日程 |
2014年11月15日(土)~2014年12月22日(月) 金・土・日・月曜日 13:00-19:00(月曜のみ20:00) |
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場所 | null、Gallery An Asukayama(東京都北区滝野川1-18-1-1F-01) |
関口翠さん(2013年油絵学科卒業)による個展のお知らせ。
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オープニング レセプション:11月15日(土)17:00-19:00
パフォーマンス:12月7日(月)15:00-16:00
このたび、GalleryAn Asukayama|ギャラリアン アスカヤマは11月15日(土)~12月22日(月)まで、関口翠 個展 “潜在する事象 顕在する時間” を開催いたします。関口にとり初個展となる本展では新作絵画作品とそれら絵画と深い関わりのある素材から構成されるインスタレーション作品を発表いたします。そして会期中の12月7日(日)には作家自身によるライブ・パフォーマンスを行います。
関口は1988年 群馬県生まれ。武蔵野美術大学美術造形学部油絵学科を卒業し、現在は東京を拠点に作品制作を続けています。 2013年には 武蔵野美術大学と朝鮮大学校による合同企画展 “武蔵美×朝鮮大 「この場所にいるということ」” に参加し次世代の若手美術家としての存在感を示しました。
関口は幼少期の食物アレルギーにより身体的・心理的影響を受けます。「口にするもの」や「身に纏うもの」そして「生命」そのものに関心を持ち絵画を制作するうえでも、この原体験が深く関係していると言います。このことは単純な素材へのこだわりに留まらず創造の源泉となり現代絵画の可能性を探求する真摯な態度へ自然な繋がりを見せます。
大学在学中より試行錯誤を繰り返しながら、「身に纏うもの」と同素材である綿布や麻布を支持体に、「口にするもの」と同素材であるオリーブ油や亜麻仁油といったオイルを用い透明感のある比喩的な絵画作品を制作しています。制作過程においてはイメージを抽出するため画面と向き合う前に多くの時間を費やします。日常を俯瞰的に見ることによって様々な事象に対する盲目的な思い込みを外し事象を捉え直す作業を重ねます。一方、画面に向かうと作家自身の鋭い知覚により創造された人物や風景などのモチーフがオイルの柔らかな筆跡と滲みによって比較的短期間で表層化します。事前、事後の時間軸、現実とフィクションの風景を交錯させ制作された絵画は、日常垣間見ることのできる永続的でドラマ性を帯びた場面を駒切れにし、オイルの特性を生かし墨絵のような“永遠を一瞬に閉じ込める”といった日本的美意識にも繋がる特性を備えています。 また、絵画の永劫性に対し一瞬一瞬の移りゆく儚さが素材自体の経年変化と伴い画面に現れます。
鑑賞者は日常生活から隔てている芸術や諸文化の境界線を捉えた作品を前に、繁栄と衰退、そして混沌の対比が複雑に絡み合いながらも鮮明に現れた現代社会に人間観の再考を促されるでしょう。皆様のご高覧を心よりお待ち申し上げます。