留学生の修学環境整備費の新設について

武蔵野美術大学では次年度より「留学生修学環境整備費」*を新設し、留学生の方々には、そのご負担をお願いすることと致しました。多くの美術大学の中からこれまで以上に本学を選んで頂けますよう、留学生の修学環境について引き続き改善を図って参ります。
*2025年度入学の外国人留学生より入学時に在留資格が「留学」である方は、修学環境の整備に関する諸費用相当分として留学生修学環境整備費(年間363,000円)を納入いただきます。

本学は、前身である帝国美術学校の頃より東アジアをはじめとする国々から留学生を受け入れてきました。当時も今も、魅力ある授業や制作環境を提供するため、施設設備などのハード面だけでなく、特に指導支援体制などのソフト面に注力しながら、各時代に相応しい留学生のための修学環境整備に取り組んで参りました。
1994年本学最初の国際交流協定を中国の美術大学と締結したのを皮切りに、世界各国を代表する美術・デザイン高等教育機関と様々な方法で積極的に国際交流に取り組んできました(現在、国際交流協定校20カ国37校、交流校19カ国28校)。2012年には文部科学省「グローバル人材育成プログラム」において、芸術系大学で唯一採択校に選ばれるなど、本学に学ぶ学生の視座を世界に広げる環境づくりに努めています。
国際化が特別なことではなくなってきた現在、本年度2024年度には700名を超える留学生が制作や研究に励んでいます。留学生数の増加にともない、修学環境整備や教育研究支援、在留資格の取得・更新や在籍確認など、本学に求められる責務も多様化しており、受け入れ態勢を整備して参りました。以下はその一例となります。

  • 留学生対応
    事務組織内に留学生を担当する職員を配し、留学生オリエンテーションや面談を実施。また、言語対応も含めて窓口の支援体制を強化し、学生生活における円滑な支援のみならず、学内外での諸問題への可能な限りの支援を実施。
  • 奨学金制度
    留学生の修学支援として本学独自の奨学金制度を設置。
  • 留学生向け教育プログラム
    能力やニーズに応じた留学生向けの日本語授業や日本事情に関する授業を実施。
  • キャリア支援
    留学生の日本国内での就職を目的としたキャリアガイダンス、早い段階での就活スタートプログラムなどを展開し、在学中及び卒業後の就職活動サポートを実施。
  • 適切な受入れ及び在籍管理
    留学生が適切に在留資格要件を満たせるよう、授業出欠や学業成績、資格外活動を把握し改善対応を実施。

本学は2029年に創立100周年を、その翌年には留学生受け入れ100年を迎えます。次の100年に向けても留学生受け入れの伝統を堅持し、様々な課題に直面しつつも果敢に挑戦し続ける留学生のみなさんに寄り添い、更にきめ細やかで継続的な対応や支援ができるよう強い使命感を持って取り組んで参ります。具体的には以下の事項を留学生のニーズを反映させながら、2025年度より段階的に実施して参ります。

  1. 留学生対応
    ・学生支援グループ内に留学生専用窓口を新設。
    ・新入生の面談拡充、生活に関する情報提供、緊急時サポート対応を強化。
  2. 奨学金制度
    ・経済力や為替レートなど国の状況を考慮したうえで成績優秀かつ経済的に困難な留学生に向けた奨学金を新設。
    ・既存の私費留学生奨学金制度の対象人数を増やすなど支援の裾野を拡充。
  3. 留学生向け教育プログラム
    ・オリエンテーションなど日本での生活や学習の基本を学ぶプログラムを拡充。
    ・日本語及び日本理解を深める授業を拡充。
    ・ビジネス日本語レベルの向上を目指した啓発プログラムや各種講座を実施。
  4. キャリア支援
    ・インターンシップや就職活動のサポートの拡充、就職情報提供の強化。
    ・留学生に向けた多様なキャリア支援情報の中から有益な情報を積極的に提供。
  5. 適切な受入れ及び在籍管理
    ・在留資格手続きなどの円滑化に向けたサービスを強化。

引き続き、本学の教育・研究活動、国際教育の推進にご理解を賜り、一層のご支援ご協力をお願い申し上げます。

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