「文化的に生きる権利」の立脚点と現在地、そして未来

日程 2021年12月8日(水)
20:00-21:30
場所 オンライン開催

志田陽子教授(教養文化・学芸員課程研究室)が司会を務めるトークイベントのお知らせ。お申込み等、詳細は以下のリンク先をご参照ください。

「文化的に生きる権利」の立脚点と現在地、そして未来

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中村美帆(文化政策研究)× 志田陽子(聞き手)(憲法・芸術関連法)

文化政策論と憲法論にまたがる分野で精力的な研究を続けている中村美帆氏をゲストに迎えます。
2021年も、芸術文化と生活文化の両面で、コロナの深刻な影響が続きました。一方には舞台演劇やコンサートが開催できない、そのことを補う支援も不足している、といった問題があり、もう一方には、コロナ以前から日本の文化芸術に生じてきた、《支援の中の自由をどう確保するか》という問題があります。
そうした中で本書は、コロナ禍で一見不急なものと見られがちな文化芸術が、社会の持続のために必須のものであることを見直し、これを支えるための法的な根拠を、憲法25条に求めています。日本国憲法25条は、「健康で文化的な最低限度の生活」を定めた条文です。
なぜ、25条なのか。そこには、文化芸術を私たちの生活・生存と切り離せないものと位置付ける著者の強い姿勢があるように思います。
今、文化芸術が私たちに与えてくれる想像力は、社会のライフラインとなりつつあります。社会は、理性だけではなかなか成り立たず、そこに人間社会らしい「つながり感」を作り出すことが必要で、文化的な営みはそのために必須の要素です。コロナ禍は、このことを炙り出したといえるでしょう。
そのような文化芸術の位置づけは、見失われやすいからこそ論じる必要のあるテーマです。文化芸術と市民生活について、憲法に託された役割は何か。お話を伺います。

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