たり前だからと置き去りにされているような問題を丹念に拾い上げて再考してみることが、新しいものをつくる上で重要なのだと気付けました。(3年|井出彩乃)

建築のタッチ(3年次)

RHYTHM

チップボール|H400 × W1200 × D800mm

建築領域において定義されていない“タッチ”をテーマに、美術館を設計する課題です。私はタッチを「ものとものが関係し合ったときに生まれる内的な存在」と捉え、展示空間にシークエンスを介入させることによって、存在し得ないコンテクストを現象として生じさせようと考えました。この課題は作品発表の機会が多くあり、プレゼンテーションや講評の度に作品の成長を感じられたことが大きな収穫です。外部の建築家を招いて各学年の優秀作品を講評する「バーティカルレビュー」に選抜されたほか、建築学科同窓会による「日月会建築賞」では賞をいただき、厳しくも今後の糧となるようなアドバイスをもらえました。こうして自分の努力次第で、さまざまな人と議論を交わすことができるのが建築学科の魅力。意匠設計を目指す人にはとても恵まれた環境ですし、学生全員がものづくりに携わっていて、他分野の知識や経験を得られるのもムサビならではだと思います。(3年|渡邉和)