2016年の春、50年の歴史をもつ鷹の台キャンパスが生まれ変わりました。
この度、キャンパスを東西に横断するかたちで都市計画道路がつくられることになり、道路用地にある工房を移転し新しいデザイン工房棟が建設されました。そして2016年4月より、工芸工業デザイン学科を中心としたデザイン系の授業がその新しい工房で始まりました。
今回の工事では、ランドスケープを特徴づけていた体育館前の大きなけやきの木々の移植が行われ、豊かな緑を継承した新しいキャンパスで次の50年がスタートしました。
新しい鷹の台キャンパス
それぞれ特色のある、南と北ふたつのキャンパスに分かれます。
敷地面積 | 主な施設 | |
---|---|---|
北キャンパス | 37,730.30m² | ・14号館(デザイン工房棟) ・地下展示棟 ・守衛室 ・体育館 ・運動用具庫 ・11号館 ・共彫倉庫 ・廃棄物集積場 ・グラウンド ・テニス場 ・遮音壁 ほか |
南キャンパス | 72,310.29m² | ・1~10,12,13号館 ・美術館・図書館 ・鷹の台ホール ・地下出入口 ・守衛室 ・廃棄物集積場 ほか |
南北キャンパス 合計 | 110,040.59m² |
新設道路(小平3・3・3号線)
体育館前には横断歩道ができる予定です。その両端にはふたつの新しい門(北中央門、南中央門)がつくられます。
横断歩道の西側には地下通路ができ、大学専用で使える大事な南北動線となります。14号館の地下1階及び地下展示棟と、南キャンパスの地下出入口を地下通路が結び、さらに12号館の地下1階まで連続します。エレベーターや大階段等の設置により、物の運搬や大人数でのスムーズな移動が可能となります。
*道路は予想図であり、完成したものとは異なる場合があります。
14号館(デザイン工房棟)概要
建物概要
- 延床面積 14号館(デザイン工房棟)|約10,749m²、 地下展示棟|約469m²、 地下通路|約179m²
- 最高高さ 14.95m
4階:インダストリアルデザインコース
3階:クラフトデザインコース(金工専攻)、共通デザイン
2階:クラフトデザインコース(陶磁専攻・ガラス専攻・木工専攻)、インテリアデザイン研究室
1階:クラフトデザインコース(木工専攻・金工専攻・ガラス専攻)、共通デザイン
地下1階:機械室、展示棟(展示室・連絡通路)、地下通路
建物の特徴
- 中廊下で分かれる2種類の工房空間
・「機能工房」(北側・東側):12mスパンの無柱空間で、設備の更新や重装備化が自由にできる
・「環境工房」(南側・西側):ガラスの小部屋を点在させ、緑や風を体感的に取り込むことができる - ソーラーチムニー*の積極的な活用により、工房の作業環境を可能な限り自然の力で維持できる環境技術の導入
*チムニーは煙突のこと。煙突効果で上昇気流をおこし室内換気を行う装置。 - 設備ダクトを外部にまで露出させ、工房の空気の流れを可視化した建物外観
- 高さ制限(15m)からくる低い階高でも必要な天井高を確保できる、ハイブリッドな構造体
景観づくりの方針
- 大学の歴史を刻む体育館前のケヤキ等を移植して生かすことで、“武蔵野の森”へと再構成します。
- 中央広場から体育館へと続く既存の南北軸上に横断歩道を配置して、“記憶の軸”として継承します。
- 新設道路沿いにベンチや植栽のある歩道状の空地を設けて、新たな人の流れに対応します。
- 騒音や人の移動のシミュレーションをもとに、周辺環境の変化に対応できるキャンパスを目指します。
完成までの様子
地下通路「ガレリア」
「春の特別課題」と題して、地下通路の正式名称を募集するイベントを行いました。2016年4月〜5月の間、学生・教職員など本学関係者を対象に募集・投票が行われ、200を越える応募作品の中から最も得票数の多い「ガレリア」が正式名称として決定しました。詳細は特設サイトをご覧ください。