五感を開放し、既存のデザインを見つめ直すことから始まる4年間。

視覚伝達デザイン学科では、どのように「見つめるのか」「見るべきか」「見たか」といった対象と自身との関係を明確にしてヴィジュアル・コミュニケーションを成立させることのできる人材を育てます。
そのために、コミュニケーションの基盤となる身体性と、デザインに必要とされるメディアを操る技術力、そして造形力と知力、これらを駆使して社会の多様な要求に応えることのできる基礎課程と高度な専門領域の科目が用意されています。

カリキュラム

1年次

[身体から始まるコミュニケーション]
視覚伝達デザインの基礎となる「見ること」「かたちの生成」「伝えること」とは何かを実践の中で思考し学びます。コミュケーションの基盤となる自らの身体性、つまり眼(視覚)や手(触覚)、声(聴覚)とそれらが複合して現れる意味空間の認知を基盤とし、形の生成、色彩、空間と環境、タイポグラフィ、製図、絵画、彫塑など様々な演習やグループワークショップが行われます。演習を通して自分、他者、集団と新鮮な眼で向き合うところから、視覚伝達の原理とダイナミズム、その可能性を学ぶことが求められます。

2年次

[メディアによるコミュニケーションの拡張]
前期は3つ基礎を学ぶ演習が用意されています。
(1)身体の拡張として人類が生み出してきた複製技術の原理
(2)近代グラフィックデザインの基本文法
(3)情報の発見からメッセージの発信に至るデザインプロセス
(1)は印刷、写真、コンピュータ(プログラミング)などのメディア表現の特性や可能性を実践的に経験します。(2)はグリッドシステムやユニットパターンの生成、ピクトグラムなどを学びます。(3)は与えられたテーマをもとにフィールドリサーチ、情報の編集を行い、それをコミュニケーションの形に変換、他者に発信するまでのデザインの全行程を経験します。
後期は基礎過程のまとめとしてメディア技術と方法論の可能性を深化させます。グラフィック、インターネット、インタラクティブ、映像、アニメーション、遊具などのメディアを選択しフィールドリサーチ、表現の実験などを通して情報とメディアが持つ固有の造形原理と表現(コミュニケーション)の可能性を追求します。

3年次

[コミュニケーション・デザインの社会への広がりと深化]
3年は専門課程に位置づけられています。I群/ II群という2つの構造を持ち、視覚伝達デザイン学科の特徴を表すものです。
II群は3年次前期・後期と4年次前期の3学期間に設定され、社会の多様な要求に答えることの出来る高度な専門教育が用意されています。広告(マーケッティングコミュニケーション)、やブランディング、アニメーション、タイポグラフィ、映像、エディトリアル、写真、インタラクティブ、Web、編集、絵本、ブックバインディング、パッケージ、ダイヤグラム、イラストレーション、データグラフィック、プログラミング、ヴィジブルランゲージなどから選択し各人の目的に適った専門領域を構築します。各コースは斯界のスペシャリストによる多彩かつ高度な授業が用意されています。
I群では3年次通年でII群と並行して、従来のデザインの形式にとらわれず斬新な視点で現代社会の問題を捉え、新たなデザインのあり方を提示出来る能力を育みます。ライティングスペースデザイン、情報デザイン、環境デザインの3領域が設定され学生はその1領域を選択します。それぞれの領域において未来を見据えた視覚伝達デザインの新たな可能性を探索するための創造的なリサーチと実験的な制作が行われます。

4年次

[個から社会へ]
4年次前期はII群の選択演習と並行して学生の専門領域にあわせた専任教員による通年のゼミを選択します。ゼミと卒業制作では1年次から4年にわたるそれまでの学習を学生自らが統合しさらに深化、高度化させます。卒業制作は全学生による中間プレゼンテーションを2度行い、テーマの決定とリサーチ、制作を学生自身が計画的に行うことを求めています。視覚伝達デザイン学科の教育を反映して卒業制作におけるテーマとその展開はグラフィックメディアからインタラクティブメディア、アニメーションやドキュメンタリーなどの映像、立体やインスタレーション、社会やコミュニティーに関わる提言など大変多様です。また特に最近ではその目的に応じて複数のメディアを駆使したものも多く見られるのが特徴です。デザインの専門家として今後の社会活動の礎となること、最終的には個として社会に発信する視覚伝達デザインとしてのオリジナリティを持ったメッセージとなることが求められます。