木田拓也

木田拓也(きだ・たくや)
KIDA Takuya

専門
近代工芸史・デザイン史
History of Modern Craft and Design
所属
美学美術史
History of Art and Design
職位
教授
Professor
略歴
2017年4月着任
1970年石川県生まれ
早稲田大学第一文学部哲学科卒業
博士(文学)
研究テーマ
近代工芸史・デザイン史。工芸・デザインにおける日本的なもの、アジアや欧米との交流、手仕事の行方について。

東京国立近代美術館(1997-2017年)を経て現職。東京国立近代美術館で企画した主な展覧会に、「加藤土師萌」展 '99年、「昭和の桃山復興」展 '02年、「あかり:イサム・ノグチが作った光の彫刻」展 '03年、「日本のアール・ヌーヴォー 1900-1923」展 '05年、「原弘と東京国立近代美術館」展 '12年、「越境する日本人:工芸家が夢みたアジア1910s-1945」展 '12年、「東京オリンピック1964デザインプロジェクト」展 '13年、「大阪万博1970デザインプロジェクト」展 '15年、「ようこそ日本へ:1920-30年代のツーリズムとデザイン」展 '16年など。著書に、『工芸とナショナリズムの近代:「日本的なもの」の創出』吉川弘文館 '14年。日本の近代陶芸における伝統の形成を追跡し、博士論文「昭和の桃山復興:陶芸の近代、伝統の創出」(早稲田大学 '12年)で学位を取得した。
近年は、日本の近代における工芸とデザインについて、ナショナリズム、国家プロジェクト、国家イベントとの関係から捉え直し、日本の伝統や日本的なものについて探る。また、工芸とデザインをめぐる交流を欧米との関係だけでなくアジアとの交流から捉え直すとともに、21世紀の手仕事の行方にも関心を向けている。

Kida is a graduate of Waseda University’s Department of Literature (1993) and completed his doctorate degree (2012) at Waseda’s Faculty of Letters, Arts, and Sciences. As Curator at the Crafts Gallery of The National Museum of Modern Art, Tokyo (1997-2017), he organized exhibitions such as The Modern Revival of Momoyama Ceramics (2002), Japanese Crossing Borders: Asia as Dreamed by Craftspeople 1910s-1945 (2012), Design Project for the Tokyo 1964 Olympic Games (2013), Osaka Expo 70 Design Project (2015), Visit Japan: Tourism Promotion in the 1920s and 1930s (2016). Publications include Kogei to nashonarizumu no kindai [Craft and Nationalism in Modern Japan: Creating Japanese-ness] (Yoshikawa Kobunkan, 2014). Kida’s research focus is “Japanese-ness” in modern craft and design. Current projects explore the history of Japanese modern craft and design from a trans-national perspective, and explore prospects for Japanese handicraft in the 21stcentury.


現在の研究テーマについて

近年は、20世紀前半の日本と東アジアにおける工芸・デザインをめぐる交流に関心を向けており、科学研究費により「東アジア地域のデザインに見る交流に関する歴史的研究:中国、台湾、韓国、日本」(挑戦的萌芽研究、2011-2013年)、「20世紀前半の日本と中国・台湾・韓国とのデザイン/工芸の交流」(基盤研究C、2014-2016年)に取り組み、「越境する日本人:工芸家が夢みたアジア1910s-1945」展(2012年)や「ようこそ日本へ:1920-30年代のツーリズムとデザイン」展(2016年)などを企画した。現在は、日本的なものやナショナリズムを念頭におきながら、日本と東アジアとの交流を追跡するとともに、工芸との関係から日本のデザインの展開を捉え直し、21世紀の日本の手仕事の可能性について探る。

書籍・展覧会図録

01

02

03

04

05

06

07

08

  • 01 単著『工芸とナショナリズムの近代:「日本的なもの」の創出』吉川弘文館、2014年
  • 02 「ようこそ日本へ:1920-30年代のツーリズムとデザイン」展図録、2016年
  • 03 「大阪万博1970デザインプロジェクト」展図録、2015年
  • 04 「東京オリンピック1964デザインプロジェクト」展図録、2013年
  • 05 「越境する日本人:工芸家が夢みたアジア1910s-1945」展図録、2012年
  • 06 「原弘と東京国立近代美術館」展図録、2012年
  • 07 「あかり:イサム・ノグチが作った光の彫刻」展図録、2003年
  • 08 「昭和の桃山復興:陶芸近代化の転換点」展図録、2002年

近年の主要論文

  • 「現代工芸とデザインの地平:クレイワークとうつわ」『現代アート10講』武蔵野美術大学出版局、176-193頁、2017年4月。
  • 「大連における中国陶磁の研究:大正期の小森忍と匋雅会のネットワーク」『東京国立近代美術館研究紀要』第21号、6-34頁、2017年3月。
  • 「工芸家夢想中的亜州」『東北亜外語研究』Vol. 4, No.2, Jun. 2016, 10-18頁(宋剛訳)。
  • 「万博にみられる日本陶磁の正統:フィラデルフィア万博(1876年)とパリ万博(1878年)における日本陶磁史のプレゼンテーション」『ジャポニスム研究第35号別冊』ジャポニスム学会、67-76頁、2016年3月。
  • 「ようこそ日本へ:日本の『自画像』としての観光ポスター」『ようこそ日本へ 1920-30年代のツーリズムとデザイン』展図録、6-10頁、2016年1月。
  • 「亀倉雄策における『日本的なもの』:東京オリンピックのデザインワークから見えてくるもの」『生誕100年亀倉雄策展』図録、新潟県立万代島美術館、2015年7月、71-75頁。
  • 「大阪万博1970デザインプロジェクト:「人類の進歩と調和」をめざして」『大阪万博1970デザインプロジェクト』展図録、11-15頁、2015年3月。
  • 「板谷波山がめざしたもの」『出光美術館館報』第167号、4-27頁、2014年5月。
  • 「社会のなかのオリンピック、そのなかのアートとデザイン」『社会システム〈芸術〉とその変容:現代における視覚文化/美術の理論構築』科学研究費補助金基盤研究(A)報告書、62-70頁、2014年3月。
  • 「渡辺素舟と昭和初期の『工芸美術』」『叢書・近代日本のデザイン』第52巻 ゆまに書房、281-286頁、2013年10月。
  • 「ミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザイン1956-2008:工芸/CRAFTの行方」『東京国立近代美術館研究紀要』第17号、34-47頁、2013年3月。
  • 「大河内正敏と奥田誠一 陶磁器研究会/彩壺会/東洋陶磁研究所:大正期を中心に」『東洋陶磁』第42号、15-35頁、2013年3月。
  • 「東京オリンピック1964 そのデザインワークにおける「日本的なもの」」『東京オリンピック1964 デザインプロジェクト』展図録、8-14頁、2013年。
  • 「『无型』の誕生:新興工芸運動の旗手たち(1)、(2)」『叢書・近代日本のデザイン44、45』ゆまに書房、273-276頁、413-416頁、2012年7月。
  • 「実在工芸美術会:『用即美』」「『工人社』のあゆみ」『叢書・近代日本のデザイン46』ゆまに書房、141-144頁、145-148頁、2012年7月。
  • 「工芸家が夢みたアジア:工芸の「アジア主義」」『越境する日本人:工芸家が夢みたアジア1910s-1945』展図録、10-19頁、2012年4月。
  • 「東京国立近代美術館の杉浦非水旧蔵資料を整理して」『杉浦非水の作品および関連資料の分類体系とその整理方法に関する調査研究 研究成果報告書』26-28頁、2012年3月。
  • 「原弘と東京国立近代美術館:デザインワークを通して見えてくるもの」『原弘と東京国立近代美術館:デザインワークを通して見えてくるもの』展図録、8-14頁、2012年2月。
  • ‘Japanese Crafts and Cultural Exchange with the USA in the 1950s: Soft Power and John D. Rockefeller III during the Cold War ’, Journal of Design History, Vol. 25, No. 4, pp. 379-399, 2012.
  • 「国井喜太郎の固有工芸論:1930年代における『日本的なもの』とモダンデザイン」『デザイン史学』第9号、13-46頁、2011年7月。
  • 「増田三男 命ある模様を刻む」『増田三男 清爽の彫金:そして、富本憲吉』展カタログ、東京国立近代美術館・早稲田大学會津八一記念博物館、16-24頁、2011年5月。
  • 「『伝統工芸』と倣作:草創期の日本伝統工芸展の模索」『東京国立近代美術館研究紀要』第15号、23-46頁、2011年。