是枝開

是枝開(これえだ・ひらく)
KORE-EDA Hiraku

専門
絵画および立体造形、造形演習、近・現代美術
Painting, Sculpture, Modern & Contemporary Art
所属
芸術文化学科
Art, Culture and Design Studies
職位
教授
Professor
略歴
2014年4月着任
1960年鹿児島県生まれ
コロンビア大学大学院 芸術学部 美術学科絵画・彫刻専攻修了(修士)
研究テーマ
絵画および立体造形、近・現代美術。

作家として:
'83年「「HAZAMA」にて」オリエント画廊、'84年 個展 東野画廊、「法律とサブカルチャー」神奈川県民ホール、「Art Exhibition うっ」神奈川県民ホール、'85年 個展 ギャラリイK、'86年「KIG・ルコトモQ」コバヤシ画廊、「イコノ・ゲネシス 図像=生成」山梨県立美術館、「存在と視覚の間に」東京日仏学院ギャラリー、「第6回 試行する美術 国際小さな芸術展」山梨県立美術館、'89年「MFA exhibition」コロンビア大学 Prentis Hall、'90年「島田雅彦作・演出『ユラリウム』舞台美術」Studio Mag、「ING 交錯展 '90」ミカレディ・イベントホール、'91年「ING 交錯展 '91」ミカレディ・イベントホール、'92年「島田雅彦作・演出『ルナ』舞台美術」銀座セゾン劇場、個展「庭園の会話」麻布美術工芸館、'96年 個展「光という実在」ギャラリーαM、'97年「現代美術の展望 VOCA 97―新しい平面の作家たち」上野の森美術館、「庭園の会話 Ⅱ」文房堂ギャラリー、'99年「現代美術の展望 VOCA 99―新しい平面の作家たち」上野の森美術館、'00年 個展 ヒノギャラリー、'01年「庭園の会話 Ⅲ」文房堂ギャラリー、「発生の場/ドローイング」東京藝術大学美術館 陳列館、'02年 個展 ヒノギャラリー、'07年「絵画(え)の現在(いま)〜活躍する鹿児島の画家たち」鹿児島市立美術館、個展 ヒノギャラリー、'08年 個展 Mizuho Oshiroギャラリー、'17年 個展 ヒノギャラリー、'21年 個展 ヒノギャラリー。

学芸員として:
'91年から'99年までセゾン美術館学芸員。'99年から'03年までセゾン現代美術館学芸員。'03年から'14年まで神奈川県立近代美術館主任学芸員。
主な担当展覧会に'94年「デイヴィッド・スミス」展、'95年「視ることのアレゴリー」展、'96年「抽象表現主義」展、'97年「フランソワ・ルーアン」展、'98年「ポップ・アート」展(以上セゾン美術館)、'99年「アートイング東京1999:21×21」展、「シヴォーン・ハパスカ」展、'01年「高齢者ホームプロジェクト」(以上セゾン現代美術館)、'04年「ベン・ニコルソン」展、「早川重章」展、'05年「今日の作家Ⅹ 西村盛雄・松本陽子」展、'07年「時代と美術の多面体」展、「プライマリー・フィールド」展、'08年「湯原和夫」展、'09年「伊庭靖子」展、'10年「長澤英俊」展、「プライマリー・フィールド Ⅱ」展、'11年「現代美術の展開」展、「川合玉堂」展、'12年「石元泰博写真展」(以上神奈川県立近代美術館)などがある。

Painter. Born in Kagoshima City in 1960. Completed BFA program at Philadelphia College of Arts in 1987. Completed MFA program at the Graduate School of Columbia University, New York in 1989. From 1991 to 1999, he was Curator at the Sezon Museum of Art. From 1999 to 2003, he was Curator at the Sezon Museum of Modern Art. From 2003 to March 2014, he was Senior Curator at The Museum of Modern Art, Kamakura & Hayama. He has held his current position since April 2014.


カエンキセワタ I-01〜06
油彩、アクリル、メディウム、インクジェット・プリント、キャンヴァス
2017年

光の肌 VOT-20〜25
アクリル絵具、ポリエステル、綿キャンヴァス
1999年 個人蔵

 絵を描くことは本当に難しい。いつもいつも、それを思い知らされる。僕の場合、そのためにのみ絵を描いているようなものだ。恐らくはこの先も、さしたる進歩はないだろう。それでも漠然とではあるが、自分が求める画面というものが、少しずつ見えてきたような気がする。

 けっして見飽きることのない画面… 終わりのない画面… さまざまな視線が注がれるたびごとに、静かに呼吸しつづけてゆくような画面… そういう画面を実現できたなら、と願っている。途方もない願いかもしれない。

 具体的に興味があるのは、ある質量をともなった光が、構造や運動を持続的に生みだしてゆく力だといえるかもしれない。僕にとってはむしろ、最も基本的な日常のモチーフである光という物質… それがそのまま希有な色や形となって目に映る様を、確かな手応えをもって捉えたいのである。一瞬たりとも停止することのない光… 色彩や形態を決定してしまわぬ光… それらを、揺らぎつづける現実的な事象として描きえたらと考えている。

とはいえ
亜鉛メッキ板 1985年

にもかかわらず
亜鉛メッキ板 1985年