武蔵野美術大学の教育理念は、昭和4(1929)年10月30日、本学の前身である帝国美術学校の創立に由来するものです。

帝国美術学校の創立に寄与し、後にその経営と教育の中心となった金原省吾(開校時学監)の手記には「教養を有する美術家養成」と記されています。また、創立時の中心人物のひとり名取堯(開校時主事)の『武蔵野美術』(創立三〇周年記念特集)に寄せられた30年の回顧には、「人間が人間になる道は激しい鍛錬、たゆまざる精進の中にあって、放任の中にはない、その框(わく)を固定させず、しかも、放縦に任せず、真に人間的自由に達するような美術教育への願い」であると語られており、美術を技術的専門性だけではなく、総合的な人間形成をもって成るものと考えたのです。

このように、まさに人間的自由に達するために美術・デザインを追求することこそが、本学の教育理念であると言うことができ、国内美術大学では最大規模の造形教育の大学となった現在も、この教育理念を継承し堅持しています。

建学の精神・教育理念