「何をどう描くのか」「なぜ描くのか」を見極めながら各自の個性を再発見する。

版画の技法は実にさまざまで、習得にも時間がかかります。1・2年次はその入り口として、版画制作と油彩やデッサンによる絵画制作を行き来し、絵画や版画について総合的に考察します。技法の習得に終始することなく、描くことの意味や本質と向き合い、骨太な基礎力を身につけます。

3年次からの専門課程では、木版・銅版・リトグラフ・シルクスクリーンの4版種のいずれかの工房に所属し、専門的な実習に臨みます。学年を超えて共有する工房は、互いが刺激し合う創造的空気に満ちているはずです。版種をまたいだ制作や、デザイン領域への展開を志向する学生のための指導体制も整えています。

カリキュラム

全体

版をつくったり、紙に刷ったりする版画の制作過程での様々な体験を出発点に、絵本やイラストレーション、ブックアート、デジタル表現などのグラフィックアーツ領域の新たな可能性を体感しながら、学生一人一人の個性を再発見することを目指す。1・2年次での基礎的な版画技法、あるいは選択制による様々なグラフィックアーツ実習を経て、3年次から専門性を深化させたそれぞれの学びを進めていく。

1年次

銅版画、リトグラフ、木版画、シルクスクリーンなどの基礎的な版画技法を習得しながら、グラフィックアーツとして様々なプリント表現の可能性を経験する。

2年次

版画の基礎的な技法演習を継続しつつ、油絵学科としての多様な選択制のカリキュラムを受講することで、幅広い視野の表現者としての素養を習得する。また、選択制で絵本やイラストレーション、ブックアート、デジタル表現などのグラフィックアーツ領域のカリキュラムを受講することも可能となる。

3年次

前期に銅版画、リトグラフ、木版画、シルクスクリーンそれぞれの集中講義を受講したのち、主専攻となる版種を選択し後期以降、各工房において専門的な実習をスタートさせる。また、絵本やイラストレーション、ブックアート、デジタル表現などのグラフィックアーツ領域の制作をグラフィックアーツ（GA）工房で進めることも可能となる。

4年次

3年次までの経験を通して体得した表現者としての柔軟で幅広い造形力をもとに、学生各自が真摯に卒業制作に取り組むことによって、グラフィックアーツとしての新しい平面視覚表現の地平を切り拓くような意欲溢れた作品制作を実践する。