対話型鑑賞(作品鑑賞)―みて、はなして、深めよう

学生が制作した作品を学校に持ち込み、作品を前に子どもたちと対話しながら鑑賞を行います。旅ムサではこの活動を「対話型鑑賞」と呼び、ゲストティーチャーとして授業を実施しています。
学生は「ファシリテーター*」「作者」「タイムキーパー」の三役に分かれ鑑賞を進めます。「ファシリテーター」が進行役となり、子どもたちが作品を見て感じたことや考えたことを引き出し、発言を共有しながら、それぞれの印象や疑問を通して作品の意味などについて考えさせていきます。その後「作者」が登場し、制作意図を話したり、質問に答えたりしながら鑑賞を深めていきます。
本物の作品を鑑賞し、自由に発言したり作者の考えを聞いたりすることを通して、美術の多様な価値観や考え方に出会い、創造的な感性を広げていく場です。学校現場における言語活動の充実やアクティブラーニングなどの視点からも、重要視している取り組みの一つです。

*体験学習や会議などにおいて、物事を中立な立場で促進させる者のこと。

対話型鑑賞(作品鑑賞)―みて、はなして、深めよう

対話型鑑賞(作品鑑賞)―みて、はなして、深めよう

対話型鑑賞(作品鑑賞)―みて、はなして、深めよう

対話型鑑賞(作品鑑賞)―みて、はなして、深めよう

参加学生より

薄羽由実子(油絵学科油絵専攻2年)

「美術との距離が縮まる」
これまでの活動の中で印象的だったのは、ある中学校での鑑賞の授業です。対話型鑑賞後、自由鑑賞の時間に自らが鑑賞した作品を友人に紹介し、「作者さんはこう話していたけれど、自分は~」と自分の考えまでもを乗せて伝えている姿に感動しました。その姿は、鑑賞前とは比べ物にならないほどに生き生きとしていて、生徒達と美術との心の距離が縮まったと実感しました。友人達と意見を交わしながら鑑賞をするというのは、自らの意思、感じたことの尊さを知る貴重な時間になっているのではないかと思っています。

画像:薄羽由実子

黒板ジャック

黒板ジャックは、2011年に東京都立府中西高校の活動に参加した学生の「ムサビ生が来ていることをインパクトのある方法で知らせたい」という思いから発案されました。
子どもたちに内緒で制作した個性豊かな黒板の絵が登校してくる彼らを驚かせ、いつもの教室を「非日常」に変化させます。黒板ジャックを目にした子どもたちは「なにこれ!」「どうやって描いたんだろう」と話したり、隣の教室の黒板を見に行ったりと様々な反応を見せてくれます。絵は始業時間前に消され、教室は「日常」に戻ります。短い時間の出来事ですが、子どもたちがその日を新鮮な感覚で過ごし、その驚きとともに美術への関心を引き出す活動です。

黒板ジャック

黒板ジャック

黒板ジャック

黒板ジャックの活動のながれ

黒板ジャックは、主に授業のない休日に学生が学校を訪れ制作しています。また黒板ジャックを公開する当日にも学生が学校に出向き、児童生徒の皆さんと交流しながら黒板の絵の鑑賞を行っています。

[制作日]
黒板ジャック
土曜日や日曜日などの休日を利用し、通常7時間から8時間かけて制作しています。多くの場合は学生1名が1枚の黒板を担当します。

[お披露目]
黒板ジャック
黒板ジャックの公開日にも学生が学校へ伺います。朝の活動の時間などを使い、児童生徒の皆さんと交流しながら黒板の絵の鑑賞を行っています。

参加学生より

杉山敦美(空間演出デザイン学科2年)

「今後に活かせる経験」
私は黒板ジャックのリーダーを2回ほどやらせていただきました。最初にリーダーをやった時の企画は、依頼があった施設からの要望と、旅ムサができることとの最大公約数を出すために、施設の方と何度も何度もメールでのやり取りをしてとても大変でした。その企画が終わって少しした頃、喜びの内容のメールをいただき、幸せな気持ちになったのと同時に、その後の様子を伝えていただけたことにとても喜びを感じました。リーダーの仕事は大変な面もありますが、そういった面も含め、今後社会に出ても活かせる経験をしたなと感じています。

画像:杉山敦美

旅ムサステイ

学生が旅先に1週間から2週間程度滞在しながら、小学校などの施設を借りて作品制作を行い、作品展示や鑑賞授業、黒板ジャックなどをしてくる試みです。現地の方にお世話になり生活しながら、その場所の自然や食などの様々な文化に触れ制作をする経験はとても貴重なものです。2017年の夏には、北海道、鳥取県、長崎県、鹿児島県で旅ムサステイを実施しました。

旅ムサステイ

旅ムサステイ

旅ムサステイ

参加学生より

團上祐志(油絵学科油絵専攻4年)

「美術を持って旅をする」
奄美大島での活動は10日間現地に滞在をし、自然と文化を受けそこで制作しワークショップへと発展させる流動的なプロジェクト。その土地や人々と対話をしながら、公開制作をすることにより、作品をつくることで世界と繋がるような感覚を覚えました。その中でも印象的な出来事があって、それは、私たちが奄美の海の絵を見せたとき、それを見て子どもたちが真似をして一斉に絵を描き出しちゃったこと!私たちが滞在を通して得たことを、子どもたちがすっと受け取ってくれたように思いました。美術を通して、私たちがどれだけ感性を広げる瞬間に出会えるか。旅するムサビの醍醐味だと思います。

画像:團上祐志

公開制作

学校の空き教室をアトリエとして借り、学生が居候しながら制作を行います。教室には休み時間や放課後に子どもたちが訪れ、様々な交流が生まれます。学生が悩みながらも制作に向かう姿勢や、日に日にできあがっていく作品、学生との会話などを通して、普段の授業とは異なる角度から美術に出会う機会です。

公開制作

公開制作

公開制作

ワークショップ

旅ムサの造形ワークショップは、学科も学年も違う学生がそれぞれの専門性を活かし企画・運営しています。造形活動を楽しんでもらうことはもちろん、それぞれの現場で抱えている想いや、課題に向き合うための手立てとして、学校や美術館、地域の方と連携しながら様々なワークショップに取り組んでいます。一方的にレクチャーをするのではなく、参加者と学生が共に刺激しあいながら双方向に学びあう場です。

ワークショップ

ワークショップ

ワークショップ

ワークショップ