芸術文化学入門 1年次開講

芸文の学科パンフレットを分析するグループワーク

芸術文化学の基礎知識や考え方を身につける

―どんな授業・課題でしたか?
芸文に入学して最初の授業です。芸文の教授それぞれの専門分野を学ぶ講義をはじめとした、芸術文化学の入門授業です。映像や絵画の基礎を学んだり、スマホを使った映像表現や学生同士で顔をドローイングし合ったりと実践も多く、グループワークにもたくさん取り組みました。論文やレポートなどの学術的な文章を書く技術(アカデミック・ライティング)の課題も出ます。今でも「あの授業は面白かった」と学生の間で話題になります。

―今後の目標は?
クラシック・バレエの伝統を継承するためのコンテンツをつくり、バレエ界に貢献できればと思って芸文に進学しました。芸術文化学の領域から研究や実践を深めて、舞台芸術、パフォーミングアーツの文化継承や発展を促せる人になりたいです。
(1年|ソーズビー キャメロンさん)

プランニング入門・実践 1年次開講

入門編の企画書『Drivetrip』(左)と実践編の企画書『CAR+』(右)

入門と実践でプランニングをリアルに学ぶ

―どんな授業・課題でしたか?
企画の発想方法やリサーチ、マーケティング、ブランディングなどの基礎知識を入門と実践を通して学びます。初めて聞くような専門用語ばかりでしたが、現役のプランナーをゲスト講師に迎えた事例紹介やアドバイスもあり、プランニングとは何かをリアルに学ぶことができました。

―今回の提案について教えてください。
入門編では身近な人との旅の企画を練る課題に取り組み、鎌倉が好きな家族との2泊3日の旅行計画を立てました。地域が必要としている文化・商業施設を考える実践編の課題では、坂道が多く買い物が困難な高齢者をサポートする移動販売車のレンタルサービスを提案。社会では企画を立案し、遂行できる能力がますます重要になっていると聞いているので、今後もプランニングの学びに力を入れて、プレゼン力やデザイン力も高めていきたいです。
(1年|間野日南子さん)

マネジメント入門・実践 2年次開講

立川まんがぱーくのSWOT分析

リアルな企業や施設の現状を分析し経営戦略を策定する

―どんな授業・課題でしたか?
文化施設・事業やアーツプロジェクトなどのマネジメントに必要な基礎知識や方法論を学ぶ授業です。入門編では企業と文化施設を題材に、SWOT分析を用いて現状分析と経営戦略を策定し、実践編では自由なプロジェクトを立ち上げ、具体的な計画書の作成を通して、プロジェクトマネジメントのプロセスを実践的に学びました。

―今回の提案について教えてください。
入門編では立川まんがぱーくを取り上げました。SWOT分析の際に心がけたのは、実際に施設へ足を運んで一次情報を得ること。また、事業報告書やアンケート調査報告書など二次情報も調査・分析し、客観的な現状分析に努めました。文化施設がどのように地域に寄与しているのか考察したくて立川市の行政資料にも当たり、利用者の立場になって調査できたことが講評でも評価してもらえました。
(2年|土屋道信さん)

造形基礎 2年次開講

立体造形演習で制作した粘土の立体作品

H50 × W200 × D150mm

実技体験から理解する多様な表現のプロセスやエッセンス

―どんな授業・課題でしたか?
アーティストをプロデュースする立場として必要不可欠である造形の基本的な要素を学ぶ授業です。1年次にも造形総合科目で絵画や彫刻の実技がありますが、自己表現が目的のそれらと違い、造形基礎は色彩演習、模写演習、ピクセル・デッサン演習などさまざまな実技を体験しながら、多様な表現のプロセスや共通するエッセンスを学びました。

―制作した作品について教えてください。
2つの異なるモチーフを組み合わせて粘土で表現する「異種統合」がテーマの立体造形演習で制作した作品です。美術系の高校に通っていたので実技の経験はありましたが、異質なものを組み合わるアプローチの表現は経験がなく、純粋な驚きがありました。この授業を受けてからは作品との向き合い方も変わり、色や線、明暗の変化など作品の細部にも目が行くようになりました。
(2年|狩俣こみちさん)

アーツプロジェクト 1~3年次開講

2022年10月から11月まで3期にわたり開催した『1992板金考ー板金工2022 彫刻家・吉雄介 トタンと歩んだ30年』の設営の様子と展示風景

他授業との結び付きも実感できるアートマネジメントの実践

―どんな授業・課題でしたか?
アーツプロジェクトはさまざまな人と関わりながらアートマネジメントを実践的に学ぶ、芸文の醍醐味を一番感じられる授業です。2022年は彫刻家の吉雄介氏と協働で、ムサビで開催する個展をプロデュースしました。1~3年生の有志が広報・展示・記録などの各班に分かれ、私は運営班として総務・人事・経理・授業の進行アシスタントを担当しました。

―どんな学びがありましたか?
プロジェクト全体に関わりたくて運営班を希望しましたが、想像以上に仕事が多く、人間関係の難しさも感じました。ただ、展示期間も後半になるとブラッシュアップした運営ができるようになったと思います。1年次のプランニング入門・実践や、アーツプロジェクトと並行して授業が進んでいたマネジメント入門・実践との結び付きも実感でき、学びを深めることができました。
(2年|田口トキオさん)

ミュゼオロジー実習 4年次開講

武蔵野美術大学美術館で開催された「みんなの椅子 ムサビのデザインⅦ」展を利用して展示品の清掃や配置の提案などを行った

美術館・図書館の収蔵品を整理・分類しデータベース化する実習の様子

実務体験を通して4年間の学びを理解につなげる

―どんな授業・課題でしたか?
学芸員資格取得に向けた集大成として、学芸員の業務や博物館運営を現場で体験する実習です。3年次後期に多摩六都科学館や東京都写真美術館の学芸員の方々から、館の運営方法や展覧会企画の背景などのお話を伺う「見学実習」があり、4年次前期から夏休みには学内で「実務実習」と「館園実習」に臨みました。ムサビの美術館と民俗資料室で行う実習では、収蔵品の調書の取り方や梱包方法などさまざまな実務を体験しました。

―どんな学びがありましたか?
現場のリアルな声を聞ける貴重な機会を得られたことで、今までの学びをしっかりと理解につなげられたと思います。学芸員には専門知識だけでなく、コミュニケーション力や臨機応変な対応力なども必要です。この実習での学びを生かせるような仕事に携わっていきたいと思います。
(4年|北田花梨さん)