東日本大震災のように大きな災害を経験すると、心身にさまざまな影響がみられることがわかっています。起こりうる影響とその対応方法を以下にご紹介します。

不安と緊張

不安と緊張は、災害に対する一般的な反応です。先のことが心配でたまらない、眠れない、集中力がなくなる、驚きやすくなる、神経質になる、などの反応がおこります。また、心拍数の上昇、発汗などもおこります。

対応

日中にリラックスする時間をとりましょう。いろいろなリラクセーション法を試してみてください。気持ちが落ち着くと、眠ったり集中したりしやすくなります。気力も出てきます。

次の呼吸法を試してみましょう。

  1. 鼻からゆっくり息を吸ってください。胸からお腹まで、気持ちよく空気で満たします。
  2. 自分に語りかけましょう。「私のからだは静けさで満ちています」
  3. 口からゆっくり息をはいて、静かに肺を空っぽにします。
  4. やさしく自分に語りかけましょう。「私のからだは、ほぐれていきます」

これをゆったりと5回行います。必要なら、1日に何度でも行ってください。

自分の行動や反応を思い悩む、恥ずかしく思う

多くの人が、災害に対する強い反応を体験します。恐怖や不安、集中力の低下、自分の反応に対する恥の感情、罪悪感などが起こります。尋常でない出来事の直後にいろんな気持ちがわいてくるのは当たり前のことです。おかしなことではありません。

対応

  • 話せるときに、家族や信頼のおける友人と、これらの反応について話してみましょう。
  • 誰かに話を聞いてもらうときには、時と場所を選びましょう。あなたが感じていることを話していいか、相手に尋ねてください。
  • これらの反応は、誰にでも起こるものであること、おさまるには時間がかかるものであることを覚えておきましょう。
  • あなたが感じていることは、こういう場合にはありえることだし、「気が変になって」いるわけではないし、あなたは災害に何の責任もありません。そのことを覚えていてください。
  • 実際のところ何ができたのか、現実的に考え、自分を責めないようにしましょう。
  • これらの反応が1ヶ月以上続くようなら、専門的な援助を受けることを考えましょう。

睡眠

睡眠の問題は、災害後に起こりやすい問題です。極限状態にあり、生活ストレスや生活の変化を思い悩んでいるからです。そのため寝つきが悪くなったり、夜中にしょっちゅう目覚めたりすることがあります。

対応

  • 毎日同じ時間に寝るようにしましょう。
  • 夕方にカフェイン入りの飲み物を飲むのはやめましょう。
  • アルコールは控えましょう。
  • 日中の運動を増やしてください。
  • 就寝前にリラックスしましょう。
  • 昼寝は15分までにしてください。午後4時以降は昼寝をしないようにしましょう。

助けになること

  • 誰かに話して支えてもらう、そばにいてもらう
  • 気分転換をする(スポーツ、趣味、読書)
  • 十分な休養と、健康的な食事をとる
  • いつもの日課を維持するようつとめる
  • 適度な運動をする
  • 状況をよくするためにすぐにやれそうな、現実的なことに集中する
  • リラックスできることをする(呼吸法、瞑想、気分が落ち着く音楽を聴くなど)
  • 日記をつける

【サイコロジカル・ファーストエイド第2版より】

学生相談室からのお願い

  • ニュースなどを見続けると疲労することがあります。気分が重たくなったらニュースを消しましょう。
  • 「被災地の人はもっと辛いから我慢しなくちゃダメ」など、自分への批判の言葉が浮かんできたらストップしましょう。
  • 自分をいたわり、心にゆとりを取り戻しましょう。