志田陽子教授が東京新聞「新聞報道のあり方委員会」に参加した様子が記事として掲載されました

志田陽子教授(教養文化・学芸員課程)が東京新聞「新聞報道のあり方委員会」に参加し、その様子が、東京新聞の紙面に掲載されました(2023年4月6日掲載)。志田教授は、とくに「表現の自由」に関連する法学を専門領域としていることから、東京新聞「新聞報道のあり方委員会」の委員を務めています。

東京新聞「新聞報道のあり方委員会」*この紙面画像は著作権に配慮して、拡大すると文字が荒れる解像度になっています

(記事より)
東京新聞は「新聞報道のあり方委員会」第43回全体会議を3月23日に開催した。昨年秋から今年春までの本紙報道の中から、岸田政権による政策転換、東京で起きていること、民主主義などをテーマに、4人の委員が議論。本紙からは編集局長らが出席した。

志田陽子教授 発言部分 一部抜粋
志田さん 担い手育てる視点を
専守防衛から離れていく危険性や、抑止力論の幻想を国民に知らせることが大切だ。一方で知らせようにも議論がない、情報が取れない問題は深刻。今年一月二十五日朝刊「安保3文書検討『黒塗り』」は、真っ黒の開示文書の写真が大きく出ていてインパクトがある。国民の知る権利に応えるはずの情報公開制度が、特定秘密保護法によっていかに骨抜きになっているかがよく分かる。
二月三日朝刊「岸田首相、なぜ防衛費をあげますか」という小学生の質問に、三月七日朝刊「ゼロ回答」の記事。こうした素朴な声を社会に伝えるのは大事。これを機に教育現場に圧力がないかということも丁寧にウオッチしてほしい。

民主主義を森に例えると、今の日本は森の中で枯れかけた大木が乱立し、光を遮って若木に光が当たらない状態。若木が枯れないよう、報道で光を当てる「まちかどの民主主義」は良い試みだ。連載で注目した言葉が、元日朝刊の見出し「初めの一歩は」。主権者教育とは選挙制度を教えることだけではなく、自分の頭で判断する思考態度を身に付けさせること。初めの一歩に民主主義の担い手を育てる視点は、文化としての民主主義を耕す役割を果たすと思う。

LGBTQの人権問題は、当事者の声を丁寧に拾うスタンスと、世界が今どうなってるかという広い視野の両面がある。先進七カ国(G7)のうち日本を除く六カ国と欧州連合(EU)の駐日大使が、LGBTQの人権を守る法整備を促す書簡をまとめたという報道(三月十六日朝刊)は、世界が日本をどう見ているかを知らせる大変いい記事だった。日本政府がどう受け止めるか、続報をお願いしたい。


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