片岡真之介Kataoka Shinnosuke

作品写真:Trace —時間の軌跡—
作品写真:Trace —時間の軌跡—
作品写真:Trace —時間の軌跡—
作品写真:Trace —時間の軌跡—

Trace —時間の軌跡——Trace of time—

写真、映像(写真によるスライドショー)|アクリルパネル、銀塩プリント、インクジェットプリント、4KモニターPhoto, video|Acrylic panel , silver halide print, ink jet printing, 4K monitorH1000 × W4000mm H600 × W900mm × 5点、6min40sec

自分の作品は峠を走る自転車の写真だ。この写真の美しさは、自転車が描く光の軌跡と、それと対比するように静寂感を宿した峠にある。さらに、この写真は自転車の「走る」という本質と深く結び付いている。峠を登るには苦しみを伴う。
だが、そうまでしても人々が求めるのが「タイム」である。タイムには絶対的な価値がある。しかし、それはただの数字だ。「Trace」はこの数字に取って替わるものとして、峠を走ったという記録を表現する。

片岡真之介

作者は自らを写真家ではなく「自転車表現家」と称しています。自転車競技では、結果が「タイム」という数字で示されるだけです。彼はその走行をもっと別な形で表す手段として、写真を選びました。夜の峠道を駆け上がる彼の競技用自転車が描く複雑な光跡は、感覚的表現にも見えますが、実は車輪の回転数や LEDライトの点滅タイミングといった数学的な根拠の重なりです。論理と感覚を横断するような魅力が、ここに現われています。

デザイン情報学科教授 佐藤淳一

木谷優Kiya Yu

作品写真:TSURUSHI—庶民の雛人形・雛のつるし飾り—
作品写真:TSURUSHI—庶民の雛人形・雛のつるし飾り—
作品写真:TSURUSHI—庶民の雛人形・雛のつるし飾り—

TSURUSHI
—庶民の雛人形・雛のつるし飾り—TSURUSHI —Hina Dolls of the common people・Hanging doll decorations—

本|紙、縮緬Paper, crepeH257 × W158.8mm H1400mm Book

つるし飾りとは江戸時代後期から存在する、高価な雛人形の購入が困難であった庶民が娘の初節句の為に着物の端切れなどで作った雛人形である。個々の飾りには娘の成長を願う様々な意味が込められている。近年再び目にする機会が多くなったつるし飾りへの理解を深めてもらえるよう、つるし飾りを実際作ることを通し、作り方・型紙、そして日本三大つるし飾りの一つである静岡の稲取の方に実際にお伺いした話を一冊の書籍にまとめた。

木谷優

春先の山形で雛壇をしつらえた家々を巡り、徳川美術館で恒例となった将軍家の姫たちのための雛人形公開に駆けつけることもできます。でも、よりカジュアルな雛のつるし飾りはあまり残っていない。木谷さんはわずかな資料をもとに、祖母の協力も得て、つるし飾りを一つひとつ手作りしたのです。手は人を裏切りません。古布や端切れが雅かつ今日的なつるし飾りとして甦り、そのプロセスが見事な書籍に——。デザインによる習俗復元の一例と言えるでしょう。

デザイン情報学科教授 森山明子

広瀬由佳莉Hirose Yukari

作品写真:「おもてなし」と「箸置き」 —箸置きから日本のおもてなし文化を知る—
作品写真:「おもてなし」と「箸置き」 —箸置きから日本のおもてなし文化を知る—
作品写真:「おもてなし」と「箸置き」 —箸置きから日本のおもてなし文化を知る—
作品写真:「おもてなし」と「箸置き」 —箸置きから日本のおもてなし文化を知る—
作品写真:「おもてなし」と「箸置き」 —箸置きから日本のおもてなし文化を知る—

「おもてなし」と「箸置き」 —箸置きから日本のおもてなし文化を知る—“Omotenashi” & “Hashioki”—Knowing hospitality culture of Japan from chopstic rest—

本|紙、蛇腹折りBook|Paper, bellows foldH257 × W182mm

箸置きは日本独自の文化であるということをご存知でしょうか。今回はそんな箸置きに着目して、日本のおもてなし文化を考える一冊の本を作りました。着物の帯をイメージしたスリーブと、日本の屏風を意識した蛇腹本には、英語版も用意されています。小さなところにまで行き渡るおもてなしの心の良さを、改めて知るきっかけになれば幸いです。

広瀬由佳莉

わが家には箸置きがなかった.広瀬さんはそんな体験に発し、文献に分け入り、老舗旅館を訪ねて、日本語と英語 2冊の折り本を制作しました。研究が手薄な箸置きという着眼が秀逸で、編集も魅力的。日英文は和食の無形文化遺産登録に花を添えます。日本には「直会=なおらい」という文化がありました。神事の後、人々が平常にかえるために「御神酒=おみき」や「神饌=しんせん」をいただく酒宴またはその神酒・神饌を指し、箸置きはそこに登場するのです。

デザイン情報学科教授 森山明子