3年次 版画実習Ⅳ

時間についての物語

紙、リトグラフ、木、プラスチック|H900 × W1220 × D100mm

版種や媒体を自由に選んで作品をつくり、展覧会で発表する課題だったため、普段から描いているマンガのコマ割りや視線の流れをテーマに制作を始めました。初めは、リトグラフで描いたマンガを大きな本にまとめようとしていましたが、それでは展覧会で目を引くものにはならないと考え直し、試行錯誤を経て、六層の窓枠それぞれにマンガをはめて、手前から奥にスライドしながら読んでもらう形態に落ち着きました。展示物として成立させつつ、「ページをめくる」というマンガの要素も残すことができましたし、視点を変えることで思いもよらない効果を生み出すことができるのだと感じました。私にとって版画とは、マンガや浮世絵のように、本格的に美術を始める前からなじみのあるメディア。実際に学んでみると、想像以上に自分の表現ができるし、技術や版画との関わり方も人それぞれでとても興味深いです。今はリトグラフがメインですが、ほかの版種も積極的に学んでいきたいと思っています。(3年|芦川瑞季)

3年次 版画実習Ⅳ

病気と鬱とモジャ

リトグラフ、スプレー、クリアフィルム|H1100 × W710 × D3mm

私はいつも「人間をいじめてくる宇宙人」を描いています。今回の課題で題材にしたのも、そのシリーズに登場する一匹で、人間界に鬱をばら撒いて、増殖させてしまう「モジャ」というキャラクターです。今までは講評のときにコンセプトを説明する程度でしたが、油絵専攻と合同で行うコンクールという機会に、もっと多くの人にわかりやすく、私が考えているストーリーや世界観を伝えたいと思いました。そこで、人はなぜ暗い気持ちになってしまうのか、病気になってしまうのかと自分なりに考え、それをもとにしたキャラクター設定をテキストにしてクリアフィルムに印刷し、キャラクターのリトグラフとともに作品の一要素としました。ほかの課題よりも、独りで制作する時間が多かったので、シリーズの世界観をより深めることができたと思います。私がつねに心がけているのは、好きなことは突き詰めていくべきだということ。がんばり過ぎるくらいがんばることに、必ず意味があると思っています。(3年|西野水穂)