設備が整った7つの専門工房を駆使しながら、作家としての独自の表現領域を探求する。
「彫刻とは何か」という問いに正解はありません。彫刻の起源や心の働きを考察し、現在と未来のあるべき姿を問い続けることが彫刻に生命を与えます。本学科は、7つの専門工房を基盤に伝統的な素材や技術を尊重しながらも、同時代性や対話を重視した指導で、普遍的な問いを持ち未知の世界の扉を開く表現者を育てます。

専攻分野
- 彫刻
取得可能な資格
- 中学校教諭一種(美術)教員免許
- 高等学校教諭一種(美術・工芸)教員免許
- 学芸員
卒業後の進路
彫刻家、造形作家はもちろん、進学や就職しながら制作を継続するほか、造形力や素材の幅広い知識を生かして製品や空間のデザイン領域へ進む人もいます。
7つの専門工房を駆使しながら独自の表現領域を探求する。
同時代の美術とは何かを問い、美術の歴史を見つめ直しながら制作し、表現の思考力を深めます。理論的にステップアップし、4年間を通じて自立して制作研究のできる人材を育成します。
カリキュラム
全体
触覚の持つ知覚の根源性と表現の多様性を根本に専門性の追求を目指します。1・2年次で素材と向き合い技術や視点を学び、3年次以降は制作や批評を通じて表現力を多角的に磨き、自由な環境で創作を深めます。

「内側のかたち」を感じながら「外側のかたち」を制作するなど、触覚への理解を深めるユニークな課題から始まります。立体造形力や課題設定力、立体的なイマジネーションなど、表現者としてのものの見方を鍛えながら、各課題と美術史を関連づけて多様な歴史観も学びます。

1年次で蓄積した興味を独自の課題として展開する力を鍛え、自分自身の視点を明確にするため、各自が目的に合わせたカリキュラムを組んでいきます。また、少人数制で密度の高い集中技術指導を行い、さまざまな素材の歴史性や媒体の独自性への理解を深めます。

「塑像」「金属・セラミック」「石彫」「プラスチック」「木彫」「ミクストメディア」「デジタル」の7つの専門工房を駆使した制作を開始します。複数の工房を行き来して独自の領域を構築することもでき、多方面から批評を受けられる環境で表現力の深化を図ります。

最初に「逸脱」というテーマで作品を制作し、展覧会を企画。これまでの素材と表現の縛りや思い込みを払拭し、新たな展開を模索する機会であるほか、展示を前提にした制作によって社会で自立して制作する基礎も構築します。後期は集大成である卒業制作に取り組みます。
卒業制作優秀作品
彫刻学科で学んだ学生たちの制作・研究の成果から、優秀作品を紹介します。
学科専用施設・設備
学科それぞれの専門性を発揮できるように、さまざまな制作・研究に対応した施設・設備を完備しています。

石彫工房
クレーンで石材を直接工房に搬入でき、重量物を移動させやすいようにインバータ式クレーンも設置。強力な集塵設備やシャワー室も併設しています。

木彫工房
デリケートな木材を保護するため、8cmの厚さの床材でフローリングされた工房。クレーンと集塵装置、多様な木材の加工機器も完備しています。

金属・セラミック工房
鉄やその他非鉄金属の加工や鋳造、セラミックの焼成など、重機や火気を使う制作のための複合工房。天井高10メートル以上の巨大空間です。

鋳造工房
鋳造のための炉は大きいものから小さいものまで 4基を設置。ブロンズはもちろん、アルミニウムの鋳造も可能です。

塑像工房
採光の美しい工房です。粘土槽を移動できるなど、目的に応じたフレキシブルな制作の展開が可能です。

FRP工房
ポリエステル樹脂を中心とした化学素材を扱う工房です。吹き出した空気を強制的に吸い込み換気するPush-pull 式の強力な換気システムを完備。

ミクストメディア工房
ワックスやテラコッタを含むさまざまな材料に対応できる広いスペースと集塵・排煙設備を備え、多様な制作を可能にしています。

デジタル工房
PC、3Dプリンタ、レーザーカッター、コンピュータ制御による3Dルータなどを完備。PCからの3D出力や、映像的なアプローチが可能です。