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平野綾

高校の美術部で小瓶に入った絵の具の美しさに感動し、日本画学科を志望しました。入学して最初は和紙や岩絵の具など、素材や道具の使い方に慣れることが中心の授業になります。そのため、日本画の道具を使うのは楽しかったけれど、“ 使わなければ”という、どこか縛られている感がありました。そこで、1年次の春休みに描いたのが『かみおろし』です。この作品では、もっと違う素材を使った方が自分の表現に当てはまるのではないかと、キャンバスを使い、油絵に使う下地を塗ってみました。やってみた結果、日本画には和紙が一番合っていることや日本画画材の良さがわかり、自分の中にあったモヤモヤ感も解消され、これ以降は素材についていろいろ考えるようになりました。岩絵の具は本当にきれいで、これで描くと思うとわくわくします。ところが、描いてみると思ったようにいかない。そのギャップがおもしろいし、これからも新しいことに挑戦していきたいです。

かみおろし|日本画|キャンバス|0 号

かみおろし

日本画|キャンバス|0 号
尊い存在の山から神を降ろすのが降臨術。
現代であれば、電線からスルスルと神様が降りてくるのではないかとの
想像から生まれた作品だ。

根上 亮

不完全燃焼|岩絵の具、水干絵具、墨、胡紛|和紙|50 号

不完全燃焼

岩絵の具、水干絵具、墨、胡紛|和紙|50 号
2年前期に自分を打破したくて描いた『閉塞感の打破』で自らの殻の厚さを知り、いまひとつ完全燃焼できていないという思いを込めた後期の進級制作の作品。

小学校の頃から水彩に慣れ親しんでいて、さらっとした筆使いや色の重ね、濃淡など、水彩の特質が好きで選んだ日本画は、比較的自由度の高い学科です。2 年次は各学期の最後に自由制作があり、前期は「閉塞感の打破」を、後期は「不完全燃焼」を描きました。前期は自由制作とはいっても、文様などを調べて、そこからインスピレーションを得て描くという条件がついていました。そこで、僕は図書館で古代漢字を調べ、それと梵語などを作品に取り入れました。制約の少ない課題は、大変な部分はあっても、自分の好きなことができるので、楽しいし、思い入れも強くなる気がします。僕の場合、自由制作は両方とも抽象画になりましたが、抽象画でも具象画でも、デッサン力、造形力、構成力は不可欠だと思っています。今後はこういった力をさらに鍛えながら、感性をより一層磨いていきたいと思います。その点、ここには学内で他学科の学生の作品を見る機会が多々あり、大いに刺激になります。