日本画基礎Ⅲ (人体)1年次

鳩山亜依

墨、胡粉、水干|H727 × W910mm

【日本画基礎Ⅲ】は、私たちにとってもっとも身近な存在である人体をテーマに描く1年次最後の授業です。この授業の前に開講される【絵画基礎Ⅰ】で学んだ人体デッサンを基本にして、人間の肉体、骨格の中から生まれるフォルムを発見し、それを取り巻く空間や構成を考えながら独自の表現につなげる力を養います。

この作品は、何気ない日常生活の中から構想し、人物の仕草や部屋の中のさまざまなものを構成して、主題となる人物の雰囲気を表現しています。つくられた日常ではあるものの、現実以上のリアリティを持つ表現となっています。

日本画基礎Ⅶ (人体制作または自由制作)〈進級制作〉2年次

宮城彩『ママゴト』

墨、水干、岩絵具、砂|H920 × W1820mm

進級制作と呼ばれる【日本画基礎Ⅶ】では、1・2年次の学びの成果をコンクール形式で発表し、講評会を行います。人体制作、自由制作のいずれかを選択し、2年間で養った基礎技術を生かしながら、与えられた課題から脱した自己の表現を探ります。また、自らの表現について論理的にプレゼンテーションする力も身につけていきます。

この作品は、食卓は此の世の現世であり、それに対して取り囲む周りは、彼の世の黄泉を示しているかのようです。 人間として当たり前の“ 食べる”という儘 (まま)の行為に作者は着想し、人間の“生きる”という此の世への執着心を、完全な物語性と自由な岩絵具の画面表現をもって描き出しています。

絵画実習Ⅴ・Ⅵ(自主制作)3年次

川上ゆうき『アンソフォビア』

雲肌和紙、水干絵具、岩絵具、胡粉|H1820 × W2730mm

9週間にわたる【絵画実習Ⅴ】【絵画実習Ⅵ】は、自己や社会と向き合い、自分にとっての絵画、日本画を問い直し、表現の可能性や方向性を考える大切な授業です。担当教員とコミュニケーションを重ねながら制作を進め、学内外に向けて発信する展覧会の企画・運営も担当するなど、制作から展示に至るまでのプロセスを実践的に学ぶこともできます。

「アンソフォビア」=“ 花恐怖症”と題されたこの作品は、作者自身がチューリップの花から着想を得たものです。あること(もの)に対して感じる、人間の心理学的および生理学的においての忌避=フォビアの表現を、作者がチューリップを擬人化することによって、コミカルとも取れる実に滑稽で不思議な表情を持つ大画面へと仕上げています。

卒業制作 4年次

田中愛美『●』

吉祥麻紙、水干絵具、岩絵具|H2100 × W3300mm

女子高生の屍が、閉鎖された空間にうず高く積み上げられている表現は、会田誠の作品を連想させますが、作者自身の内的な問題が描かれています。個人的なことからつくられた作品ではあるものの、同時代の閉塞感がよく表現されています。