漣の汽笛-REBORN-

日程 2018年11月16日(金)~2018年11月21日(水)
11:00-21:00 *18日は20:00まで *21日は18:00まで
場所 表参道ROCKET(東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ同潤館3F)

奥田祥吾さん(2008年大学院造形研究科デザイン専攻建築コース修了)の展覧会のお知らせ。

漣の汽笛-REBORN-

漣の汽笛-REBORN-

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ある日僕は、水平線をぼんやりと眺めていた。
すると鈍い音が突如、一海に響き渡る。
“ボー ボー”
船が二隻みえる。汽笛の主だろう
海風が吹き始める。南の方角からだろうか
長音・短音がこだまする。
“ボー ボォ” “ボー ボォ”
幾重にも重なる漣の音と融けあう
とめどなく連続し、粘着する透過性と不透過性の物質を身に纏いながら
海上は未だにヒカリで瞬いている。
それぞれの新しい航路が、今まさに始まろうとしている。

今回のギャラリー会場を覆うinstallation art「Feelings of the waves」は、投網や漂流瓶、シーグラスなどの海にまつわる材料と、小説やガラスの皿などの身近にある日常的な材料とで構成されています。
ギャラリー内部の光や風などの自然の特性を生かし、目には見えない隠されたポテンシャルを引き出し合うこと(=触媒すること)により、会場全体に新たな詩的空間としての息吹を与えています。

壁面には、晩年の菊竹清訓氏に提案した胎盤都市構想のconcept drawing「IMMORTALITY」、日本的精神性を形にしたrelief「KAZENO NAGISA」を始め、奥田氏による日常的に描かれる遊び心に満ちたスケッチや趣味で収集しているシーグラス(ガラス・陶器のカケラ)をオブジェとして見立てた作品「A piece of life/命の欠片」も同時に展示致します。

奥田氏は、建築家として活動する傍ら、環境芸術へと視野を広げる作家でもあります。
それは村野藤吾や今井兼次らの純粋な表現主義建築家の新たな後継を探る旅路であり、航路だとも奥田氏は語っています。
「私は普段から、設計活動と同等に創作活動に力を入れています。一見すると関係のない事のようにも見えますが、多くの作品が生活の一部として自然と生み出されるものです。
installationやrelief、drawingは私にとって、建築や空間に込められるメッセージの分身なのです。
鑑賞者がこの美術空間を体感しながら、それぞれのフィルターの中でほんの少しでもいい、言葉では言い表せない何かを感じとって頂ければ幸いです。」

プロフィール

建築家/作家 奥田祥吾
1983 東京都 出身
2006 日本大学 理工学部 海洋建築工学科 卒業
2008 武蔵野美術大学 大学院 造形研究科 建築コース 修了
2012 S.O.A.O 設立

奥田氏は設計において優等な成績で学業を収め、修行期間の後に独立。建築家として活動する傍ら、環境芸術へと視野を広げる作家でもあります。
幼少期から海や自然を愛し、アトリエに通う日々を過ごします。武蔵野美術大学 大学院時代から透明感のある独自の作風を確立し、院展などにおいて作品を発表し始めます。常に宇宙の神秘や自然の摂理に対して畏怖の念を持ち、深淵に沈吟した創作スタイルを続けています。一方で生み出す作品は明瞭で分かりやすい表現を心がけており、今後の創作活動の根底基盤にもなりつつ有ります。
2016年以降は都内を中心に様々な表現を駆使し実験的な個展も開催しています。
この度、表参道ROCKETにおいて作家としては初の本格的な展覧会を開催致します。
アトリエ建築家として、新たなスタイルを確立しつつある奥田祥吾氏の展覧会「漣の汽笛-REBORN-」是非ご覧下さい。

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