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田中太貴

印象深い授業といえば、「形態論」の授業で2 年次に行ったFound Objectという演習。Found object は「その場で見出された道具」といった意味で、食器や文房具など誰もが知っているものから発想して別のものをデザインする、という課題です。そこで「定規」という題を出された時、思い浮かんだのが和裁などに使う竹製の定規。祖母の家が呉服屋だったので、赤や黒の点が彫られた竹定規がおもしろいな、という記憶があったのです。これを時計にしようと思い立ったものの、安易にアクリル板を使ったら「伝わらない」とダメを出されるなど、何度も作り直しました。その過程で、木工から印刷の最新技術まで、最高水準の技術指導を受けられるのがこの学科の強みです。また、演習のコンセプトそのものもプロのデザイナーが用いる手法で、学生にとっては貴重な体験。プロの仕事を垣間見たことで、生活に身近なプロダクトデザインの道に進みたいと思うようになりました。

TAKEDOKEI 木製|直径250mm、厚さ9mm / □ -Band ゴム製|タテ40mm、ヨコ40mm、厚さ1mm

TAKEDOKEI

木製|直径250mm、厚さ9mm
「形態論」Found Object にて制作。竹の定規を時計の盤面にデザインした。試行錯誤の末、最終的には木で文字盤を作り、こだわりの“ 赤点” は彫って彩色をほどこしてある。

□ -Band

ゴム製|タテ40mm、ヨコ40mm、厚さ1mm
「しかくばんど」と読む。名前の通り・見たまま、のおもしろさを狙った四角い輪ゴム。同じくFound Object にて制作。

大島絹子

3年次のビジュアルコミュニケーションの授業で、「HOTEL」という課題が出されました。グループで話し合い、ホテルのコンセプトを作り込んで、その世界観を表現するアプローチをしていきます。私のグループが考えたのは「musho」ホテル、つまり刑務所ホテル。ホテル→非日常→一人で自分を見つめ直す……という発想です。外観・内装のデザインから、食器、リネン、宿泊プランや広告に至るまで、ディテールを決めるほどにリアリティが高まっていくのが、本当にうれしかったのを覚えています。私はまんべんなく全体に目を通しましたが、ウェブ、プランづくり、ロゴのデザインなど、メンバー各自が得意分野で力を発揮しました。理論と感性の両方を駆使して自分たちが感じたことをいかに伝えるか、というデザインの素地が全部詰まった課題だと思います。将来は学んだことを活かし、デザインの仕事に就いて、いつか地元に帰って恩返しできる人になりたいと思います。

「musho」ホテル

「musho」ホテル

デザインの基本は刑務所の定番である「縦縞」。
要所要所に鉄格子があり、宿泊プランは起床から就寝まで細かく時間割されている。
あくまでも非日常でくつろぐ「ホテル」であるため、シンプルさを重視。