色彩論I 1年次

荒幡千笑『光の表出』

色彩にとって光は本質的です。その光=色彩が見える様相は多様で、たとえば、ストロボの光、太陽、虹、朝焼けの雲や空、りん光、暗い行灯などさまざまです。また、色は人間の外側の世界にあると同時に、人間の内側にもあります。ある色の刺激を見て、その刺激を取り去った後に色が(心に)見える現象が残像です。特に、強い光の残像はいろいろな色が交代して現れるように見えます。このような光の色を絵具で再現することはとても難しいです。この課題ではさまざまな光の特徴を捉えて、それを表現することを目標にしています。

形態論I(トランスフォーメーション)1年次

長嶋健太『identity』

この演習では考えることとつくることとの関係や、図像や形態を形成するためのプロセスや方法の研究を目的としています。10cmのグリッドが入った立方体を「拡大・縮小・移動・回転・反転」の条件を使って5 段階で変化させ、もとの立方体と違うかたちにする「立体」課題をはじめ、立体作品をスタジオで写真撮影して4ページの図録にまとめ上げ、パソコンワークを含めたスキルを身につける「図録」課題など、課題の形態も多岐にわたります。

形態論Ⅱ(material/color)2年次

山崎凪紗『ハトメ』

【色彩論I】で探究した色彩の様相をさらに発展させ、かたちや素材との関係でさまざまに変容する色彩の現象性を探ります。課題では、身近な素材(自然物・人工物を問わず)が持つ色の特性を分析し、色彩の構成を行います。素材の成り立ちを同時に考え、物質と色・物性と色について考察を深めることで、平面だけではない、空間や時間との関係において変容する色彩の豊富な様態が見えてきます。

タイポグラフィ研究a 2年次

白土真衣『from/fetishism』

タイポグラフィとは、もともと「活字組版印刷術」を意味する言葉でしたが、今日では文字を扱うデザインを総称するものとなりました。この演習では、文字という言語のみならず、色彩や形態、音楽などのあらゆる事象における造形言語を同等に捉え、読み取り、形成する中で自己の言語体系を構築していきます。課題では自ら制作した詩と図像を扱い、空間構成を行う中でポイエーシスの生成を目指します。

デザイン演習Ⅰg(プロダクト環境)3年次

熊谷竜治『Insence for Lost Birthday』

発想から思考、展開というデザインプロセスを通じ、イメージを具体化する演習です。モノとの関わりの中で身につけた体験や気づきを、「使う」という受動的なものから「つくる」という能動的な視点へ転化させます。ものを現実に対応させるために、寸法という概念を身につけます。

デザイン演習Ⅰm(ヴィジュアルコミュニケーション)3年次

中川楓子・古川優美・保坂日菜美・三澤麦・山口歌蓮『市場に出ずに捨てられるはずだったけれど十分に安全な食材だけを使ったスープ』

ヴィジュアルコミュニケーションの実践的な演習は、3年次にはよりコンセプチュアルな次元でデザインを展開するステージに移行します。表現したい内容を的確に可視化する力と、人の記憶に印象を刻印するコミュニケーションとはいかなるものであるかを、二つの課題を通して理解していきます。特に後半の課題は、視覚記号の運用によって、アイデンティフィケーションがいかに生成するかについて把握する実践的な演習になります。

卒業制作 4年次

澁谷武『Shine』

映像

「輝く」という言葉。しばしば人に形容することがある。果たしてそれはどんな人だろう。容姿端麗な人だろうか。栄光を手にした人だろうか。私はそれは何か目標に向かって猛進している人、何かに向かって必死に打ち込む人だと思っている。彼らは盲信的であるかもしれないが、何かを必死に掴もうともがく姿は私には眩しくて仕方がない。そういった彼らの前のめりになって目的地まで向かって突き進んで行く姿が、私の中で輝きを失うことのないカタツムリのイメージと重なった。そんな姿を自身の作品で描きたかった。私自身も輝き続ける人物になるために。(作者コメント)

吉田大成『明朝体「はくれい」の制作』

タイプフェイスデザイン|本|紙 H280 × W250mm、H180×W125mm

本文書体をつくること、それはタイポグラフィへの敬意と膨大な作業量、そしてなによりも気の遠くなるような一貫した緻密な制作時間をともなう。グラフィックデザインがアプリケーションづくりだとすると、その根幹、OS(オペレーションシステム)を生成・構築することに近い。吉田君はこのタイポグラフィの本質に迫る大テーマに真正面から取り組み、ひらがな、片仮名、漢字、なんと5500字にものぼる、そこはかとない流麗な明朝書体とそのファミリー展開を見事に描きあげたのだった。(坂東孝明教授/『優秀作品集 2017』より再掲)