本学学生の賃貸住戸リノベーション設計作品が『新建築』2021年2月号に掲載

一色淳之介さん(建築学科4年/高橋スタジオ)、西津尚紀さん(建築学科4年/布施スタジオ)、長谷川ゆいさん(建築学科4年/長谷川スタジオ)の貸住戸リノベーション設計作品「PLOT SHINJO」が、『新建築』2021年2月号(2021年2月4日発売/新建築社)に掲載されました。

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学生がものづくりや建築設計を介して街に関わっていく「MUSA-BUILDプロジェクト」
このプロジェクトは武蔵野美術大学建築学科高橋・針谷スタジオの設計計画Ⅲ「都市の環境単位」(2019)において、武蔵新城を対象敷地とした設計のまちなか講評会を行い、それに参加した物件オーナーや地域の建築家・施工者と、武蔵新城に魅力を感じた有志学生が知り合ったことをきっかけに始まりました。
ものづくりや建築設計を通して、街に第三者的目線を持った学生が介入していくことで今までにない武蔵新城の街や建築のあり方、人の関わりを生み出していこうという試みを行っています。
この度、このプロジェクトの第一号として、マンションの一住戸をリノベーションした作品が新建築に掲載されています。また、このプロジェクトは継続的に活動しておりHP、SNS等で今後生み出される作品や活動も随時発表していく予定です。

「PLOT SHINJO」(第1号作品、作品説明)
経済原理に従い物事が形づくられる現代において、住宅もそのシステムに組み込まれた結果、賃貸住宅はどの街でも同じ建ち方、間取りであることが多い。あまりに土着性を失った空間は、住み手に「この街に住んでいる」実感を与えない。そこでわれわれは、街と連続する環境単位として、賃貸住戸を提案し解決できないかと考え、その手がかりを探してフィールドワークを行なった。
すると街では、人びとが路地のズレや段差、ブロック塀などを巧みに使い生活を豊かにしている様子が見られるなど、この街ならではの風景を発見することができた。そこでわれわれは、街の風景の集積の中から空間の分節とその空間に質を与えている要素を「ズレ,微地形,素材」に分類し、住戸に「PLOT」する計画とした。
路地のように折れ曲がった廊下は視線の行き止まりや、用途が曖昧な空間をつくる(ズレ)。段差によって空間を仕切り(微地形)、同時にポリカーボネート波板やコンクリートブロック、ネットフェンスを用いることで生まれるアフォーダンスや光の変化(素材)は、街で新たな発見をするように住み手にさまざまな空間の使い方を促す。これら「PLOT」された要素が、賃貸住戸と街内外のつながりを連続的なものとすると同時に、素材の物質性が住まい手と呼応する空間を目指した。

写真:鳥村鋼一

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