学科理念・教育目標

「人間、空間、モノ、時間」を新しい視点から統合し、次代の生活文化を豊かに創造していくために、空間演出デザイン学科はあります。

舞台美術、舞台衣装や映像など、主に仮想空間における自在な物語、そして時間軸の設定や推移を伴う表現として「セノグラフィ」、空間の形態や素材、光や照明を介して環境をつかさどる空間創造や店舗及び建築設計、インテリアデザインを目指す「空間デザイン」、衣服を根底としながら身体をとりまく文化・環境・メディアへと広く視野を展開する「ファッションデザイン」。これら三つのコースを軸に、人間の営みが展開される場としての空間を、より豊かに、より美しく、より高度な精神文化の表現の場として形づくっていくこと。これが空間演出デザイン学科の目的です。

本学科は、歴史的には1954年商業美術科と演劇映画美術科が併合されてデザイン科となった時から始まり、1962年に産業デザイン学科・芸能デザイン専攻が開設され、1972年には造形学部・芸能デザイン学科、1985年には空間演出デザイン学科と改称された。1988年にはファッション・デザインコースも開設され、今日の三つのコースをもつ学科となりました。

アート、デザインという垣根のない多様な造形表現を取り込みながら、時間とともに推移する自然の姿から学ぶ想像力はもとより、歴史的に発展してきた素材やテクノロジー、さらに新しいメディアに対する理解を深める学習を初期基盤とし、それらの要素を統合化するために、平面と立体、そして空間、時間へと、デザインを展開する自由な思考の習得と、鋭い直感力の養成が必要となります。その上で、人間や文化に対する深い洞察力によって、単なる視覚的な空間演出ではなく、社会性を伴った人間の未来を切り開くデザインを積極的に学び体験しながら、身体や精神と空間を融合させる豊かな表現能力を身につけていくことになるでしょう。

たとえば舞台上での表現は、人・空間・モノ・時間、そして言葉など、有りとあらゆる表現の総体であり、人間やそれを取り巻く社会の現在や過去、そして未来を映しとる鏡として存在します。人が衣服をまとうように、社会もまた、劇場という衣服をまといながら、さまざまな視点から自らを見つめる事が出来ます。

三つのコースには、セノグラフィ(舞台美術、舞台衣装)、空間デザイン(環境デザイン、インテリアデザイン)、ファッションデザインの五つのプラットホームがあり、どこをどう乗り換えながらでも未来という想像力と夢に向かって、それぞれが相互に影響し合いながら、幾つもの異なる視点を通過することで、新たな視野と奥行きのある可能性が広がっていきます。「人は、なぜ劇場に行くのか?」という根源的な問いかけと同様に、「なぜ “空デ” にいくのか?」という答えがそこにあります。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

本学科の特色である、広範な領域と表現の多様性を活かした実習授業に重きを置きながら、身体を軸に基礎的な造形力や見立てによる空間造形と、その演出法などを学び、2年次には専門領域に至るまでの自由な道のりを選択しながら、さまざまなプロセスによる表現の独自性を培う。3年次以降選択での各専門領域に分れ、後半からは更に、各教員のゼミナールにより再度個性豊かな専門性を養う目的である。

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)

さまざまな場での空間演出に託した豊かな想像力と発想の独自性を養い、より広い視野を手に社会との関わりに向けて、未来に立ち向かう人間の可能性を押し広げるための勇気と、感情の推移を感じ取れる血の通った人材を育成する。

三つのコースが相互に交差し影響することによって、より自由で高度な創造性の環境のもとで、初期教育から専門領域での教育に至るまで、多様な造形表現と個性溢れる発想を伴ったクリエーターの育成へ向けて、多彩な分野から集結した教員による選択肢の自在なカリキュラムが展開される。

大きな社会の考え方が、あらゆる場において、常に一人の特異な発想で変化してきたように、自由な考え方を伴った個性豊かな学生を歓迎する。

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

非常に自由な選択肢のもとで、多様な造形表現と個性溢れる発想を伴った空間演出に携わる人材の育成を目指すために、さまざまな実践形式による作品発表を随時行いながら、よりリアルな時代性への適合と共に、現在、過去を踏み台とした空間表現への独自性と、豊かで雄弁な創造性を評価する。