3年次 絵画実習Ⅳ

A.S.D

木、ウレタン、アクリル、ビデオ、サウンド|H900 × W500 × D70mm

版画専攻と合同で行われ、制作後に学内で作品を展示する授業です。タイトルの『A.S.D』は“Absolute Safety Device”の略。いかにして新しい装置をつくり出すかが、2年次以降の私のテーマでしたが、今回は「AED(自動体外式除細動器)」からヒントを得て、人間の感情を治療し、鑑賞者が救われるような装置をつくろうと考えました。できるだけ「油絵学科」という制約から離れるために、映像、彫刻、絵画という三つの要素を自分なりに再構築しています。異質さや未知のものに触れたときの感じを演出しようと、モニターのカバー部分の質感表現や中身の映像、彫刻にもこだわりましたが、いろいろなものに力を入れ過ぎてしまい、伝えたいことが分散してしまった気がしています。ただ、ほかの学生と競い合うようにして制作できたことで、少し自分の限界を超えることができたのではないかと思っています。早くCGを手足のように使いこなしたくて、今は必死で勉強しています。今後はムサビの環境を活用しながら、密度の高い作品をつくっていきたいです。(3年|鈴木雄大)

3年次 絵画実習Ⅳ

心像

カンヴァス、油彩|H1167 × W1167mm

小さな頃からずっと慕っていた祖母。いつかは描きたいと思っていましたが、コンクールが始まる直前の夏に亡くなってしまったことで、「今しか描けない」と思い、モデルにしました。祖母は亡くなる数年前から認知症でしたが、会話ができなくなっても表情や目線で何かを伝えようとしてくれていたのがとても印象に残っています。一緒に過ごした時間は目に見えるものではないけれど、私の中にある思い出を紡ぐように描いてみようと、筆のタッチには気を配りました。顔を大胆に入れる構図は「ギリギリかな……?」と不安もありましたが、先生から「一歩間違えば失敗だけど保っているよ」と助言をいただき、かたちにすることができました。今回の課題では改めて「見る」という行為を意識することができました。また、自分自身と向き合うことで、存在しない対象とも通じ合い、表現をより深く追求できたと感じています。私は人の感情や見た目の変化に、特に惹かれるのかもしれません。今後も人をモチーフにした制作を続けていきたいと思っています。(3年|井上咲香)