日本画基礎Ⅵ(2年次)

ビニール傘、アクリルガッシュ|H1800 × W3000 × D3000mm

「表現と発想」をテーマに、自由な表現が許される課題だったので、今までつくったことがなかったインスタレーションに挑戦してみようと思いました。骨組みしか残っていない傘を頂点にしてビニール傘を積み重ねた作品は、さまざまなストレスから自らを守ろうとしている、現代社会に生きる私たちの人間性を表現しています。傘のように心の中で障壁を築けば、苦しみや憂鬱は覆い隠せる。しかし、傘は雨風をしのげても、寒さから身を守るためには役に立たない―このようなことを考えながら、制作に臨みました。今回の課題を通して実感したのは、ひとつの作品をつくり上げるためには、自分の想像力だけでなく、あらゆる物事への知識や豊かな経験、日常の中から得られるインスピレーションが重要になるということ。さまざまな素材を使うことの面白さにも気付けたので、今後は課題に限らず、自主制作の中でも新しい表現に挑戦していきたいです。(2年|ソ コウエイ)

絵画実習Ⅳ(3年次)

偶然

水干絵具、岩絵具、雲肌麻紙|H1800 × W1303 × D30mm

思春期の女の子の微妙な感情や未熟でかわいらしい様子をいつもイラストで描いていて、2年次の自由制作をきっかけに写実的な表現にも取り組んでいます。今回はより女の子らしさが出せるように、人物のポーズを意識して制作を進めました。植物や景色を区切って構成した背景は、10代の女の子を形成しているものや、気持ちの複雑さを表現するために取り入れたものです。画面が単調にならないように、粗い岩絵具やメディウムなど、いろいろな種類の画材を使ってみましたが、相性の悪いものもあり、まだまだ工夫が必要だと感じています。講評では主役である人物をもっと突き詰めて描くことや、画面の中に魅力的な部分をつくることなど、次の制作につながる多くのアドバイスをいただきました。日本画というと堅いイメージを持つ人がいるかもしれませんが、ムサビの日本画学科は自由な表現を試せますし、さまざまなジャンルの先生から幅広く意見を聞ける魅力的な環境だと思います。(3年|齊藤拓未)