社会とアートをつなぐプロフェッショナルになるための学び。

「芸術文化と社会をつなぐことによって、社会を活性化する」というミッションに基づき、「見る」「聞く」「読む」「話す」「書く」「つくる」という創造活動の要素と本質を、理論・実技の両面から学びます。1・2年次は芸術文化と社会をつなぐための基礎力を身につけた上で、さらなる知見と具体的方法論を学んでいきます。

3年次は、専門性を身につけるための理論的、実践的な学びを深める時間です。3年次後半からは専任教員が開設するゼミナールに所属し、社会に対する問題意識を明確にしながら個々の研究テーマを掘り下げていくことで、卒業研究・制作へと発展させます。

カリキュラム

全体

[芸術文化を社会で活かすプロフェッショナルになるための学び]
芸術文化学科は、芸術文化を社会で活かすプロフェッショナルに必要な、芸術文化を読み解き、実践する能力を4年間を通して育みます。そのためのカリキュラムを、ミュゼオロジー(博物館学)、プランニング(企画構想)、マネジメント(運営・経営)という「3本の柱」のもと、理論と表現(実技)の両面からデザインしています。

ミュゼオロジー(博物館学)では、自然や人間が長い時間をかけて生み出してきた「もの」を集めた、世界の縮図であるミュージアムの役割や機能について学び、芸術文化を幅広い視点で捉え、理解する力を養います。

プランニング(企画構想)では、企画を構想するために必要となる多様な発想法、マーケティング、論理的思考を学び、社会のあらゆる場面で求められる企画をプレゼンテーションし、推進する力を身につけます。

マネジメント(運営・経営)では、企画を立て、社会において実現し、評価までの一連のプロセスを学び、常に変化する創造の現場としての社会にアートやデザインを機能させる力を獲得します。

これら「3本の柱」を総合的・実践的に学ぶために、プロジェクト型授業「アーツプロジェクト」を設置しています。専任教員が各自の専門性と関連づけ、美術館や学校、企業、自治体といった学外の諸機関や地域との連携をベースに、独自のプログラムをデザインします。また、「表象文化論」や「美術史」をはじめとした理論科目を関心に応じて履修することで、芸術文化と社会の多様な関係性を学びます。

これら、全てのカリキュラムに、芸術文化を社会に「創造的」に活かす基本となる、「見る」「聞く」「読む」「話す」「書く」「作る」という、6つの行為を導入し、思考を促しています。

本学科の特徴として、卒業に必要な単位数内で学芸員資格の取得が可能であることが挙げられます。これにより、学芸員資格と合わせて、教員免許(中学校教諭一種〈美術〉、高等学校教諭一種〈美術〉〈工芸〉)の取得も可能です(「資格取得について」を参照のこと)

1年次

[芸術文化を社会で活かす基礎を育む]
理論と表現(実技)を通して、国内外の芸術文化の歴史や現状などを学び、芸術文化を社会で活かすための「基礎力」を育みます。「プランニング入門」「プランニング実践」「ミュゼオロジー入門」で、プランニングとミュゼオロジーの基礎を学び、「芸術文化学入門」「芸術文化特論Ⅰ」「デジタルデザイン基礎Ⅰ」「絵画 I」「彫刻 I」「西洋美術史概論」「ミュゼオロジーと生涯学習」「デザイン基礎」などを学びながら、「見る」「聞く」「読む」「話す」「書く」「作る」力を養います。

またグループによる活動、プレゼンテーション、制作などを通して、コミュニケーション能力を育みます。

2年次

[専門性の獲得に向けた研究と実践を行う]
「芸術文化学概説(アート&デザイン史概論)」でデザインやアートの歴史についての基礎的知識を得ると同時に、「マネジメント入門」「マネジメント実践」「ミュゼオロジーと保存」「ミュゼオロジーと教育」で、最新の知見を反映したマネジメントとミュゼオロジーの理論と、具体的な方法論を学ぶことで、基本的な専門性を獲得します。また、「デジタルデザイン基礎Ⅱ」「造形基礎」「展示基礎」を軸とし、「鑑賞プログラムデザイン」「空間デザイン」「映像デザイン」「絵画Ⅱ」「ドローイング/デザイン」「デジタルアーカイヴス」を選択的に履修することで、デザインや造形表現の理論的、実践的理解を深めます。

3年次

[自らの学びを選択し、専門性を追求する]
1・2年次で培った基礎力を基盤として、芸術文化を社会で活かすためのデザインを行うための理論と方法をより深く探求します。

「芸術文化研究」では、多領域にわたる芸術文化について、さまざまな角度から分析と研究を深め、「芸術文化特論Ⅱ」では、キュレーションやプロデュース、評論、教育、デザイン、マネジメントなどの分野で活躍する学科の卒業生から、実社会の中でどのように芸術文化と社会をつないでいるかを学びます。後期から始まるゼミでは、各自がテーマを設定し、研究を深化させ、4年次の卒業研究・制作につなげることで、各自の学びを選択し、専門性を追究します。

また、1・2年次、3年次前期までの「ミュゼオロジー」の学びを、後期から始まる「ミュゼオロジー実習Ⅰ」(実務実習・見学実習・特別講義)を通して、さらに深化させます。

4年次

[自分の研究を深め、社会に発信する]
3年次後半から始まったゼミを継続し、自分の研究テーマを掘り下げることで、社会に対する問題意識を一層明確にし、4年間の学びの集大成となる卒業研究・制作へと発展させ、社会への発信を行います。

卒業研究では、〈論文〉〈プロジェクト〉〈作品表現〉からひとつの形式を選択し、独自の問いを立て、先行研究を踏まえながら、客観的・批評的に調査・分析・考察し、社会に対して具体的な成果や展望を提起することが求められます。

4年間にわたるミュゼオロジーの学びの最終段階である「ミュゼオロジー実習」(館園実習)で、それまで学んできた理論を実体化し、芸術文化を社会で活かす役割を担う学芸員資格を取得します。