市川ひとみ・岸田真智子Ichikawa Hitomi, Kishida Machiko

resonate

ファッションパフォーマンス|籾殻、布Fashion performance|rice husks, clothH4000 × W9600 × D4800mm

かつて、時代が大きくシフトする瞬間を生きていた人々は未来を追い求める力強いパワーやエネルギーを持っていた。

その時代の感覚や生き様に感化され
現代のものに溢れ、選択の自由を与えられた私たちの時代の向かう先を見出し、生きていく。

市川ひとみ・岸田真智子

現代のファッションは、社会における性、ヒエラルキーそれらドグマの犠牲者である。ターゲットを合わせアグレッシブな時間軸で次々と新しい物を考案し、ビジネスの支配の中で、贅沢をちりばめたもので客を釣り上げようとすることのほうに忙しい。21世紀のファッションは、このまま成功したビジネスの犠牲者となり、本来の美しさを表現するための伝達手段であることは置き去りにしてしまうのか?
市川と岸田のコラボレーションにその疑問の答えがあったように思う。ボリューム、クオリティー、色、本来コンテンポラリーファッションにあるべきものだと思えた。緻密で骨の折れる作業は仕上げるためではなく、作業そのものを愛する姿勢による。作品はマーケティングギミックにディテールを足していったものではなく、必要なボリューム、色、必要とされる重力、透明感、反射、不可欠なものに限られている。表現の浪費を上手く避けた質素なスタンスは、美しい。この10年という間の贅沢を類似したファッションとは遠く離れた本質的現代の表現がそこにはあった。アヴァンギャルドではない。シニカルでもない。成熟したものだ。それらは努力と自信によるものだった。

空間演出デザイン学科教授 パトリック・ライアン

永井宏武Nagai Hiromu

In the Liquid

インスタレーション|水、オイル、ポリマー、アクリルInstallation art|water, oil, polymer, acrylic materialH2700 × W5000 × D5000mm

「水」をテーマに制作は始まる。
だが、人はすでに多くの水の表情を目にしている。
新たなる水の表情を見つけ出すために注目したのは
液体の中にある水であった。
水の動きは気体の中と液体の中では異なった。
「液体の中」
そこには 密度、結合、分離、光の屈折 といった世界があった。
そして新たな水の表情がここで発見され発展していく。

永井宏武

「液体の中の液体」というタイトルに、この作品に込めた全ての怨念が凝縮されている。
普通なら水と油のディスプレーは安物の玩具になってしまうのだが、永井の液体に対する偏愛はそれを遥かに超越している。
それぞれに異なる6種類の液体とその動きの表情は偶然できたものではない。水道工事士のように果てしない漏水と戦い、時に危険な液体と寝食を共にした末の代償だ。6本のシリンダーをまとめる物語さえあれば、なお強く感動させられたに違いない。

空間演出デザイン学科教授 面出薫