フィルム・キュレーション「エッセイフィルムとヴァナキュラー」

日程 2023年10月22日(日)
12:00-17:30
場所 武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパス 2F展示スペース

本学と東京藝術大学大学院映像研究科 ノンディグリー・プログラム「RAM Association」の共同研究によるイベントを市ヶ谷キャンパスで開催します。企画者の一人である加藤幸治教授(教養文化・学芸員課程)が登壇します。
参加をご希望の方はフォームよりお申込みください。

フィルム・キュレーション「エッセイフィルムとヴァナキュラー」

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開催趣旨(一部抜粋):
フィルム・キュレーションとは、ミュージアム等が厳選したフィルムを収集・保存・ドキュメンテーション化し、上映・展示により映像群の再解釈を行う、という意味の言葉です。本企画では従来の収集された作品の系譜に、デジタルでの映像記録文化を新たに加えるべく、近年制作された映像を上映・展示します。
今回取り上げた3作品は、「エッセイフィルムとヴァナキュラー」という視点で選ばれています。ヴァナキュラーとは、ひとことで言えば「人々の生活から生まれた」固有な文化ということであり、単語を直訳すれば「土着の」という意味になりますが、「その土地ならではの」とか「生活文化から生まれた」とか、「その社会に特有な」と言えば、しっくりくるかもしれません。エッセイフィルムには、はっきりとした定義はありませんが、作家や演者の内省的な声が映像の中に入り込みます。作者の声には、作者の内言による内的対話があり、私と私自身という他者を含意しています。この他者が作者に限らず、能動的な鑑賞者を意味していることも重要です。作者は映像や音声とテクストの間に、表現上の相互作用を見出すことで作品固有の造形を空間的に模索していくことになります。そして、鑑賞者は作品の造形を読み解くプロセスに参加し思考することで対話を促されるのです。 この二つのキーワードが重なる映像を上映・展示いたします。

上演作品とスケジュール:

12:05-12:41 鈴木光監督/『安楽島』36分/デジタル/2012年
12:45-14:14 佐々木友輔監督/『コールヒストリー』89分/デジタル/2019年
14:20-15:10 岩崎孝正監督/『自然と兆候/4つの詩から』50分/2015
15:30-17:30 OPEN LECTURE # 19「エッセイフィルムとヴァナキュラー」
登壇者:
加藤幸治(民俗学者|武蔵野美術大学教養文化・学芸員課程教授)
鈴木光(映像作家|東京藝術大学大学院映像研究科博士課程)
松浦昇(東京藝術大学大学院映像研究科ゲスト講師)

主催:
東京藝術大学大学院映像研究科(博士課程・RAM Association)
武蔵野美術大学共同研究「美術大学における民俗資料の活用をめぐる基礎的研究」
協力:
コ本や honkbooks

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